笑顔と疑惑 ※マリア視点
「マリアただいま~!」
「お帰りなさいませ。お嬢様。随分とご機嫌ですね。何か良い事でもあったのですか?」
今日のお嬢様はとてもご機嫌なようでいつもより明るい笑顔で帰ってきました。
「今日学園で初めての友達ができたの!」
「友達…ですか?」
てっきり計画の進行の為に友達は作らないものだと考えていましたが、
「えっと、その、ノート見られちゃって…。」
あれを!?お嬢様が少し先の出来事までを復習かねて書いているあれを!?
「きょ、教室で開いていたのですか?」
「ううん。中庭のガゼボで確認していたんだけど眠くなっちゃって、最近近づいてくる人もいないから大丈夫だと思って少し眠っていたの。その間に…。」
「全部見られてしまっていたと…。」
「…うん。」
確かにここ最近、というより前世の記憶を思い出してからお嬢様の眠りが浅く、短くなっている。その生活が続いたせいで今日のような事を引き起こしてしまったに違いない。どうすればいいでしょうか。
「でも大丈夫だよ!その子も協力してくれるって約束してくれたし…。」
「ちなみにどのような方なのですか?」
「…プリマ・クラウディア。主人公のお友達キャラ。」
「大丈夫なんですか!?」
よりにもよってかなり関係性のある人とお友達になりましたね!?ソルウィ様に話されたら一巻の終わりなのですが!?
「大丈夫!秘密にしてくれるって!」
「うーん。一度会ってお話してみたいところですね。」
「呼んでもいい!?」
「え?あ、はい。問題ありませんが…。」
お嬢様、お友達を呼ぶのは良いですが、それに合わせて厄介事も増える事を理解しているのでしょうか。お嬢様が思っているような事にはなってくれないと思いますよ。
「わーい!さっそく誘ってみるね!」
「承知致しました。」
とりあえずプリマ・クラウディア様の事を見極めなくてはなりませんね。本当にただ友達になったのか、それとも何か目論見があって接触したのか。障害になりそうであれば対処するようにしなくては。
「今度の休みで大丈夫?」
「ええ、問題ありませんよ。」
今度の休み、普通には過ごせませんね。色々とパターンを組んでおかなくては。
お嬢様の生活改善も忘れずに。




