家族
「お嬢様…」
話していくうちに内容がより鮮明になってきて、私の体はより震えを増した気がする。その上精神的にも結構辛い状態になってしまった。やっぱり話さない方がよかったかな。
「お嬢様、一つよろしいですか。…どうしてそのような過去がありながら悪役を演じるのですか?」
「話したこと無かったかしら?あの子に幸せになってほしいからよ。」
「ソルウィ様ですか?」
「そう。私はあの子に幸せになってほしいの。」
「ですがその為にお嬢様の人生を…!」
「私はもう十分に幸せよ。前世を思い出したその時から…だってあなたがいるもの。あなたが私に幸せをくれた。家族の愛を教えてくれた。私にはもう十分…いや、それ以上の幸せですもの!だから大丈夫。後はあの子を幸せにするだけなの。わかってちょうだい。」
マリアはとても悲しそうな顔をしている。あまりそんな顔して欲しくはないけれど、こんな話じゃしょうがないかな。
「どうしても他に方法はありませんか?」
「無いわ。これだけなの。」
「そうですか。」
少しの間沈黙が訪れる。
「これからも全力でお手伝いは致しますので、約束の時まで、無茶だけはしないで下さいね。」
「えぇ、もちろんよ。」
あまり危険な事に首を突っ込む気は無いけれど、返事はしっかりしておこう。ちょっと気持ち悪くなってきたなぁ。
「ちょっと気分が優れないからもう寝るわね。」
「お食事は…通りませんか?」
「明日にお預けね。取っておいてくれる?マリアの料理は冷めてもおいしいから大好きよ。」
「分かりました。いつでも食べれるよう保存致しますね。」
部屋を出て、自室に向かう。体の震えは止まったけれど気分はとても優れない。しっかり休んで明日に備えないと。部屋に着いた私は倒れこむようにベットに乗り、そのまま深い眠りに入っていった。




