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異世界でマーモットの王となりました  作者: バッド
1章 俺たちマーモット

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10/55

10マモ 早くも銃無双終了!?

 ショッピングモール。最近は買い物に行くならモールが一番早いとファミリー層に人気の施設だ。映画館やゲームセンターなどもあり、レストラン街もあるので、大人から子供まで、ちょっとした休日に遊べる施設である。


 しかし、ショッピングモールと聞くと、少し違うイメージを持つ者がいる。それはゾンビ映画とかで大人気の避難所。ここに立て籠もるにはどうしたら良いかと、ゾンビファンなら考える期待の場所なのである! いや、俺が前世ゾンビ映画ファンだからじゃないよ? 一般的な思考だから。本当だよ? 皆、同じ考えだよね?


 そんなゾンビパニックの時に、ドキドキワクワクの施設となるショッピングモールに、お決まりの避難民たちがいた。


 とはいえ、なんか変だ。


「回り込まれないようにケビンとネレッサは左を守れ! ジョー、ボブスは右を。私たちは正面の敵を倒す!」


 集団の人数は50人程。前面に立つ人たちが剣を振るっている。相手はゴブリンたち。その数は二百名ほど。


『緑肌の人型魔物。武器を扱える程度の多少の知性を持つ。ゴブリンと名付けました!』


 うん、AIアシスタントもゴブリンと教えてくれる。敵はゴブリンだ。


 ショッピングモールの正面玄関を放置された車両やら瓦礫やらでバリゲートを作り、攻めて来るゴブリンたちを防いでいる。避難民を獲物と見て、数にも勝るゴブリンたちの猛攻はバリゲートを崩そうとしている。


 ここで変な点があることにお気づきだろうか。彼らは剣を振るっている。この日本で。


「なにあれぇ、コスプレ? すごーい、コスプレ? 緑の肌をしてるよぉ」


「いや、あっちは多分魔物ってやつ。コスプレじゃないよ。それよりも変なのは彼らだよ。どこから剣を持ってきたんだ?」


 気が利くバギー君がドアを開けてくれるので、好奇心旺盛なマーモットたちはぴょこんと顔を突き出して眺めています。


「そういえばそうですね。天才たる私には分かります。あの人たちはきっと暴力を手段としている人たちに違いありません、ケーサツを呼びましょう」


「いやいや、ルー。おかしいって、あの人たち鉄の鎧とか身に着けてるぞ。日本のどこにそんな装備をしている奴がいるんだよ」


 ルーにしては常識的だけど、残念。多分違うと思う。


「そうだよぉ。あれは戦士のコスプレだよぉ。ミカ知ってるもん」


「そうなると、避難民たちは村人の役かしら? やけに貧しそうな服装だけど、この危険な時期にわざわざ村人のコスプレ? 楽しそうね」


 ミカとリリーはコスプレだと言うが、それも違う。前線で戦っているおじさんは使い込まれた鉄の鎧を着込み、青く光る剣を振るっているし、周りの部下らしき人たちは先端が鉄でできている槍を振るっている。そして、後ろで震えている人たちは麻の服とか、色のついていない布の服を着込んでいた。しかも金髪どころか、水色とか緑色の髪の人もいる。


 なによりも、彼らは『日本語』で話していない。いや、地球に存在している言語ではないと『理解』した。俺が言葉を分かるのは『言語読解レベル2』を持っているからだ。

 

 もしかしたら異世界人だろうか? ピンチに陥っている様子から、さほど強そうには見えないけど、この異変に巻き込まれたのだろう。


「見ろよ、あの青い剣。緑肌の奴らをスパスパ斬ってるぞ。すげ~」


「むむ、たしかに。なんだあれ?」


 先頭のおじさんだけ強い。振るう剣に青白い光を纏わせて、ゴブリンたちの持つ短剣や棍棒をあっさりと切り裂き、剣で次々と屠っている。


『魔法合金である魔鉄の剣だろう。魔法付与されており、その切れ味は物理的な抵抗を簡単に切り裂く』


 なるほど。魔法の剣らしい。かっこいいなぁ、俺もほしい。マーモットの手に合う魔法の剣を振るって活躍するんだ。ロマンあふれるなぁ。


 ゴブリンたちの背丈は一メートル程度。だが、その中で二メートルは背丈のあるゴブリンが10人程。鉄の胸当てを付けて、大剣を背に背負っている巨漢のゴブリンが後方で眺めている。多分あいつがボスだ。


