晶ちゃんの本音と謎のイケメン軍団
「とりぁ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
形勢逆転…
「若…これでは敗北は時間の問題かと…」
「ならぬぞ!負けは妖精界崩壊を意味するのじゃ 必ず突破口があるはずじゃ!」
ブォ〜〜ン ブォ〜〜ン
「小丸ちゃん もう少しだからね」
紅と晶ちゃんは 小丸の治療にあたっていた
「う…うぅ…」
「ガァ〜〜スゥ〜〜ピィ〜〜…」
小丸の隣で高いびきの小ちゃいおっちゃん
「ち…父上…」
「小丸ちゃん!」
「あれ?ここは?晶ちゃんが若い…」
小丸にとって 過去の晶ちゃんに会うのは久しぶり
「太郎ちゃんも来てるんだよ!もう大丈夫だからね」
「あっ そうか…晶太くんが連れて来てくれたんだった…父上も無事で良かった…」
「このおっちゃんは 過去のおっちゃんだよ 今のおっちゃんはあそこでみんなに指示を出してるよ」
「ハッ…みんなは?」
「みんなは…一度は正気に戻ったんだけど…」
小丸が戦場を見ると 仲間同士が戦っているのが見えた
「みんな操られてるんだよ…戦っちゃダメだ…」
「わかっておる」
今まで 高いびきをかいていた小ちゃいおっちゃんが目を開けた
「小丸 お主の力が必要じゃ!」
「若 なりません!若も小丸様もまだ動ける状況ではないのです 今は 若 に任せましょう」
「どうじゃ小丸行けるか?」
「はい!父上!」
小ちゃいおっちゃんと小丸は 妖精界を守ろうとしている
決意を固めた小ちゃいおっちゃん達を止められる者はいない
「若 小丸様 私もお供致します!」
紅も戦さモードに切り替えた
「良し!行くぞ!」
「おぉ!」
「待つのじゃ!」
どこからともなく聞こえてくる声
「誰じゃ!この美声は!」
「おっちゃ〜〜ん!」
晶太が駆けてくる
その肩には 無数に輝くものが
「晶太くん どこ行ってたの?」
「うん…ちょっとね ばあちゃんにお願いして…」
「わしらを迎えに来てくれたのじゃ!」
晶太の肩に乗っている無数に輝くものの正体は 小ちゃいおっちゃん達
「うわぁ〜 なんかキモい…」
つい 本音が口から出る晶ちゃん
千を超える小ちゃいおっちゃんが一斉に崩れ落ちる
…………
「これじゃおっちゃん達が不利だ…どうすれば…」
晶太は ばあちゃん似の頭脳をフル回転させた
「あっ!そうだ!」
そして じいちゃん似の行動力
「ばあちゃん!おっちゃん達が危ないんだ!」
晶太は 晶ばあちゃんに全てを話した
「そっかぁ…未来から妖精ロボットが…妖精さん達も操られてるんじゃ おっちゃん達が危ないね…どうすれば…」
「だから…あのね…」
晶太は思いついた事を晶ばあちゃんに言うと
「なるほどね!晶太はお利口さんだねぇ」
「じゃあ タイムマシン借りていいの?」
「もちろんですよ じいちゃんには私から言っておきます」
「じゃあ 行ってくる!」
こうして晶太はタイムマシンで 過去の小ちゃいおっちゃん達を迎えに行ったのだ
「晶太様 こんどはどこへ?」
「さっきじいちゃんを迎えに行った一日後!」
晶太の考えとは 一日置きの小ちゃいおっちゃんを迎えに行く
晶太にとっては途方もなく長い作戦なのだ
「こんにちは!」
「あら こんにちは まだ小太郎学校から帰って来てないんだけど…」
「どうしたのじゃ?」
母ちゃんのエプロンのポケットから顔を出す小ちゃいおっちゃん
「おっちゃん!僕と一緒に来て!」
「ん?わしが見えるのか?」
「あら すごい!」
「お願いです!おっちゃんを貸してください」
晶太が小太郎の母ちゃんに頭を下げる
母ちゃんと小ちゃいおっちゃんが顔を見合わせる
「お願いします!」
なおも頭を下げる晶太
「ちゃびん」
「頭をあげるのじゃ 何があったかは知らぬがわしの力が必要なのじゃな」
「行ってあげなさい」
「ありがとうございます!」
これが一日後
これを三年分繰り返した晶太
「これでなんとかなるかもしれない」
…………
「父上達!参りましょう!」
晶ちゃんの一言で崩れ落ちた小ちゃいおっちゃん達
「そうじゃな…参るか…」
完璧に士気が下がっている
「父上!今 参りますぞ!」
「おぉ!小丸 治ったのじゃな!ん?」
晶ちゃんの言葉を聞いていなかった 未来の小ちゃいおっちゃんが小丸の方を見ると 輝く無数の個体が目に入る
「なんじゃ?あのイケメン軍団は?」
…………次回に続く




