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別邸のリビングにて ※ルナミリア不在

「不愉快ですわ!!」

「おい!話はまだ終わってないぞ!」


ルナミリアは振り返りもせず部屋を出ていく。止まったままのソーラの代わりにスターレンが追いかけようと扉へ向かうが、扉の前にマリアが立ち塞がる。


「スターレン様。勝手に屋敷内を動かれては困ります。」

「でもルナが…。」

「ご心配には及びません。私が後ほど向かいますので。皆さんは早急にお帰り下さい。」

「……………。」


スターレンは言葉を返せず俯く。そこにソルウィも来て抗議する。


「お姉さまに合わせて下さい!せめて一言謝るだけでも。」

「必要ありません。それはあなたの仕事ではありません。」

「どうしてですか!?」

「お嬢様が泣いている理由であるあなたが、お嬢様に何というつもりですか?」

「!?」

「これ以上お嬢様を傷つけるおつもりですか?スターレンあなたもです。」

「……………。」

「ルナミリアの事を探るのはおよしなさい。現状あなた達に出来る事など何一つありはしない。もしお嬢様に何か言われているのなら、その役割をまっとうしなさい。それが、お嬢様の望みなのだから。」

「…分かりました。」


スターレンとソルウィは暗い顔で俯く。そんな二人の元に他のメンバーも扉の前に集まる。


「おい!メイド!あいつの場所に案内しろ!詫びに行く!」

「その必要はございません。早急にお帰り下さい。」

「王子に盾突くのか!」

「ソーラ様!やめて下さい!」

「ソフィー?なぜ止める!」

「私達ですら通してもらえないんです。ここはマリアさんに任せましょう。」

「ソフィーがそういうなら。」


ソーラはソルウィになだめられて身を引く。その姿をマリアは冷たい瞳で見続ける。


「可能であればこちらにおいでになるのもこれで最後にして下さい。」

「そんな!?マリアさん!」

「次回以降お嬢様の許可無しに訪れる場合、相応の覚悟をお持ちになって下さい。」

「それはどういう意味だ!」


ソーラがマリアの前に踏み出そうとすると上から何かが降って来た。それは包丁だった。包丁は床に刺さり立っている。ソーラの顔が青くなる。他のメンバーも上を見上げるがもちろん上には天井が広がるだけである。


「これでお分かりいただけたと思われます。」

「王子にこんな事して許されるとでも…」

「お好きにどうぞ。私個人はここで死ぬつもりもありませんし、あなた達がどうなろうと気にしません。私が命を懸けるのはお嬢様の為のみですので。…出来る事なら、あなた達二人とそこのあなたは手をかけさせないで下さいね。…お嬢様が悲しみますので。」

「マリアさん…。」

「それではお見送り致しますので、玄関までご案内致します。」


誰も口を開くことなくマリアについて行く。玄関の前に停まったままの馬車に皆入り込む。プリマだけ最後にマリアに呼び止められ、マリアの近くに寄ると耳元で小さく話をされた。


「お嬢様を悲しませないで下さいね。信じてますから。」


その声は先程とは大きく異なる優しさを含めた声色だった。プリマが驚いてその顔を見ると不安そうな悲しそうな顔をしていた。その表情は全て彼女の主を思っての顔なのだろうとプリマは思った。


「はい。私も出来る限りお手伝いします。」


マリアにそう告げてプリマは馬車へと乗り込む。他のメンバーに何を言われたか聞かれたがうまく話題を変え、王子の発言にソルウィから不満がぶつけられたりする中、スターレンの視線だけはプリマから離れる事は無かった。


客人を見送った後、マリアはルナミリアの部屋に行き、彼女が眠っている事を確認してその頭を彼女が起きるまで撫で続けるのだった。

ソフィーはルナと皆が仲良くなって欲しいためプリマの話を聞いて一緒について来ました。

レンはルナの事を知りたくて同行しました。

王子達はソフィーに誘われて渋々ながらも同行しました。

ミスティルとスノーは今回「は?」しか喋りませんでしたが無口な訳ではありません。人が多すぎると誰のセリフか分からなくなるんですよね…。

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