小さな大戦争開幕
「おっちゃん…大丈夫か…」
「声が…そろそろ…限界じゃ…」
「なんだよ…情け無いなぁ…」
「小太郎殿こそ…彼奴に何のダメージも…与えてはいないではないか…」
既にバテバテの小太郎と小ちゃいおっちゃん達
「あいつに…近づく事が出来ない…見えない何かがあるみたいだ…」
「結界か?」
「なんだ結界って?」
「結界とは…」
「わし…小太郎殿に説明しておる時間はない…小太郎殿…わしらが結界を破る…それまで…彼奴らの相手をしてはくれぬか?」
「わし!何を言うておる 彼奴らの能力を見くびってはならぬ!」
「おっちゃん 大丈夫だ…その代わり 必ず ケツ痒い を破ってくれ」
「太郎ちゃん…ケツ痒いじゃなく結界だよ…」
晶ちゃん…こんな時にもツッコむんだ…
クルッ
小太郎と小ちゃいおっちゃんが向きを変える
「行くぞ!わし!」
「おぉ!わし!」
「キエェェェェ!」「キエェェェェ!」
バチバチ!
ピシッ…
「ん?」
のべ太には 小ちゃいおっちゃん達の声は聞こえない 少し バリア にひびが入った
「くっ…なんとも情けない…」
「まだまだじゃ!行くぞ!」
「皆の者!ハゲが背を向けている!一斉にかかれ!」
「おぉ!」
妖精達が 各々の能力で小ちゃいおっちゃんに襲い掛かる
「やめろ!」
小太郎がその攻撃に身を呈して立ち向かう
チクチク…ピリピリ…
「痛ぇ…くない…」
妖精達の攻撃は 小太郎にそれほどのダメージを与えなかった
「小太郎殿 大丈夫か!」
「大丈夫だ!あまり痛くないぞ」
しかし…
何度も受けていては 徐々に効いて来る
「おっちゃん…まだか?…」
「すまぬ…声が限界なんじゃ…」
小ちゃいおっちゃん達の声はガラガラ…
「おっちゃん…」
執拗に小ちゃいおっちゃんを狙う妖精達の攻撃を小太郎は体を張って守っている
「太郎ちゃん!もういい…太郎ちゃんも攻撃して!」
「晶ちゃん…ダメだぞ…おっちゃん達の仲間だ…」
「だって…太郎ちゃんもおっちゃん達も…もうボロボロ…」
晶ちゃんが涙を流す
「晶ちゃん…」「晶殿…」
「それ!もう一息だ!」
数千の妖精が一斉に飛び掛る
「やめろーーーーー!!!!」
小太郎の怒号が妖精の攻撃を止めた
正確には 止まったのだ
「おまえら…いい加減にしろ…おっちゃんはな…こんなに傷だらけになっても…おまえらを傷つけないように…ボロボロになっても…おまえらを心配して…声を枯らして…くそ…上手く喋れないぞ…」
小太郎は泣いていた
「あははは 何泣いてんだ!参ったなら 参ったって言えば 許してやるぞ!」
「あんた うるさい!黙って太郎ちゃんの言う事を聞きなさい!」
「………」
のべ太を黙らせる晶ちゃん
「こまっちゃん…何やってんだよ…おっちゃんの妹だろ…おっちゃん こんなんだけど…みんなの事をこんなに心配してボロボロになってんだぞ…サスケのあんちゃん…ハゲハゲって…間違いないけど…でも そのハゲのおかげで妖精が守られているんだろ…」
「小太郎殿…ちと言い過ぎでは…」
ポロ…ポロ…
サスケ達の頭から何かが溢れ落ちる
「ん?あっし…何故こんなところに…」
「あちきも…みんな どうしたの?」
「あれ?太郎ちゃんと晶ちゃん 若返ったの?」
みんなの意識が戻った
科学の力に小太郎の想いが勝ったのだ
「若!何故若が二人?それもボロボロで」
「おぉ…戻ったか…良かった…」
「おまえらおっちゃんに謝れ!」
「小太郎殿…良いのじゃ…皆が無事であればそれで良い」
「皆の者!敵は此奴らじゃ!ん?サスケや 静殿と小丸はどこじゃ?」
「え?あっし…今までの記憶が…」
妖精達は 死の光 を浴びてから今までの記憶が飛んでいた
「おっちゃん まだ中に居るんじゃないのか?ここはいいから…」
「君達が探しているのは この妖精か?」
ノラえもんは 小ちゃいおっちゃん達が戦っている最中 フェアリーパラダイス内に入り 静おばちゃんを捉えていたのだ
「ノラえも〜ん 妖精を捕まえたの?」
「のべ太くん 一匹だけど捕まえたよ 妖精見えルーペ で見てごらん」
のべ太が 眼鏡 をかけると
「うわぁ〜〜 可愛いなぁ 名前なんて言うんだろう」
「のべ太!静おばちゃんを返せ!」
「静ちゃんかぁ〜〜 可愛いなぁ」
「おのれ…静殿から手を離せ!」
「皆の者!静様をお助けするんだ!」
妖精達がのべ太に一斉攻撃を仕掛ける
「のべ太くんが喜んでいるんだ!邪魔はさせないよ えぇと…これでもない あれでもない…あっ あった!」
ノラえもんが何かの道具を出す
「テッテケテッテッテ〜〜 笛増えプー!この笛を吹くと吹いた人が増えるんだ!プーーーーー」
ポン…ポポン…ポポポポポ……………ン
ノラえもんが 無数に増えていく
「おぉ!すげぇ!」
小太郎は 置かれている立場を忘れ 感動している
妖精1億VSノラえもん1億
「くっ…これでは静殿を救えぬ…皆の者 静殿は後で良い まず先に 目の前の敵を殲滅するのじゃ!」
「おぉ!」
総勢2億の大規模で小さい大戦争が開戦した