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★☆この地球 (ほし) には、病院がある。

《2022年2月28日 王子、小1、6歳》





みなさんは、病気になったら、怪我をしたら、どこに行きますか?




教会ですか?



え?



宿屋?




この地球 (ほし) の宿屋では、病気も、怪我も、状態異常も、治りませんよ。





この地球にあるのは、病院です。






「はぁ、仕方がない。この子は、こういう性格なんだ…。」



では、みなさん、子供の性格について悩んだら、どうしますか?





そうだ



病院



行こう☆





と、思う方は、まず、いないと思います。



王子家でも、そうでした。





王子が幼稚園の年中で、4歳の頃です。



ママリは、言われました。




王子が、



「まわりの子共達に、ついていけていない。」



「質問をされても、分からない。」



等々等々等々です。



3月生まれで小さいので、仕方がないのだろうけど、色々なことが、『できない』と、言われました。






ママリは、ぶっ飛びました。



ぶっ飛びましたね。



魂が、口から、数星を越えて、はるかかなたのブラックホールへと、吹っ飛んでいきました。




確かに、王子は、他人と関わることが苦手で、初めての幼稚園 (年少 1学期のみ) でも、話しかけられて答えられるようになるまで、先生とは1ケ月、お友達とは3ケ月、かかりました。


でも、理解力はあり、園で自分のことは、自分でできていました。




こちらに引っ越してきて、年少の後半は、あまり話さないなりに毎日楽しそうで、先生は、時計を読んでいる王子に感心して、あまり話さないけど、理解はしていて、特に問題はない、という評価でした。



実際、王子は、3歳 (年少の夏) で、数星の王子として覚醒し、特技を覚えはじめ、時計マスターになり、4歳 (年中の夏) からは、幼年用のドリルやパズルを愛してよくやっていて、絵本もよく読み、家での会話もスムーズでした。






では、何が、問題だったのか?



例えば…



王子は、幼稚園で、



「何色が好き?」


という質問に、年長の3月まで、答えられませんでした。




さらに、王子は、友達と遊べない、挨拶ができない、お当番ができない、話さない (話せない) 、分かっていない、そう言われました。




でも、家での王子は、例えば、お当番さんの言う台詞は覚えていて、何をするかも理解していました。


ママリがそう説明しても、先生には、伝わりませんでした。





王子に下された評価は、『分かっていない、できない子』でした。






実際に、王子に、確認してみると、



「うん。そう。そういうのが全部、『できない』。」



「『チャタは、できない子』なんだ。」




と、王子は、自分のことを、言ったのです。







( ゜Д゜)



