緊張感のない戦い
「とりゃ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
「はっ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
「くそ!なんか腹立つ…」
1億対1億の壮絶なる戦い
「紅 まだか!」
「もうしばし お待ちください」
小ちゃいおっちゃん達は紅に治療を受けていた
「操られていたとはいえ 若に取り返しのつかない事を…」
「気にするでない 紅 体の傷はいずれ治る しかし…言葉の暴力は深い傷を残すのじゃぞ」
「?」
みんなが ハゲ と言っていた事を言ってるんだな…
「とりゃ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
「あぁ〜〜腹立つ!いちいち自己紹介するなぁ!」
「僕の勝手でしょ!」
妖精達は この戦いをおしてはいたが イライラが増していた
「皆の者!冷静になるのじゃ!取り乱してはならぬぞ!」
小ちゃいおっちゃんは治療を受けながら妖精達の士気をあげている
「そうは言っても…」
「僕 ノラえもんですぅ」
ニカッ
言葉に合わせて 笑顔も見せるノラえもん
「このぉ にやけた顔も腹が立つ!」
「サスケ!これでは拉致があかん!倒しても倒しても増えてはござらんか?」
「確かに…若が戦線に復帰するまで 持ち堪えねば…才蔵!我らも分身を使い応戦するぞ!」
「了解!」
「プーーーー プーーーー」
本体のノラえもんは 笛増えプー を吹き続けていた
その頃 小太郎と晶ちゃんは…
「太郎ちゃん 小丸ちゃんの姿が見えないの…多分 まだ 中 に居るんだと思うの…」
「静おばちゃんも心配だけど…あっちはおっちゃん達に任せて 今は小丸を探さないとな…」
小太郎と晶ちゃんは フェアリーパラダイスが埋まってると思われる地面を掘っていた
「若!完治しました!」
コキコキ…
「紅 ご苦労であった わし!参るぞ!」
「遅れをとるでないぞ!わし!」
小ちゃいおっちゃん達が戦線復帰した
「若が戻られたぞ!」
「サスケ!戦況を報告致せ!」
「はっ!我らの方は被害はありません しかし 敵の数は増える一方 このままではいずれ…」
「弱音を吐くでない!なんとしてでも静殿を救い出すのじゃ!」
「御意!」
「あっ!居た!小丸ちゃん!」
晶ちゃんが小丸を見つける
小丸は 気を失っていた
「小丸ちゃん 今 紅お姉さんに診てもらうからね…」
晶ちゃんは 小丸をそっと摘み上げ優しく掌に包み込み紅の元へ走る
しかし…入り乱れての戦闘中
「紅お姉さ〜〜ん!紅お姉さ〜〜ん!」
晶ちゃんがあらん限りの声をあげて 紅を探す
「はっ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
「とう!」
「僕 ノラえもんですぅ」
壮絶で緊張感のない戦いの中 晶ちゃんは声を枯らしながら紅を探している
「紅お姉さん…どこにいるの…小丸ちゃんを助けて…」
涙を流しながら もうほとんど声が出ていない晶ちゃん
「ちょっと戦いをやめろ〜〜〜〜!」
ピタ…
小太郎の声でみんなの動きが止まる
「紅姉ちゃん!どこにいる!」
「ここに!」
「おぉ 居た居た!晶ちゃん ここに居たぞ!」
「紅お姉さん…小丸ちゃんを助けて…」
「小丸様!」
紅が小丸の治療に入る
「もういいぞ!」
いいのか?
「とりゃ!」
「僕 ノラえもんですぅ」
戦いが再開された
「どれ 俺も静おばちゃん助けに行くか!」
小太郎再始動
「静ちゃ〜ん 可愛いなぁ」
みんなの戦闘を横目に のべ太は静おばちゃんに夢中になっている
「やっぱり妖精をもっと欲しいなぁ あの忍者もカッコいいし あれもいいなぁ ノラえも〜〜ん早く妖精やっつけてよ〜」
「全く…のべ太くんは いつもいつも…プーーー プーーー」
「のべ太!静おばちゃんを返せ!」
「ん?おまえか〜 まだ諦めてないのか?さっきもダメだったろ シッ!シッ!あっち行ってろ」
軽くあしらうのべ太
「ん?そんな棒っきれで何をしようというんだ?」
「おまえの ケツ痒い を壊す!」
「ケツ痒い?君 ケツ痒いのか?」
「おまえのケツ痒いだ!」
小太郎は小ちゃいおっちゃん達が付けた ヒビ目掛けて落ちていた棒を思い切り振り下ろした
ガン!ビリビリ…
「くぅ…硬ぇ…」
「はははは 馬鹿だなぁ そんなもので…」
ピシッ…ピピピピ…パ〜〜ン!
バリアーが壊れた
「おぉ!やったぁ!」
「あ〜〜ぁ 壊されちゃった めんどくさいなぁ…」
のべ太は 静おばちゃんをポケットに仕舞い 立ち上がった
「僕 動きたくないんだよなぁ あぁ めんどくさ!」
立ち上がったのべ太を見上げる小太郎
「デケェ…」
「言っておくけど 僕 負けた事ないから!」
「うるせぇ!俺も負けない!」
小太郎VSのべ太 開戦!




