大激闘スマッシュバスターズ!練習配信
俺たち同期の、FORの3Dお披露目配信が終わったこともあって、怒涛の10月前半が終わった。正直忙しかったのはここまで、と言いたいところだけど実は今月はこの後もそれなりにスケジュールが埋まっている。
作曲周りのことはないんだけど、純粋に3Dの身体を貰えたためにそういう企画での撮影やコラボのお誘い、それにとあるゲームの社内大会が月末に予定されているので、それの準備がある。
エクリプスって20人ちょっとしかいないから、社内大会ってなると基本的に全員参加になるんだよね。ゲームを持ってないとか、興味がないとかでなければパーティーゲーム系は基本参加が多い。
ありがたいことに案件もいただいているので、それの台本を読んだりとか、まあやることはそれなりにある。
今日の夜は社内大会のための練習配信だ。そのためコラボで、音声を繋げて配信をする。
「はい、音入れました。おっすー、皆お疲れ!ポラリス・コットンガードだ。先週発表された『大激闘スマッシュバスターズ!』の社内大会に向けて『ぽけけり』で特訓しようぜ!というのが今日の集まりだ。というわけで次のけ!」
「はーい、最初のけの音無ケインです。ワタシにかかればね、スマバスでも優勝できちゃうわけですよ。乞うご期待!じゃあ次のけの方ー」
「けの方ってなんか、こう。変じゃないか?2番目のけ担当、KP7だ。前回はジョン先輩が優勝したとのことだが、まだエクリプスに入る前の大会など私には無効だ。今回は私が貰う。最後、リリ」
「り担当、絹田狸々です。スマバスはほぼ初心者なのでお手柔らかに……」
別に歌とかを出すユニットではないのにユニット名が付いている男性ユニット、『ぽけけり』だ。配信外で遊びに行くくらいに仲は良いものの、案件でもなければユニット扱いにはしなかっただろうというメンバー。
コラボ回数は多いから、名前があると楽だ。今回の音声を載せるのだってアプリのサーバを使っているんだけど、頻度が高いから専用のサーバーを『ぽけけり』の名前で作ってある。これのボイスチャンネルに入るだけで良いんだから、かなり楽だ。
このメンバーの中で俺だけ初心者なんだよな。KP7先輩はかなりやりこんでいるらしく、DLCを全解放しているとのこと。キャラ追加は有料のキャラとストーリーを進めて解放するパターンがあって、DLC専用のキャラは結構多いようだ。
追加キャラが発表されると盛り上がるくらいに人気のゲームだ。色々な作品のキャラが参加するのでそのゲームから許諾貰ったのかと驚くこともあるのだとか。
俺も名前は聞いたことのあるキャラが多かったので、そういうものかと思いながらストーリーモードだけクリアして無料で使えるキャラは全部使えるようにしておいた。
「大会の説明は抽選会の配信を見てくれ。まあ、大会のためにも色々なステージを体験しつつキャラ操作に慣れましょうって感じの緩い練習会だ。スマバスはパーティーゲームなんでね、楽しくやっていこうぜ!」
「とはいえ、腕の差は出ますからね……。ワタシたちの中だとKP7君がダントツで上手いですし」
「基礎はあるし、あとは覚えゲーだな。どのキャラの攻撃はどこまで届くかなどの知識を持っている者が勝つ。勉強と同じだ」
「もしかして座学がいるゲームでした……?基本操作だけ覚えて来ているんですけど……」
「いや、いらないさリリ。わからなくてもアイテムで逆転できる。本気になるなら知識があった方が良い、くらいだ」
なら良かった。流石に今から全キャラの特性やら技やら覚えろというのは無理だ。ゲームによっては座学と呼ばれる勉強をやった方が上手くなれるものがあって、パーティーゲームの方が多いんじゃないだろうか。
ゲーム側で決まっていることが多く、やることが固定化されているゲームこそ知識が必要で、ちゃんとやる人は動画などで動きを学ぶらしい。FPSや格ゲーもそうだ。今回のスマバスもほぼ格ゲーみたいなものなので座学をやった方が有利だとは思う。
一応簡単に操作キャラの動画を見てどういうことができるのかだけは把握している。他のキャラを覚えられる気がしない。
