話題のゲームの続きをプレイ【SoF】#2
こちらでは明けましておめでとうございます。
バンド練習も終わって家に帰ってきて。また配信の準備を始める。17時には間に合わず、18時スタートになった。17時台の電車はどうしたって会社帰りの人や学校帰りの人が多くて電車も遅延をしていたために配信が遅れる。
サムネは事前に用意しておいたので配信準備はすぐ終わる。飲み物の用意もして配信を始めた。
「皆さん、朝ぶりです。絹田リリです。今日の夜配信は朝の続きで『Spill over and Fall-fortune fallen doom-』をやっていきます。自分はハードモードで開始していますが、やっぱり一般の方はイージーモードから始めてるみたいですね。今日はSNSが大体『SoF』の話題で占められていますね」
『今日のSNSはほぼ『SoF』でトレンド全部埋まってる。発売日はやっぱすげえわ』
『ストーリーが違うから、一番簡単なイージーから進めるのが無難ではある』
『リリこんばんは〜』
『システムなりストーリーなり考察し甲斐があるからな』
というわけで夜配信。朝配信の続きで、簡単にあらすじを紹介してから始める。スラムから脱出した女主人公のフォイルが人を殺しつつ脱出して冒険砦に辿り着いて、そこで冒険者になった。その冒険者生活をこれから始めようというところだ。
冒険者のシステムは、クエストボードにクエストが貼っていて、それを選んで受諾。クエストをクリアすれば報酬としてアイテムとギフトを成長させるためのG-EXPが貰える。これでギフトを強化していこうという方針だろう。
受けられるクエストは3つ。同時に受けることができるようで、特定のアイテムを集める採取クエスト、ダンジョンに行って特定の魔物を倒す討伐クエスト、あとはクエストの詳細は依頼人に聞いてくれという特殊なお使いクエストがあった。
どうせならと全部受けて、『殺戮者』のレベルを上げておいた。ハードなこともあってレベル上げはしておいたはずなのに結構苦戦する。それと回復がアイテムしかないのでHP管理がかなり大変だ。宿屋に泊まって回復するものの、回復魔法とかスキルとかないからこの辺りが戦闘の難しさを助長させる。
クエストを全部クリアするとギルド長のバルドフによって特別なクエストをやってみないかと言われる。いわゆる昇級試験のようなもので、討伐クエストで行った初心者向けのダンジョンに行って、そこで奥にある光る苔を回収してこいと言われた。
道中に強い魔物がいるかもしれないが、倒さなくてもいいからその苔を持ってこいとのこと。冒険者に必要なのは生存力であり、結果を残せれば道中のあれこれは良いらしい。その苔は回復薬の材料になるようで、貴重な供給元になるので初心者への重要ミッションとして課しているとのこと。
セーブもしてダンジョンに向かう。
「これもお使いクエストみたいなものですね。回復薬とかもたんまり用意したので大丈夫でしょう。さっきは1階しか行きませんでしたけど、地下2階でどれだけ敵が強くなってるか次第ですね」
『ハードだからなぁ。雑魚でも強くて戦闘時間結構かかるし』
『『殺戮者』が魔物相手にあんまり有効なギフトじゃないんだよな。上昇するステータスは高めだけど』
『初心者用のダンジョンとはいえ、幼児に1人で行かせるとか正気ですか??』
『これくらいできないと新米卒業なんて言えないんだろ』
1階は討伐クエストでも来たのでスキップ。クエストの際にマッピングも済ませているので、すぐに地下1階へ。ここでの敵は一気に硬くなって攻撃力も一気に上がった。ハードらしさが出てきたと言える。
それでも回避と回復薬のおかげで無事にマッピングを終わらせた。回復薬には劣るけど、薬草がダンジョンで手に入るのは大きい。めぼしいアイテムはなかったものの、レベリングは捗った。
そのまま地下2階を探索する。さっきまでは小型の敵が多かったのに、いきなり大型の敵が増えた。見た目に則してHPも攻撃力も相応で、大技を喰らったらHPの6割を持っていかれた。
「これは流石に理不尽では⁉︎それともましな防具か武器でも見逃した⁉︎」
『やっぱこの会社のゲームはこうじゃないとね』
『でもモーション大きいからまだ避けやすいな』
『これ避けやすいって、リスナーは猛者なのか……?』
