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友達

「でも良かった。私以外にも味方は居たんですね。」


プリマちゃんは安心したように言った。


「ソフィーちゃんは周りに王子様達がいつも居るせいか女の子の友達が居ないんです。」


まぁ、そりゃあ平民の周りに王子や人気者の三人が皆居たら嫉妬もするよね。嫉妬によっていじめられてる訳だし。私のような当事者か、助けてもらったプリマちゃんでもない限り友達になろうなんて普通考えないと思う。


「えっと、ソフィーちゃんからいっぱい話聞いています。ルナミリアさんは本当はとっても優しい人だって。本当はもっと話掛けたいけど仮面を着けてから別人の様になって難しいんだって。それはこのノートに書かれている事が、理由なんですね。」

「信じて…くれるんですか?」

「信じざるおえないじゃないですか。私の事までしっかり書いてあるんですもの。」


少し先の事までしか書いてないけどこれを全て読んだプリマちゃんは本当の事だと信じてくれたみたい。正直人に見せたとしてもただの妄想だと馬鹿にされると思ってた。…ちょっと嬉しい。


「ありがとうございます。えっと、プリマさん、でいいですか?」

「プリマちゃんでいいですよ。私もその、ルナちゃんって呼んでいいですか?」

「はい!不束者ですが、これからよろしくお願いします。プリマちゃん!」

「こちらこそ!ルナちゃん!」


学園に入ってから周りに勝手に集まる人はいっぱいいたけれど、友達と呼べる人は居なかった。私は前世の事も思い出し、これが本当の友達なんだと分かった。


「嬉しいです。友達、初めてなので。」

「ソフィーちゃんは友達じゃないんですか?」

「ソフィーとレンは妹と弟みたいな感じなんです。」

「そうなんですね。」

「だからちゃんと私が守って幸せな未来に送り出してあげるんです。」


友達になったばかりで図々しいかもだけど、プリマちゃんなら信頼できる。


「プリマちゃん。これからも私は今まで通りに影からあの子を見守ります。なので私の事は内緒で王子達と共にあの子を周りから守ってくれませんか?お願いします。」


頭を下げた私にプリマちゃんは優しく声を掛けてくれる。


「まかせて下さい。ソフィーちゃんも私の大事な友達ですから。」

「ありがとう!」


私は感謝を述べてから、一部の詳細は伏せながらこの先どうなるか、最後にどうなるかをプリマちゃんに教えた。伏せた内容は私の最後や、プリマちゃんでは手に負えないイベントの事だ。あ、あと魔法についても内緒。ある意味個人情報だし。


「ソフィーちゃんが王子様と結婚するなんて、本来今の状況では考えられないね。」

「私が王子と婚約破棄を約束してるなんて誰も思わないでしょう?」

「仮面してる時のルナちゃん凄いもんね。威厳があるみたいな。こんなに可愛いのに。」


プリマちゃんと話に花を咲かせているとチャイムが響いた。そろそろ教室に戻らないと。


「毎日会うと怪しまれるかもしれないから一週間に一度会おう。」

「わかった。またね!ルナちゃん!」

「うん!またね!」


プリマちゃんと別れて仮面を戻し、いつもの日常に戻っていく。それでもこの以外な出会いの後、私の心はとても晴れやかで顔は自然と微笑んでいた。

前世での友達とは名ばかりの奴隷状態でした。都合の悪い時だけ友達認定してくる周りの子達。他人がやった事を擦り付けられても、ただ「はい」としか答える事が許されませんでした。

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