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昔話

「それでお嬢様。彼を知っていると言いましたが、彼はいったい?」

「彼はゲームでの攻略対象の一人、ミスティル・ファント。水属性の魔法を得意とするファント家のご子息よ。」

「ではあの霧になっていなくなったのも水魔法だったのですか?あんな魔法は初めて見ましたが…」


マリアが知らないのも無理はない。だってこの世界の魔法は属性魔法だけではなくまた別の魔法が存在する。


「マリアは昔話を覚えている?ほら、私が小さな頃に夜寝かしつける為に話してくれたでしょう。あのお話。」

「1000年以上も前になるあのお話ですか?この国ができた時の作り話だったはずですが…なぜ今そのお話が関係あるのですか?」

「いいからいいから、読み聞かせて。」


1000年以上も前、このコーコダ王国ができる前、世界は混沌が満ちていました。人々は争いを続けその数は段々減っていく一方でした。人類が滅びるまで続くと思われたこの混沌の時代は神の手で正されました。神々が人々に特別の魔法を分け与えたのです。それは天の力を扱う魔法でした。霧は荒れた感情を隠し、雪は視線を上に向け、その視線の先は昼には空と太陽が平和を伝え、夜には月と星が安心を与えた。

人々は穏やかな心を取り戻し、その魔法を与えられた者たちを中心にコーコダ王国を建国しました。


「ここで区切りになりますね。」

「そうね。後は隣国のお話になっていくはずだけど、今はいいかな。とりあえずこのお話が重要なの。」

「それはつまり天の力を扱う魔法、ということでしょうか。彼は霧でしたか。」

「そう。1000年前と違って効力は弱まっているけど色々できることはある魔法なの。世界で普通に認知されているのは属性魔法だけれど、このお話にでてくる6種類は天性魔法と呼ばれるの。」

「天性魔法…初めて聞きますね。」


ミスティル・ファントは霧属性、そして実は私も天性属性の一つの月属性の持ち主だったりする。

霧属性は辺りに霧を任意で発生させ、自分をその霧と同化できる。月属性は見える物を見えなくしたり、別の物を見せたりできる。


「お嬢様がそんな存在だったなんて驚きです。」

「ちゃんと属性魔法も使えるのよ。すごいでしょ~」


腰に手を当ててエッヘンとポーズしたらマリアに頭をなでなでされた。

年齢的にそんな年齢ではないけれど結構嫌いじゃない。…気持ちいい~


さて、ファント様と魔法についてはこのぐらいにして本題に入ろう。

今回の件で私はとても大事なことに気が付きました。


「仮面を着ければいいじゃない!」


そう!仮面を着ければ全部解決できるのです。問題はその仮面をどこから調達するかなのですが、街に買い物に行ったときには仮面すら見なかった。見てたら思いついただろうし…どうしよう。


「お嬢様、あの魔法で仮面を着けている様に見せれば良いのでは?できるならですが…」

「さすがマリア!頭いい~」


そうと決まれば練習あるのみ。私はマリアとともに魔法の練習をするのでした。

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