『ガチな話、慣れの問題。この会社のゲームに慣れていけばあんな大技喰らわなくなる』
『こういう難易度に慣れちまうもんなのさ……』
なんとか倒すと、ギフトを手にした。そういえば前も手に入れた時は敵を倒した時だったか。
手に入れたのは『狩人』。敏捷プラス20に、回避アクションの無敵時間上昇、人型以外の敵への攻撃力プラス50。『殺戮者』と比べるとマシな上昇幅だろうか。回避の無敵時間の上昇具合によってはぶっ壊れになるかもしれないけど。
ギフトのカスタム画面にいくと、こちらとしては予想外の出来事があった。
「ん?んん?これ、両方のギフトを装備していることになります?」
『そうっぽい。敏捷めちゃくちゃ上がってるし』
『えー!めっちゃ強いんじゃん!』
『ってことはギフト取ったらそれだけ得ってこと?』
『やり込みが滾るぜ!』
『え?え?そうなの……?』
『G-EXPもどっちも入るんかな?』
ギフトの取得条件はわからないけど、とにかくギフトを手に入れて強化しようってことだ。ギフトの取得条件とか表示されないものだろうか。まあ、魔物とか倒していたらこうなったんだから、大型の魔物を何体倒すとか、取得条件があるんだろう。
ひとまずこのまま、マッピングを進めつつ魔物を狩っていく。相手の攻撃力が高いのでヒヤッとする場面もあったものの、なんとかやられずに最深部に着いた。あとG-EXPは一番手前につけているものが取得できて他のものは経験値を取得できないこともわかった。
魔物が多そうなので『狩人』から育てるのが良さそうだけど、クエストの報酬とかで貰えるG-EXPを『狩人』に回せばいいかな。1個ずつ極めていきたいからまずは『殺戮者』を育てていこうと思う。
で、最深部に行くと広間一面に光る苔があり、それが発光しているムービーが入る。採取用のナイフで苔を瓶に詰めようとしたところで揺れが起こる。何かしらのハプニングだろうが、セーブしてなかったけど大丈夫だろうか。もしかしてここでボス戦で、負けたらセーブしたところからやり直すのだろうか。
フォイルが不安に思いながら周囲を見渡すと、地面から大百足のような魔物が這い出てきた。フォイルの身長が1mくらいだから比較するとかなり大きい。それこそ20mくらいあるだろうか。その大百足が咆哮をして戦闘になる。
「ボス戦⁉︎めっちゃ強そうなのに勝てるの⁉︎」
『強そー……』
『負けイベ?』
『初めてのボス戦がこれ?』
『攻撃範囲広っ⁉︎』
なんとか初撃の腹を地面に押し付けて衝撃波を放つ強攻撃をローリングで躱す。攻撃範囲がうっすらと赤い範囲で見えるのでそれを頼りに避けた。強攻撃の後は硬直があるのでそこを狙ってヒット&アウェイ。敏捷が高いギフトのおかげか、回避の無敵時間延長のおかげか、全部の攻撃を避けて小太刀で一差しして逃げるという行動を繰り返す。
攻撃を見てから回避しての攻撃なので、とにかくノーダメージのままコツコツと削る。様々な攻撃パターンを見せてくるけど、攻撃予測エリアが見えることと、攻撃モーションが大体大きいのでどうにかなった。あとはキャラコンの問題だ。
『すげえ、避けまくってる』
『集中してるな。声も出てない』
『ダメージ通ってんの?このゲーム、HPバーないからわからん』
『よく避けられるな。FPSや他のアクションゲーで鍛えられた?』
『もう20分くらいこれやってる……?』
『本日2度目、2人目。エクリプス内の耐久動画作ったら?』
『切り抜きはOKなんだよな。KP7のは深夜だったのもあってもう切り抜かれてる』
「あっ⁉︎」
新モーションの下半身の振り回しによって初被弾。一発でHP全てを持っていかれながら吹っ飛ばされた。あ、これ負けイベだった?HPが減った後もゲームオーバーとは出ずに、イベントが進む。
主人公の走馬灯だろうか。スラムで数人の少年少女と貧しいながらも生活する様子がイベントCGのように流される。花を摘んできて殺風景な部屋に彩りを加えた様子。物知りな年長のお姉さんが文字を教える様子。どうにか確保できた食糧を分け合う様子。捨てられた子を拾ってきたり、全員で赤子をあやす様子。
人が増えては減っていく。餓死、誘拐、殺人、凍死、病死。増えるよりも減っていく様子が多く、それだけの別れをたった数年で繰り返したフォイル。
【リラ、ヤン、ジョン、ケイトお兄ちゃん、レイア、ヴェン、ムーラ、フォイルお姉ちゃん……】
