謎を呼ぶ小太郎
ジリリリリ……
「出合え!出合え!ハゲが逃げたぞ!」
ピィーーーーー!
屋敷内は大騒ぎ
「何処へ行った!」
「はぁ…はぁ…ここまでか…出口すらどっちかわからん…」
小ちゃいおっちゃんは出口がわからず物陰に隠れていた
「父上は まだ屋敷の中に居る!出口と逆の方向だ!」
「何!それ 袋のネズミだ!」
ダダダダダ…
「皆があっちに行ったということは 出口はこっちで良いのじゃな…小丸やすまぬ」
小ちゃいおっちゃんは無事脱出に成功したのだった
「ここはどこなんじゃ?」
小太郎達と出掛けるようになり その後晶太ともいろんな所に出掛けた小ちゃいおっちゃんだが そこは見た事のないところだった
「あっ!おっちゃんの反応が出た!」
「晶太 なんだそれ?」
「これは テレビだよ おじ…小太郎くん知らないの?」
「テレビは知ってるけど…なんでおっちゃんの事が分かるんだ?」
「おっちゃんすぐ迷子になるから GPS持たせてるんだよ」
かなり小さいGPSだな…
「これどう観るの?」
「この赤いところが僕ん家 そして点滅してるのがおっちゃんで これをこうすると…場所が特定されるんだけど…結構遠いなぁ ばあちゃ〜ん!」
晶ばあちゃんが黒服の男に何かを言っている
数分後…
「晶太様 用意が出来ました」
「じゃあ僕ちょっと迎えに行って来る!」
「俺も行く!」
「えぇ〜〜!」
嫌な顔をする黒服
「なんだ ダメなのか?」
「いえ…総理を乗せてるみたいで緊張するんだよなぁ…」
「晶ちゃんはどうする?」
「私は待ってる」
小太郎達が小ちゃいおっちゃんを迎えに行くのを見送る晶ちゃんと晶ばあちゃん
「太郎ちゃんはやっぱりすごいね」
晶ちゃんがジッと晶ばあちゃんを見る
「私…だよね?」
ニッコリ笑う晶ばあちゃん
「そうだよ」
「じゃあ 晶太くんは私の孫か…太郎ちゃんにどことなく似てると思ったんだ」
「太郎ちゃんに言わせると私に似てるって言ってますけどね」
「そうかなぁ?太郎ちゃんに似てるよね」
時を超えて晶ちゃん同士が会話をしている
「それにしても 太郎ちゃんが総理大臣になるなんて…すごいよね!」
「本人はすっごく嫌みたいだけどね」
「あははは 太郎ちゃんらしい!ねぇ 晶太くんのお父さんやお母さんは?」
「お父さんは晶太が産まれる前に亡くなってねぇ」
「そうなんだ…私達の子供?」
「ううん 私達には娘しかいないの」
「そっかぁ…じゃあ晶太くんはお父さんのこと知らないんだ…」
「そう…私や太郎ちゃんは甘やかしてばっかりで よく娘に叱られてねぇ 晶太はおっちゃんを父親代わりに思ってるみたい だから心配でしょうがないんだよ」
一方 小太郎達は
「ヒィ〜〜〜〜これ飛んでないか?」
「えっ?車は飛ぶでしょ?」
未来では車が飛ぶみたいだな…
「もう少しだ…おっちゃん今行くぞ…」
拳を握っている晶太
それを見ている小ちゃいおっちゃん
「見えた!ここで止まって!」
「晶太殿〜〜!」
「おっちゃん!」
無事小ちゃいおっちゃんを救出
「と申すと 小丸はわざと囚われておると言うのじゃな…」
「そうじゃ わしを逃がしたのは小丸じゃ」
小ちゃいおっちゃん同士の会話
「一体何があったの?」
小太郎達は帰って来て 晶ちゃんも交えて小丸達を救出する話し合いをしているのだ
「うむ 全て話そう…あれは5日前の事じゃった わしと小丸が庭に出て散歩をしておった時じゃ 空一面がまばゆい光に包まれ わしと小丸は気を失ったのじゃ すぐに晶太殿に見つけてもらったのじゃが その時から静殿の様子がおかしくてのぉ…それから2日後には日本中の仲間達がわしの元へ集まったのじゃ 皆 おかしな事を申してのぉ 『これからは 人間と共存してはいけない 妖精だけの世界を作らねば』と皆口々に…もちろんわしは言って聞かせたのじゃ 『守家を離れてはならぬ!さすれば 皆消えてしまう』と…」
「そうじゃ!それがわしらの使命じゃ!」
「しかし 彼奴らはわしの意見に耳を貸さず わしがダメだと分かったら 小丸を担ぎ上げたのじゃ…」
「どうしたんだろう…その 光 が怪しいよね」
「わしは その光を 死の光 と名付けたのじゃ このままでは 本当の 死の光 になってしまう…小太郎殿 晶殿 力を貸してくれ!」
黙っていた小太郎が口を開く
「気持ち悪い…」
小太郎は車酔いしていた…
「晶殿…」
「こっちのおっちゃんは太郎ちゃんを治して」
「全く 世話がやけるのぉ…」
「晶太くんは その光の事は知ってる?」
「わかんない…」
「多分じゃが わしら妖精にしか効かない特殊な光じゃと思うのじゃ」
「じゃあ何故おっちゃんには効かなかったんだろう?」
「正確には わしと小丸じゃ」
「そっか…おっちゃんと小丸ちゃん…何故だろう…」
「どうじゃ小太郎殿」
「良し!治った!」
「ねぇ 太郎ちゃん 話し聞いてた?どうしておっちゃんと小丸ちゃんには効かなかったんだと思う?」
晶ちゃん 藁にもすがる思いで小太郎に聞く
「簡単だぞ!」
「えっ?」
「小太郎殿 何が簡単なんじゃ?」
「おっちゃんと小丸だけに効かなかったんだろ?なら おっちゃんと一緒に居たから小丸にも効かなかったんだ!」
「?」「?」「?」
みんなの頭の上に ? がいっぱい…