表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

初仕事(仮)

貝塚(カイヅカ) 兎安(トア) 身辺捜査課の先輩。テンションが変わりやすい。

御笠川(ミカサガワ) (リュウ) 身辺捜査課の新人。

貝塚の話す量に押され少し無口気味。本当は話したい。

一通り挨拶を済ませていざ部屋に入ろうとしたその時

貝塚が慌てて止めた。

「少し、本当に少しだけ待っててくれ!」

そう言って貝塚は素早く部屋に入っていった。ドアの向こう側から貝塚の足音が忙しなく聞こえてくる。おそらく片付けているのだろう。

(多少散らかっていても気にしないんだけどな)

ガチャ

「待たせた、入ってくれて構わない」

そう言われ、さっきの忙しない足音を思い出し、嫌な予感を感じながら部屋に入り、絶句した。片付けたのか怪しい程に汚かった。気にしない、なんてレベルでは無い。床にはグチャグチャに丸められたシャツやタオル。それに書類らしき物が数枚ある。来客用であろうソファーには着替えが積まれている。机の上には、とんでもない量の空の缶コーヒー。

(どこを片付けたんだ…?)

すると貝塚がぎこちなさそうにヘラヘラしながら

「まぁ、言いたい事はあると思う。一先ず初仕事として一緒に掃除をして欲しい」

そう言われ了承した。いや、了承するしかなかった。こんなに散らかっている場所で仕事などしたくないからだ。そんな事を思っていると貝塚が手をパンッと叩きながら言った。

「そうだ、事前に説明されていると思うが一応仕事内容を話さなければな。まぁ、掃除しながらで良いか」

良くない。確かに事前に説明されたが、そういう事では無い。

(仕方がないとりあえず掃除するか)

僕は渋々掃除を始めた。

「あっ、そうだ仕事中に嫌悪感を感じたらすぐに言ってくれ」

と真面目な声で貝塚は言った。

(嫌悪感…倦怠感の事か?)

「それって倦怠感の事ですか?」

棚の上を掃除している貝塚は、動きを止め少し考える様な仕草を見せてから返事をした。

「そうそう、それ倦怠感、倦怠感」

と少し面倒くさそうに答えた。ここまでの会話で分かった事。貝塚という人物は、だらしがなく、面倒くさがり屋で変わり者だ。後、おそらく「まぁ」が口癖

(変な人が上司になってしまった)

そんな事を考えながら掃除機をかけていると貝塚が

「今から身辺捜査課の仕事内容を説明しまーす」

と、なんだか妙に緩く話し始めた。なので僕も掃除しながら緩く聞く事にした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