『二メートルほどの魔物は一般的なゴブリンよりも強い。ホブゴブリンと名付けました。大剣持ちは……大剣ゴブリンと名付けました!』


 直結脳のAIアシスタントだ。ネーミングセンスゼロだな。大剣ゴブリンが命じると、ホブゴブリンたちが魔法の剣を持つおじさんに集中し始める。必死になって防ごうとするおじさんだが、ホブゴブリンたちの集中攻撃には防戦一方となる。その間に他のゴブリンたちはバリゲートを破壊して、中に入ろうとしていた。


 なかなか考えてるな。このままでは人間たちは倒されるだろう。おじさんも汗だくだし、スタミナも保たないに違いない。


 大変だねと、ボーッと眺めている俺たち。お鼻をヒクヒクさせて、そろそろおうちに戻ろうかなと考えてます。


 これが人間なら手助けをしようとか考えるんだろうけど、俺たちはマーモットだ。人間を助ける義理はない。これがマーモットカフェの人たちなら、恩があるから助けたんだけどね。

 

 非情と言うなかれ。野生の世界は厳しいんだ。弱肉強食。マーモットとしては当たり前のことを━━。


 んんんん?


 なぜか俺たちを指差し、ゴブリンたちが興奮している。その目には丸焼けの漫画肉が映っているのは気の所為だろうか?


「ゴブ、ゴブブ!」


「ゴーブブ、ゴーブ!」


 なんか興奮している、いや、分かる。魔物の言語は分からないけどわかる。分かっちゃった。


「ゴブブゴブブ!」


 そして、数十匹がよだれを垂らして、バタバタと足音荒く走ってくる。


「ヤベー。俺たちを獲物だと思ってるぞ、あいつら! 食べやすいサイズのお肉に見えてる予感!」


「ふふ、天才たる僕には分かります。ピギーピギーと叫んでいたからだと!」


「あぁ、そうですね!」


 ここに美味しいお肉がありますよとアピールしていたマーモットたちである。うん、また失敗しちゃったよ! 防犯ブザーのような高い声音のマーモットの声が憎いっ。


『マモットリーダーは正面で迎え撃て! 残りは左右に分かれて対角線状になって、迎撃だ!』


 マモット特殊部隊。そのリーダーたる俺のデビルアーミーのあだ名はマモットリーダーだ。


「リョウカイ」


 俺の指示に従い、リーダーが正面で膝立ちとなりアサルトライフルを構えて、左右に他のアーミーたちが広がると、迎撃態勢をとる。


 ゴブリンたちは銃を見ても、それがなにかがわからないのだろう。まったく恐れることなく走ってくる。


「ファイア」


 片言で呟くマモットリーダーが銃の引き金を引く。同時に左右に展開したアーミーたちもアサルトライフルを撃ち始める。


 タタタタタと軽い音が響くと、対角線状になって撃ち始める銃弾の嵐がゴブリンたちの集団を襲う。軍用ライフルの銃弾の威力は凄まじく、ゴブリンたちをあっという間に肉塊へと変えていき、数十秒で殲滅するのであった。


「ヌヌぉぉぉ!」


 あっさりと殺されたゴブリンを見て、怒りの唸り声をあげて、ホブゴブリンの数匹とまたもや懲りずに大勢のゴブリンたちが向かってくる。しかし結果は同じだ。ホブゴブリンも穴だらけとなり倒れ伏し、血溜まりと死骸だらけの光景へと変わるのだった。