何せ参戦キャラはDLCも含めると100人を超えている。その操作全部を覚えるのは無理だ。
俺みたいな初心者でも勝てる救済システム。それがアイテムだ。アイテムはランダムにフィールドに落ちてきて、それを拾うと使うことができる。武器だったり、爆弾だったり、一発逆転が狙えるアイテムが多い。
いざとなったらそれを拾えば良いという話だ。
「KP7はプレイヤースキルは高いが、それでも捲れるゲームだ。まあ、戦っていこうぜ。時間は5分で3ストック制。フィールドはランダムだ。対戦に相応しい、戦いやすいフィールドもあるんだけど、今回の大会はランダムでやるらしい。規模が大きくなった分、ランダム要素が増えたな」
「前は決戦場固定でしたよね。フィールドも狭いし、あれこそプレイヤースキルが出やすいのでワタシのような中級者では強い人に勝てないんですよねぇ……」
「正直、腕の差が出過ぎるからな。お祭り大会ならランダムばかりの方が楽しいという判断だろう。ジョン先輩とユークリムがやりそうなことだ」
今回の大会の主催者はジョン先輩で、真崎先輩とユークリム先輩がサブMCに入っている。多分ジョン先輩とユークリム先輩がアイディアをたくさん出して、真崎先輩が整えて、という感じだろう。真崎先輩はそういう役回りが多い。
フィールドギミックもたくさんあり、ダメージを受けたり、穴に落ちたらストックが減ったりと様々だ。アイテムもダメージを与えたり、何もなかったり、自爆したりと多種多様。パーティーゲムらしいと言えばらしいだろう。
ポラリス先輩が設定を決めて、キャラを決める画面になる。俺は使えるキャラが1人だけなので当然のようにそのキャラを選ぶ。
割と有名なRPGの吸血鬼主人公、ドラクレア3世だ。割と空を飛べる無料キャラということで選んだ。
このゲーム、フィールドの外に落ちたり飛ばされたらストックが減るので、空を飛んで復帰できるというのは初心者的にも良いかなと思って選んだ。
「お、キヌが選んだのはドラクレアか!初心者的には復帰性能が高いのは使いやすいよな」
「そうなんですよ。飛んで帰ってこられるのが凄い良くて」
「ケイン先輩が選んだプププディも、同じ理由か?」
「そりゃそうですよ!弱い人間は空を飛べねえと生き残れねえ!」
「何かの漫画のセリフでしたっけ?」
ケイン先輩も同じ理由でピンクの悪魔と呼ばれるプププディを選択。丸っこく可愛らしいキャラクターなのに、簡単に惑星とか銀河とかを滅ぼす大冒険をしていることから付けられた通称だ。このスマバスの過去作でずっと強かったことも関係してそう呼ばれているのだとか。
攻撃の出が早く、復帰のために結構浮いていられることもあって初心者にオススメらしい。強い人が使うと本当に暴れ回るのだとか。
「オレはFirst Fantasy Vの主人公!やっぱ勇者で優勝したいよなぁ⁉︎」
「Vの主人公なのは拘りが?」
「多分最初にやったFFがこれだから」
ポラリス先輩は国民的RPGの主人公だ。この主人公が結構凄くて、なんと4キャラ分のバリエーションがある。V~Ⅷの主人公をカラーバリエーションの代わりに選べるという力の入れっぷり。
普通は同じキャラを選んだ場合他の人と被ったら見分けがつかないために、カラーバリエーションとか帽子が増えているとかの差分が用意されている。それくらいならキャラクリエイトの人の労力もそこまでかからないだろうが、ポラリス先輩が選んだFFの主人公はなんと全キャラ別のモデルがある。
主人公の服装から頭身まで、割と差別化されているようで、全キャラを使いたくなるような仕様だ。ただし技とかヒットボックスなどには差がないために性能はどのキャラも同じ。それでも豪華だと断言できる。
当然のように課金キャラだ。
そして最後、なんだけど。
「うっわ、煽りゴリラだ……」
「嫌なんですよねぇ、煽りゴリラ」
「あ、煽られる……?」
「誰が大会で煽るか。今日は存分に煽るが」
「「「煽るじゃん‼︎」」」
KP7先輩が容赦ないことを言ったので俺たちは声を揃えて突っ込んでしまった。