最後、フォイルと呼んだ少女がブローカーに殺された様子を最後に、走馬灯は消える。血を流しながらなんとか立ち上がり、武器を向ける主人公。
【同じ名前を名乗ってる……。まだ、全てを殺してないっ!こんな薄汚いところで、お前みたいな化け物に殺されるわけにはいかないんだっ‼︎】
主人公の決意と共に、称号の【陽だまりは記憶の奥底に】と、ギフトの【復讐者】を取得。そしてメニュー画面が表示され、ギフト【復讐者】をセットして準備を整えて戦いましょうとヘルプメッセージが出る。
言う通りにギフトのセットメニューへ移動する。そこで【復讐者】の詳細を見る。
「えーっと、リジェネによるHP回復、回復スキルの取得、HP50%上昇、復讐対象への攻撃力100%アップ……。ぶっ壊れですね?しかもこの名前、隣人愛の否定ですか。このギフトとさっきの称号の名前考えた人、人の心ないんですか?」
『KP7も同じこと言ってた』
『回復スキルキター!』
『リジェネ?HP全部吹っ飛びましたけど?』
『HP上昇付いてるやろ』
『KP7はこの後一発でクリアしてたけど、リリはいけるか』
HPが1になっていたので薬草を使って回復しておく。あとはものの試しでセーブできないかと思って見てみたらセーブができたのでこれ幸いとセーブ。
さあ、第2ラウンド。
攻撃モーションはさっきまでの戦闘で全部見ていたのか、知る攻撃ばかりだった。とはいえ攻撃速度が上がっていたので避けるのも難しかったが、攻撃を喰らっても強攻撃じゃなければ回復スキルかリジェネでどうにかなった。
また小太刀によるチクチク攻撃を繰り返す。今度はHPバーが見えていたのでそれを削り切ればいいらしい。HPが半分になったからと特殊な攻撃や、新モーションなどなくなんとか対応できた。
途中で操作をミスって大ダメージを受けた時はアイテムの回復薬で回復しつつ、攻撃スキルをぶん回して攻撃を与え続けた。殺人技らしいけどそれしか攻撃スキルはない。魔物用に『狩人』を育てて攻撃スキルを獲得していればもっと楽だったかもしれない。
どれだけ時間をかけただろうか。トドメの一撃を与えた時は大声を出していた。
「やったああああああ!倒したぁ!」
『おめ!』
『リリも一発クリアか!』
『最初のボス戦で10分以上かかるってやべえな、ハードモード』
『小太刀手に入れてなかったら火力減ってるからもっと時間かかってるぞ』
『KP7のレコードは22分37秒。ギフトも違うし武器も違うから然もありなん』
『俺も買ったけど、素直にイージーから始めるわ……』
『並走してやろうと思ったけど、レベリングもっとやるわ。これは無理』
莫大な経験値が入って、レベルもギフトのレベルも上がった。ボス戦しんどいな。これがあとどれだけあるんだろうか。
戦闘後にムービーが流れて、主人公が大百足の背中を駆け上がって跳躍。頭の上に躍り出て、小太刀を脳天に突き刺した。大百足の絶叫の後に大百足はピクリともせずにその場に倒れる。
だが主人公も限界だったのか、壁に近寄って背中を預けるように気を失ってしまう。
新人用のダンジョンに異変があったとわかったからか、数多くの冒険者が調査に動員された。ギルド長のバルドフもやってきて、主人公を見付けて生きていることに安堵の息を吐きながら回復薬を使おうとする。その際に主人公の傷が消えてなくなるように塞がっていく様子を見てバルドフは息を飲んだ後、主人公の身体が隠れるようにマントで覆い隠して背中に背負った。
【お前ら、調査は任せた!くれぐれもその大穴の下に潜ろうとすんなよ!それは改めて調査隊を編成するからな!】
【ギルド長、本当にその嬢ちゃん1人でこの化け物を倒しちまったんですかい?にわかには信じられねえ……】
【わからん。もしかしたら手伝った奴はあいつの腹の中かもしれん。穴を仮置きで塞いだ後に、あのムカデヤローをある程度部位分けしてギルドに運んでくれ。研究職に調べさせる】
【了解です】
そんなバルドフと冒険者の会話が挟まって、暗転。
主人公が目を覚ましたところからまたイベントが続く。そういえばフォイルという名前の姉がいたということはこの子の名前はフォイルではないわけで。それでもフォイルを名乗り続けるのだろうか。
目を覚ました場所はどこかのベッドの上で、近くの椅子にはバルドフが座っていた。目を覚ました様子を見て、バルドフが問い掛ける。
