思い出してしまった記憶
いじめを受けていた私は耐えながら生きてゲームを進めていたはず。
では何故私は今ここにいるのでしょう。実際ゲームが唯一の心の拠り所でゲームをクリアするまで死んでも死にきれなかったはずです。実は思い出した時、記憶の一部分がまるで靄がかかったように不鮮明でした。この部分に死んだ時の記憶があるのでしょうか。
「お嬢様?大丈夫ですか?顔色がよろしくありませんよ。今日はもう休まれてはいかがですか?」
「心配かけてごめんなさい。でも思い出せていない部分があってその部分も思い出さないといけない気がするの。」
実際死んだ時の記憶以外にもこれからの為に必要な内容が思い出せない。それはゲームの内容で、ゲームの概要は思い出したのですが、詳しい内容を思い出せない。本当はクリアしていたのでしょうか。
「う~ん?」
ずっと考え込んでいると段々と靄が晴れてきました。
そして、私は思い出しました。思い出して…しまいました。自分が死んだ理由、そして何故ゲームの内容が共に忘れさられていたのか。
「あっ…ああ…私は…」
「お嬢様!?どうしたのですか!?」
「まり…あ…わたし…じぶ…んが…なんで…しん…だのか…」
「!?」
マリアはすぐに私の事を抱きしめてくれました。マリアの腕の中で私はしばらく泣き続けました。
「大丈夫、大丈夫です。ルナミリアお嬢様にはマリアがついています。あなたを絶対に一人には致しません。私があなたを幸せになるように致します。あの日あなたとした約束を忘れておりません。」
声を上げて泣いていた私には慰めてくれていることがわかっても内容まではわかりませんでした。
実際に自分が死んだ記憶を思い出したら…どうなってしまうのでしょうね。