めちゃくちゃリアリティがあって、目だけデフォルメで大きくなっている巨大なゴリラ。昔からあるゲームのラスボスだったはずが、何故か人気が出て個人タイトルのゲームの主役まで貰えて今も新作が出ているキャラだ。
スマバスでも初期からいるキャラで、アピールという何も意味がなくただポーズを取るだけのボタンがあるのだが、それをするとめちゃくちゃ良い声で、大きな身振りで煽ってくる。そのアピールから煽りゴリラの通称で親しまれている。
蔑称ではなく、本当に親しまれているのが変なところで、煽り度が全キャラの中でもトップクラスなためにプレイヤーの中でもコアな人気を博している。そして上手い人が対戦にやってきて、勝って煽ってくるということで有名になっているプレイヤーもいるくらいだ。
そのプレイヤー、ランクマとか世界大会とかで入賞するほどの強い人だったりする。色々な配信者の練習配信に入り込んでくるために界隈ではかなり有名だ。
同じことをやられるんじゃと怖がっていたら、本当にKP7先輩はやってくるらしい。練習配信だからだろうな。
あと、初期勢だからか普通にキャラ性能も良い。パワータイプで、火力が高いので普通に吹っ飛ばされる可能性が高い。
「本番は1対1だけど、今日は練習配信ってことで全員対戦のバトロワな。フィールドギミックとかアイテムの説明とかしつつ、わちゃわちゃと楽しんでいこう」
「了解です。集中してKP7君を攻撃すれば良いんですね?」
「その後ろからケイン先輩を倒していいってこと?」
「リリ君⁉︎そこは協力しません⁉︎」
「こういうのって漁夫の利を得るのが大事かと思ったんですけど……」
「本番ではどうしようもできないからな。どちらかというとペア戦の練習になるだろう。後で実際にペア戦もやるが、まずは個人対抗だ」
そうおちゃらけつつ、本番では役に立たないので普通に戦う。
今回、大会は2日に分かれていて初日は個人戦。2日目はランダムで組んだペアで2対2のチーム戦をやって最強を決める予定だ。その抽選ももう終わっていて、俺はネムリア先輩と組むことになっている。
初心者同士のマッチングだったものの、まあそういうのもエンジョイ大会ならではだろう。前回優勝・準優勝のジョン先輩とKP7先輩は最初からペアの最初と最後で固定されていた。他の人たちもそれなりにバラけたからどこかのペアだけすっごい強いということにはなっていないはず。
全員準備ができたということで、試合開始。フィールドは天空城というもので、何かのRPGに出てきたステージのはず。フィールドは基本何かのゲームのステージを模したもので、ギミックもそのゲームに準じていることが多い。
このフィールドは縦横に広いことと段差が多いこと以外は特にギミックがない場所だ。
せっかくの練習なのでライバーの中でも強いKP7先輩と戦おうと果敢に攻め込んだ結果。
「待って待って⁉︎空飛んでるから!叩き落とさないで!」
「復帰中を狙うのは基本だぞ、リリ。嫌なら素早く復帰しろ」
「隙ありっ!」
「ないぞ、ケイン先輩」
「あ、掴まれた⁉︎や、やめっ、あああっ!」
俺が空を飛んで復帰している最中に、ゴリラがジャンプしてきて下強攻撃をしてフィールドの下に叩き落とされてストックを1つ失った。復帰中を狙うとどれだけHPが残っていても一撃でやられてしまうため、なるべく攻撃を喰らわないように帰ってこなければならない。
その攻撃だって失敗したら復帰しづらくなるから初心者には難しいのに。
ケイン先輩がゴリラの復帰の着地タイミングを漁夫の利で狙ったものの、着地したのと同時に掴んだようで、投げ飛ばされて同じように真下へ叩きつけられてストックを減らしていた。
ポラリス先輩が遠かったからか、両腕でやれやれと大袈裟に煽るアピールをされた。良い声でウホウホ言うために、余計に煽られている気分になる。
俺のコメント欄は煽りゴリラの真骨頂が見られたと大喜びだ。
「煽られたぁ!リリ君、やり返しましょう!」
「いやあ、ポラリス先輩に狙われてるんで無理ですね」
「ポラリスさん⁉︎あの邪智暴虐なゴリラをとっちめましょう!」
「いやいや、触らぬ神に祟りなし、だぞ。あのゴリラがオレは怖い」
「この意気地なし!それでも同期ですか!あの暴君をボコしますよ、年長者!それとも歳下にビビってますぅ⁉︎」
