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誘拐犯は…

「要するにじゃ 3日前までは居ったのじゃな?」

「うん…」

「でもさ どうしておっちゃんが居なくなったのが 拐われた事になるの?もしかしたら 静おばさんのところに行ってるかもしれないし 小丸ちゃん…あっ!小丸ちゃんは?今どこに居るの?」

「小丸くんは…」

黙り込む晶太


「晶太殿 ちと厠を拝借したいのだが…」

「トイレなら 左へ行って突き当たりにあるよ」

「かたじけない…漏れる〜〜!」

トイレに行った小ちゃいおっちゃんを確認する晶太は ポケットから1枚の紙切れを出した

「なんだこれ?」

それはあまりにも小さく書いてあり字が読めなかった

「これに照らせば読めるよ おっちゃんが帰ってくる前に読んでね…」

晶太が 小さい紙にペンシル型のライトの光をあてると 壁全体に文字が映し出された

「おぉ!すげぇ!どうなってんだこれ?」

「今は 映像や音楽なんかもこれ一本あれば どこでも観れるし どこでも聴けるんだよ 小さくて見えないものは こうすれば大きくも出来るし…おっちゃんが帰ってくるから早く読んで!」

「大丈夫!もう読んだから」


「ふぅ…サッパリした…しかし なんじゃあの厠は?わしに丁度良い厠じゃったが」

「じいちゃんがこの家を建てる時に おっちゃん達の為にって 隣のおじいさんに頼んで作ってもらったんだって!そうだよね ばあちゃん」

「そうですよ」

「隣と申すと…」

「そうです」

(あきら)ばあちゃんがニッコリ笑う

「ん?どうしたのじゃ晶殿?」

晶ちゃんは信じられないというような顔をしていた

「本当じゃぞ 見に行ってみるか?晶殿?」

「え?あ…あぁ…良かったねおっちゃん」

「どうした晶ちゃん」

晶ちゃんは さっき晶太が見せた紙の内容が信じられなくているのだが

小太郎は ペンシル型のライトに気をとられ内容を読んでいなかった


「して…小丸はどうしたのじゃ?」

「おっちゃん…」

晶ちゃんは何かを躊躇している

晶ばあちゃんを見る晶ちゃん

晶ばあちゃんはそっと頷く

「おっちゃん…おっちゃんを拐ったのは…」

「拐ったのは?」

「小丸ちゃん…」

「はぁ?ぬわっはっは!何を申すかと思えば わしを担ぐでない」

「えぇ!おっちゃんを拐ったのが小丸なの!」

小太郎は驚き 小ちゃいおっちゃんは信じない

「小丸ちゃんだけじゃないよ…静おばさんやサスケさん達も…」

「晶殿…何故静殿達がわしを拐うのじゃ?おかしいではないか?のぉ 晶太殿…わしを拐ったのは小丸達ではないんじゃよな?」

「……」

「晶殿…違うと言ってくれ…」

晶ばあちゃんに泣きながら詰め寄る小ちゃいおっちゃん

黙って聞いている小太郎

「小太郎殿…何故なんじゃ…わしが拐われるのはよい…じゃが…拐ったのが小丸達と言うのはどういうことなんじゃ…のぉ…小太郎殿…」

「おっちゃん 何かの間違いだ!小丸や静おばちゃんがそんな事するわけないぞ だから泣くな おっちゃん…静おばちゃん達好きだろ?」

「好きじゃ…みんな大好きじゃ」

「なら信じろ!」

「ズスゥ…わかり申した…」

小ちゃいおっちゃんは 涙を拭い 鼻をかみ 小太郎を見上げた

「良し!晶太 さっきのもう一度見せてみろ!」

「わかった!」


「晶ちゃん読んで!」

「『父上は妖精界から追放する事に決まった これは満場一致で決まった事 僕が妖精界の王となる そして僕達妖精は 人間との共存をやめ 家を守る事を禁ず』だって…」

「おっちゃん どうだ?これは小丸の字か?」

「うむ…間違いないじゃろう じゃがこれを書いたのは小丸ではない!」

「え?どういうこと?」

小丸の字で間違いなく 書いたのは小丸ではないとはどういうことだ?

「小丸の字ではあるが 内容がおかしいのじゃ」

「どこが?」

「一つは わしは 妖精界の王ではない 妖精界の王はわしの父上 それを知らぬ妖精は居らん そしてもう一つは わし達妖精は 守家をせねば 姿が消えてしまうのじゃよ」

「そうなのか!」

知らなかった…

「そうじゃ 妖精とはそういうものなのじゃよ 花の妖精も 花が無くては消えてしまう ほれ!覚えてはおらぬか?静殿が守家をしておった家を建て直す時 静殿は消えたじゃろ」

「あぁ〜〜!」

晶ちゃんと晶ばあちゃんがハモる

「そうだっけ?」

小太郎は覚えていない…

「姿が消えても 存在は残っておるが 数年が過ぎるとその存在すらも消えてしまうのじゃ それも皆知っておる事じゃ」

「でもおかしくない?戦争の時の話聞いた事あるけど…」

「あの時はみんな一緒に居たんじゃない?」

晶ちゃんと晶ばあちゃんのツッコミが入る

「良いところに気づいたのぉ それはわしが居ったから大丈夫じゃったんじゃ!わしが居れば…」

何かに気づく小ちゃいおっちゃん

「もしや…」

「その為におっちゃんを拐った…」


果たして真相やいかに!










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