「ふ、圧倒的ではないか、僕の軍は」


 天才たるルーがむふんとお腹を見せて、ドヤ顔となる。そのセリフは言ってほしくなかったのだけど……。


「オノレッ! ナニモノダ! ヨクモオウヨリタマワリシグンヲタオシテクレタナ!」


 どうやらリーダーの大剣ゴブリンの怒りを買った模様。口から伸びる牙を剥いて、こちらへと強烈な殺意を向けてくると大剣を引き抜く。


 けれども、無駄だ。距離にして百メートル。大剣が届く距離ではなく、こちらは有効射程内だ。


「ウテ」


 マモットリーダーが引き金を引き、情け容赦なく大剣ゴブリンの額を貫いておしまい━━のはずだった。


 チュイン


 大剣ゴブリンに弾丸は命中するが、一瞬青く光る壁が大剣ゴブリンの肌に浮かぶと、弾丸を弾く。弾かれたことに怯むことなく、マモット特殊部隊はアサルトライフルを撃ち続けるが、全て弾かれてしまった。弾かれた弾丸が地面に虚しく穴を開けて、大剣ゴブリンは傷一つない。


「え? 軍用ライフルだぞ? ライフル弾はゲームと違ってマグナム弾よりも強いのに弾いた?」


 まもんと、小首を傾げて、今起きた現象に目を丸くしてしまう。なんで弾丸が効かないんだ? ここは『理解』だ。頼むぜ、AIアシスタントさん!


『『魔力障壁』を展開させているようだ。これはマナの込められた攻撃でしか破壊できない。通常の攻撃は普通はマナが込められているが、銃弾には込められていないため、破壊不可となる』


 はい、きた。きましたよ。もう銃無双終了かよ。あれだろ、矢ならマナを込められるけど、銃弾は手が触れていないからマナを込められないとかだろ! くそぅ、朝にNGフラグ立てちゃったよ! 言ってはいけない言葉を口にした途端にこれかよ!


 ムキーと、短い足でペタンペタンと地団駄を踏む。もう少し銃無双にしてほしかった。マーモットにもう少し優しい世界を希望!


「来るぞ、マーリン! かかってこい、このガブ様が相手をしてやるぞ! ピギー!」


 大剣ゴブリンは銃が自分を傷つけることができないと理解したのだろう。せせら笑い、ゆっくりと歩いてくる。


 果敢に両手を上げて、甲高い声で敵を威嚇するガブ。たしかに地団駄を踏んでる場合じゃない!


『AIアシスタントさん、敵みたいな能力を持って戦闘をしたいんだけど、取得スキルを選んでくれ!』


『全員の経験値2千を使い、それぞれ『魔力操作レベル1』および『魔力障壁レベル1』を取得しました。サービスで全員に取得させました』


『魔力操作:魔力を扱えるようになる。レベルにより操作が上手くなる』


『魔力障壁:受けたダメージをマナで身代わりにすることができる。変換効率はレベルによる』


『おめでとうございます! 貴方はマーモットなのに、格闘技術と魔力操作を覚えました。貴方に特別に固有スキル『マ闘士』を差し上げます!』


『マ闘士:魔力を活用できるマーモット闘士』


 次々とログが流れていき、俺の身体の中に今までは気づかなかった力の流れを感じれるようになる。


 すごい力だ。今までとは違う熱きエネルギーが体内を駆け巡り、力が湧き上がってくるのを認識する。爪の生えたちっこいお手々をカチャカチャと握りしめて、己の存在が変わったことを理解した。


 見ると、ガブたちの身体からも透明なオーラが噴き上がり身体を覆うのが見える。


 どうやら、俺たちは新たなる力を得たらしい。


「ゴブブ! ワガヘイヲホフリシコトヲコウカイセヨ!」


 迫りくる大剣ゴブリンだが、その巻き散らしている殺意を感じても、もはや怖くない。


「ヨシ、それじゃ、新生マーモットとなった俺たちの力を見せてやろうじゃないか!」


 ピギーと鳴くと、不敵に笑い俺は構えをとるのであった。マーモットなので、短い手足で構えてるからラブリーな光景なのは秘密だ。


 あと、皆の経験値を勝手に使うって、後からクレーム出ないかな? キャベツの葉3枚で手を打つよ?

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1月9日ルックスYの一巻発売してまーす!

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― 新着の感想 ―
そのうち、マー神ガーZとかも生み出しそうな勢いのAIアシスタントさん。パイルダーオンするときの効果音はもちろんギュイーン。
巨躯の大剣ゴブリンに向かって、小動物が立ち上がって精一杯の威嚇をしているようにしか見えないですね。しかし マ王の覇道はここから始まる!?
異世界人がいるので異世界マーモットもいる可能性がありますね
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