「お前は今明確に喧嘩を売ったぞ!まずはお前からだ!」
ポラリス先輩の標的がケイン先輩に変わる。この隙にずっと煽りアピールをしているゴリラに爆弾樽を投げ込むが、それは簡単に避けられた。
逆に足元にセンサー爆弾を投げ込まれて、それを踏んでしまい爆発で大ダメージを受ける。
くそう、アイテムの使い方も上手い。それに仕返しが綺麗に決まったからか、また煽ってるし。
「歴はやっぱりひっくり返せないのか⁉︎」
「アイテムに頼りすぎるのも良くないぞ、リリ。使えないアイテムは拾う理由もない。ほら、チャンバラするぞ」
「ゴリラが長物持つのはダメでしょ⁉︎レーザーガンとか落ちてない⁉︎」
「今のところなさそうだな」
結局KP7先輩にボコボコにされた。アイテムを使えばストックは減らせるものの、最後に物を言うのは地力で、よっぽど良いアイテムを拾わなければ勝てなかった。
逆に言えば、良いアイテムを取って集中砲火をすればKP7先輩でも倒せるわけで。良いアイテムを取れるように画面全体を気にした方が良さそうだ。
バトロワをある程度やった後、ペア戦をやることにする。今回、ライバーごとに使用キャラが固定化されていることもあって誰が誰を使うのかがわかっている。被りもないようにしているため、最低限当たりそうな人のキャラとペアの人のキャラくらいは把握しておいた方が良さそうだ。
今回は俺とケイン先輩の練習ということでポラリス先輩はケイン先輩と組むチェリーさんのキャラのトワイスという天使キャラを。KP7先輩はネムリア先輩が使うピクリンというポケクリの初代からいるキャラを選択。
俺とケイン先輩はそのままで、お2人にペアのキャラを使ってもらってどんなことができるのかという勉強会だ。
「ピクリンなぁ。多分ネムリア先生、可愛さで選んだんだろうけど……」
「難しいキャラ、なんですよね?」
「むずい。性能がお世辞にも良くなくて、でも一撃必殺があるピーキーキャラ。使えなくはないんだけど、初心者にはかなり難しいと思う」
「ペア戦を始める前にキャラがどんなことができるか実演しよう。ポラリス先輩、制限時間はなしにしてくれ」
「了解」
さっきとは違うキャラなので、一通りできることをそれぞれ見せてくれる。パートナーが何をできるかを知っていればサポートがしやすいだろうということだ。
トワイスは速度と飛行能力、それに弓矢と槍の投擲による遠距離攻撃が主体のキャラで、その代わり吹き飛び率が高く、攻撃力も低いことで調整がされているキャラだ。連続攻撃を重ねつつ、吹っ飛ばされても飛んで帰ってくるのがコンセプトだ。
遠距離攻撃の手段がなければかなり面倒なキャラではある。そこはアイテムでどうにかするか、頑張って近付いて接近戦で倒すかだ。飛びながらの攻撃はほぼできないこともあって、飛ばしまくるのも一種の手だということ。
チェリーさんは格ゲーが苦手とのことなので、遠距離で攻撃がメインのキャラにしたんだろう。
ピクリンは攻撃力もHPも全キャラ中最弱。飛べるので復帰はしやすいものの、似たようなコンセプトのプププディの下位互換とさえ言われているようだ。一応妨害系はピクリンの方がしやすく、それに一撃必殺があるロマンから、世界大会でも使われているようなキャラだという。
一撃必殺になる条件を聞いたけど、それをネムリア先生はできるだろうか。あの方、イラストレーターがメインだからゲーム全般苦手だって言うし。Vtuberはおまけだもんなぁ。
動きの説明も終わったのでペア戦の練習を始める。そこでKP7先輩がケイン先輩に、一撃必殺をお見舞いしていた。
「二重にバッドステータス与えた後に隙の多い大技って、普通当てられないですよね⁉︎」
「慣れればいける。ジョン先輩はピクリン固定マッチで何回か一撃必殺を出していたぞ」
「強い人が使ってるの見ると強そうなんだけど、やっぱり性能で見たら弱いんだよなぁ。オレもたまに挙動慣れるために操作してみるけど、勝てない方が多い。難しいよ」
練習配信はそんなところ。後はペアで練習してみたり、もう1回『ぽけけり』で練習配信をする予定だ。