【フォイル。あの百足はお前さんが倒したのか?】
【あの化け物のこと?うん】
【1人でか?】
【?うん】
【……はぁ。マジかー……。お前さん、あの化け物を1人で?ウチのトップ冒険者ならまだしも、こんな嬢ちゃんが……】
【あ、依頼の瓶、無事だった?これで昇級?】
主人公が依頼内容は問題なかったかを確認する。ここで依頼を気にするなんて、天然なのだろうか。
バルドフもそう思ったのか、深い溜息を吐いた後に依頼は完了と告げる。その後、主人公の身体がひとりでに治った様子を見たことから、いつからか尋ねられて、あの大百足と戦った途中からと馬鹿正直に伝えるとバルドフの眉間の皺がかなり深くなった。
【……ドリーにも言われたが、その傷が勝手に治るのは隠せ。正教に目を付けられる】
【正教?】
【この世界唯一の宗教、つってもわからねえか。ギフトを与えてくれる教会を運営している奴らだよ。で、普通の人間はお前さんの速度で傷が治らない。そもそもそれがどんな理由で治るのかわからねえが……。回復薬を使ったってそんなにすぐ傷は塞がらねえだろ。自力で致命傷から復帰できるのは、聖女と呼ばれる存在だけだ】
【聖女?】
【他人の傷を治せる、世界にただ1人の人間と言われている。おそらくギフトがそうなんだろう。【聖女】とかそんなんだ。歴代でも女しかいなかったらしい。お前はそういうギフトを手に入れたか?】
【ううん?】
「これ、主人公は素直にそんな名前のギフトを手に入れていないと言ってますけど、大問題ですよね……。正教は絶対にギフトの名前なんて公表しないでしょうし、実際に世界に1人だったら確保しに来るでしょうから……。愛を反転した少女が何で回復スキルなんて目覚めてるんだ……?まだパーティーとか組んでいないですけど、あの回復スキル、他人に使えるでしょうし……」
これ、回復スキルがストーリー的に悪さするんだろうな。この会話全部フラグに聞こえて仕方がない。
一旦回復スキルのことは隠すことにして、大百足を倒したのが主人公というのも秘匿されることになった。5歳の冒険者に成り立ての少女が倒せるなんて誰も信じないからだ。
現在大百足のことは研究家たちが検証をしていることと、初心者用のダンジョンは一時的に封鎖。今はあの大百足が開けた穴の先について調査隊が組まれて調査しているとのこと。あんな大百足が大量発生していたら『冒険砦グランベル』も崩壊するかもしれないとのこと。
もしあの調査隊に混ざりたいのなら冒険者としての階級をCまで上げれば調査隊に入れるようだ。新人としてのクエストをこなしたことで主人公のランクはGになった。ここからランクを上げていけば大穴の調査ができそうだ。
自分が関わったことなので大穴の調査はしたいらしい。あと主人公はこのまま名前をフォイルのままで冒険者を続けるようだ。とりあえずの目標は昇級することを目指すらしい。
「なんか物騒な称号やギフトを手にしましたが……。メインストーリーの醍醐味ですからね。これからどうなるか楽しみにしつつ、まずはストーリーを進めるためにクエストをこなしていきましょうか」
『メインのために冒険者ランク上げてく感じか』
『一気に行けるところ多くなったね』
『装備揃えたいよなぁ。貧弱すぎる』
『ギフトにお金を使わないから、装備にお金注ぎ込めるんじゃね?』
『ハードがヤバいってさっきの戦闘でわかったからな。やれることをコツコツやっていこうぜ』
ということで使えるようになった施設、行けるようになったダンジョン、増えた大量のクエスト。
それらをこなしていってまた3時間ほどサブクエストをこなしていって、昇級クエストである他の街へ届け物をするというものが解放されたのでキリがいいだろうということでここで終わらせる。
「今日はここまでにします。明日は配信お休みですのでご了承ください。それでは皆様、おやすみなさい」
『お疲れ!』
『明日なしかぁ』
『おやすみ〜』
というわけで配信は終わり。また後日、この続きをやっていこう。ネタバレを受けないように早めにやってしまいたい思いがある。
そんなわけで連絡を1つ入れさせてもらって、ご飯を食べてお風呂の準備をして。
インターホンを押す音が聞こえた。
ドアを開けて迎え入れる。
「いらっしゃい、真紀さん」
「こんばんは、祐悟くん」
真紀さんが泊まりに来た。
明日はデートだ。