今思い出しても、涙が。。。。




自分のことを、できない子だと思っていたなんて。





幼稚園児です。



4歳ですよ。


4歳の子供が、「自分は、できない子だ。」と、言うなんて…。





でも、



ママリの頭の中は、?だらけでした。


ママリには、理由が、全く、分かりませんでした。



「王子が、できない子?」



「まわりの子供達は、そんなに、優秀なの?」







王子とママリは、色について、話し合いました。



色の名前は覚えていて、区別も、できていました。




でも王子は、一色を、選ぶことが、できませんでした。



「全部の色が、好き。」



この頃、ママリ達は、なぜ、王子が、一つを選ぶことができないのかが、分かりませんでした。



でも、今なら、分かります。


王子にとって、色は、どうでもいいこと、なんです。


だから、それについて、自分から考えないし、沢山の色の中に、特別好きな色が、多分、なかったんだと思います。




そして、自発性が乏しい発達障害の傾向で、自分で決めることが、苦手だったのだと思います。



「ママが決めて。」



と、そういえば、よく、王子は、言っていました。



「ママは、チャタではありません。自分で、決めなさい。」



と、返してきたことを、覚えています。





この頃は、まだ、発達障害の診断は出ていなかったので、とにかく、2人で話し合い、どの色が好きかを、決めました。



ピンク。



これは、ママリの好きな色なので、真似をした可能性が大きいですが、今でもピンクが好きなので、ピンク大好きっ子星人なのだと思っています。




よし、好きな色は、決まったぞー。



「いざ、冒険じゃああ。」



と思っても、幼稚園で、また、答えられませんでした。






「仕方ない。王子は、こういう性格なんだ…。」



ママリは、自分の力を全く発揮できない王子が、不憫で、悔しかったです。




でも、ママリ以上に、悔しくて、泣いているのは、王子でした。






結局、ママリは、幼稚園の間は練習だと思って、口は出さず、王子本人に任せようと決めて、ひたすら、応援することにしました。





《数ケ月後 市のカウンセリングにて》



「発達障害のグレーゾーンですね。分からない、のではなく、話す、こと自体がとてつもなく苦手な子です。」



え⁉



話す、こと自体が苦手???




めっちゃ毎日、話してますけどー。



「他人と、ですよ。」



ナイフが、ママリの頭に、刺さりました。


ナイフが刺さった先から、血は流れてきませんでしたが、?が、溢れてきました。




???



それって一体、どういう症状ですか??




この後、紆余曲折があったものの、王子は病院に辿り着き、リハビリに通いながら、知らない人間とは、顔をあわせない状態 (4歳) から、ゆっくり1年半がんばり、初対面の人間に、トイレの場所を聞けるまでに、レベルアップしました (6歳)。





王子、レベルアップで、激変です‼





でも、一番変わったのは、ママリです。



幼稚園時代、王子に無関心だった先生や、王子を叩いていた友達よりも、王子を追い込んでいたのは、ママリでした。





ママリは、王子が、人間と話せることを前提に、



「もう少し、がんばれ。」



「きっと、できる。」



と、王子を、ただ、やみくもに、なんの根拠もなく、応援していました。




でも、そもそも、王子は、沢山の人間が生まれながらに持っている、「人間と話せる」という武器を、持たない状態で、武器を持っている他の人間達と一緒に訓練をして、手ぶらで冒険に出かけて、素手で、モンスターと戦っていたのです。




そりゃあ、ボッコボコに、やられるわ。



なのに。




もっとがんばれ、なんて。



無理な話です。






あの頃の王子に、ママリは、本当に申し訳ないことをしたと思っています。



でも、この暗黒期は、無駄ではありませんでした。



王子は、強い人間達と訓練し、強いモンスターと、戦ってきたかいがあり、めちゃくちゃ、レベルアップしました。


悔しくて、唇を噛んでいた気持ちが、小学校生活へと、つながったと思います。






因みに、今のママリは、



「何ができて、何ができないか、分からないから、とりあえず、色々と、頑張ってみて。」



「ゆっくりでいいし、諦めてもいいよ。」



「できるようにならないなら、王子なりの対処法 (王子専用武器) を、一緒に考えよう。」



という感じで、のんびり、でも、できる限り、対策を練っています。






王子が、高IQで、発達障害があることは、病院で、検査を受けて、分かりました。



王子の見ている世界が、ママリ達には、見えません。




でも、この地球 (ほし) の病院には、王子とママリ達をつなぐ、知識と経験があります。



その全てを、そのまま信じる必要は、もちろんありません。





でも、子育てに役立つことは、間違いありません。







病院までの道のりが、長く、険しいことを、ママリは、知っています。




病院に通っていると、色々なことを、言われます。



そんなの無視。


そんな言葉には、なんの重みも、ありません。






ママリは、強いと言われますが、だからと言って、傷つかないわけではありません。


色々と言われれば傷つくし、泣きながらお皿を洗ってきました。




それでも、そんな誰かの言葉なんか、吹っ飛ばす、王子の笑顔があるから、他の人間の言葉は、どうでもいいんです。





お子さんは、笑顔ですか?




病院に、通いはじめた頃の王子は、あまり、笑わなくなっていました。


年少の頃は、はじけるように、笑っていたのに。





小学1年生の今、王子は、よく笑っています。


笑い転げています。




それだけでも、王子家では、王子を、病院に連れて行ってよかったと、心の底から、考えています。






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