配信を終わらせて、何か連絡が来ていないだろうかと思っていたらFOR用のチャットが動いていた。なんだろうと思っていたら陽菜ちゃんがバズったらしい。俺たちがいつも使っているSNSではなく、ショート動画の投稿しかできない限定的なSNSでの出来事のようだ。
正直俺はそっちに全然詳しくない。ショート動画専用のSNSということもあって、いつもの動画配信サイトでもショート動画は投稿できることもあって、そっちの運営はマネージャーというか運営スタッフに全部お任せしている。
とはいえ、やっていることは同じ動画を別媒体で同時投稿しているだけ。ショート動画だけという媒体なので気軽に見れるからと若い世代を中心に人気らしい。動物系コンテンツが強く、後は若い女性が踊ってみた動画を投稿してバズっている印象だ。
アカウントを作って、同じ動画をアップするだけなので少しの労力で集客できることもあってエクリプスでも手掛けているものの、ライバーが主体でやっていることはない。専用の動画を出したりもしていない。主戦場じゃなく、あくまでサブの認識だからだ。
とはいえそっちから知って、本サイトのチャンネル登録に繋がることもあるので戦略の1つとして運用している状況だ。マネージャーからこの動画をアップしますねと確認されて、OKを出すだけのこと。そっちのアカウントの人気具合はどんなものだろうかと週に1回確認するかどうかくらいの利用頻度だ。
だからそれで陽菜ちゃんがバズったというのを聞いても、何が要因かイマイチわからなかった。チャットの内容を見ると、3D記念とチャンネル登録者数20万人記念の動画の先行配信で一部をショート動画にして投稿したものが女子高校生に受けてバズったようだ。
現役女子高生ライバーであり、投稿されたものは3Dで振り付けもして踊ったもの。15秒ほどのサビの部分だけの動画がなんかミリオン再生をしているらしい。投稿してたった2日でそんなことになり、陽菜ちゃんはそのことを星空マネージャーから聞かされて驚いたという内容だった。
『水瀬夏希:なんかあっちのアカウント、登録者数60万人とかになってるんだけど⁉︎それにつられてこっちのショート動画の方も40万再生とかされてる‼︎まだ大元の歌動画公開してないんだけど⁉︎』
『霜月エリサ:20万人記念配信の後になんか登録者数2万人くらい増えてる……?バズりって凄いね。でもあっちの登録者が全員流れて来てないから、まだ緩やかな上昇なのかな?』
『絹田狸々:今全部確認しました。まさか『手乗りドラゴン』がそんなにバズるなんて製作者の目を持ってしても見抜けず……』
『水瀬夏希:リリちゃん!何でバズってるのあたしだけなの⁉︎作詞はエリーで、作曲はリリちゃんでしょ!しかもこの後、classic arrange versionも公開するんだよ⁉︎どうすんの⁉︎』
うーん、テンパってるなぁ、陽菜ちゃん。
3Dお披露目と20万人記念が近いこともあり、FORで一緒に何か作ろうという話はずっと出ていた。ペース的に20万人に最初に到達するのは陽菜ちゃんだとわかっていたので、じゃあやるとしたらとオリジナル曲かとなって、陽菜ちゃんは歌とダンスを頑張ってもらった。
3D配信の時には1曲ずつ新しい曲で良いだろうと思って、それで済ませて、今回のは20万人記念ソングというテイなので豪華にアレンジバージョンも込みで2曲仕立てたわけだ。
エクリプスはもうすぐ2年という事務所なこともあって、このペースで20万人というのはかなり凄いことだ。だからこそお祝いに、と作ったら時期的に3Dお披露目の直後になっただけ。納品も間に合ったのでそのまま話題に上がっている時に出しちゃおうとしていたらこんな結果だ。
このバズりは想定していなかったなぁ。
バズった理由は陽菜ちゃんの歌とダンスが上手いのもあるものの、作詞も可愛らしいし、曲調もキャッチーなものにしたことが大きいらしい。あとは3D技術の高さもあるとか。
まあ、これで配信のコメントが荒れたりしなければ別に良いんじゃないかなと思った。人気になることはこの業界ではありがたいことでしかないんだから。




