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世界に破滅をもたらす者 ビアグレの章  作者: 神無月 零
接触 ビアグレ
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6.預言

ワシの名前はシンダ、昔は別の名前だったが。

身を隠す為に、ワシはいろんな物を捨てた。

それはワシにとって人生で一番思いだくない時間だった。

30年前、大きな戦争があった。

ゾロス帝国はモナロラン公国に侵略し、圧倒的な優勢を保っていた。

当時、ワシは帝国最高の鍛冶屋で、兄は帝国最強の軍人と呼ばている。

毎回戦いが終わった頃、兄はワシの剣を持って帰って来て、ワシに兄の活躍を聞かせる。

ワシも他の沢山の軍人の剣を作ったが、兄のは特別だ、それはワシが最も心を込めて作った物だ。

そして、それで戦場に活躍する兄の話を聞いて、ワシも嬉しかった。


だが、そんな時間は長く続かなかった。

神はワシらに裁きをもたらした。

ゾロス帝国の軍勢がもうすぐモナロラン公国の王都に届くころ。

神の使徒‘勇者’がモナロラン公国に現れた。

最前線にいた兄は大勢の戦士と伴に勇者一人と交戦し、何も出来ず、一瞬で負けた。

その後、帰って来たのは、片腕を無くして、逃げ帰ってきた兄だった。

兄はその度の戦いで多くな物を無くした、地位も名誉も。敵味方から、笑い話になった。

その後も、ゾロス帝国はモナロラン公国に何度か仕掛けたが。

いくら、偽の勇者たか、神の試練とか言ったが。

心の中でゾロス兵士たちは思った。正義はモナロラン公国にあると。

ゾロス帝国は仕掛ける度に負ける。

だが、ゾロス帝国は諦めた訳ではなく、攻撃し続けた。


それは、丁度兄が復帰する時だった。

兄は最前線に帰って、一人で勇者と一騎打ちを挑んだ。周りの兵士に戦意はなく、ただ見ているだけだった。

兄の目には憎しみしかいない。

誰もが勇者の勝利と思っているが、だが、実際は片腕の兄の圧勝だった。

剣が目に見える程の禍々しいオーラを兄に纏っていて、その一撃ごとに膨大な黒いエネルギーを放つ。

勇者の象徴、神から授かった剣‘制裁者(sanction)’が放つ光のエネルギーと真逆に見える。

何回渡り合った後、兄は勇者に何かを言って、そして放った黒いエネルギーが勇者を飲み込んだ。


剣を異様な存在感を立っていた。

そして、味方の援護の下で、気を失った勇者は無事撤退した。

今が勝機、と思ったゾロス軍はそのままモナロラン公国を落とそうと思たが。

だが、奇妙な事が起こった。

勝利した兄は完全に判断を失って、敵を守るため、味方に仕掛けた……

一人でゾロス軍を全滅した後、戦場からゾロスの王都まで一直線。兄の進行を止めるものはすべて殺された。


執着に進攻するゾロスは重い代価を払った、対するモナロランは勇者を含め、誰一人死んていない。

これは神の意識しか言いようがなかった。

その後、兄はゾロスに‘反逆者(rebellion)’と呼ばれ、その日はゾロス帝国の最も暗黒の一日となった。









オレの名前はホール、かつては勇者に憧れて。彼みたいに騎士となって、民を守りたいと、

12歳から王都に行って、騎士になるためにいろんな努力をしていた。

だが、16歳のある日、嫌がらせをされた女性を助けるために相手を拘束したが。生憎、相手は貴族だった。色々手を使ってオレを騎士候補から除名した。

騎士になった同僚からは貴族を怒らせるなと言っているが、オレは思った。

こんなの全然騎士じゃない、と。ホントの騎士とは「ヒダ・タイチ」様みたいに、例え相手は誰だようと、己の正義を貫く。


130年前に勇者はゾロス帝国に現れた、それが「ヒダ・タイチ」様で、その頃にゾロスにまた正義があった。

それから100年経って、この国は変わり果てた、膨大資源や軍力を持つゾロスは他の国に侵略し、世界を一つにする事を企んでいた。

しかし、それは勇者の出現によって砕けた。


もうゾロスに正義はなく、ただの欲望の獣になった。

この街ヘドンルマンはゾロス帝国に属する遠くで小さな街だ、しかし、これはモナロラン公国に一番近い街でもあった。

オレも何度かモナロランに入った事があって、モナロランの騎士をこの目で見た。

オレが求めた物はそこにある、と。


「ただいま….」

「お帰り、ホール大丈夫か?今朝の男は誰だ?

暗い顔しているな、何があった?

おい、ホール!」


今のオレには言葉を返す気すらなかった。午後、あの巨大な姿、圧倒的な強さが目に浮かべて、消えない。

レインの言葉に寄ると、その後女性はあれを退治出来なく、撤退した。

いつ、この街を襲うか分からない。と、思うと体の震えが止まらない。

情けないと、自分でも思った。

オレは騎士になるために、いろんな努力をした。肉体、剣の腕、戦法……

だが、オレは一番大事な物を欠けっていた。

それは‘正義’だ。

オレには‘正義’として信じる物がなかった。だから、怯え、恐怖する。

近いうちにレインは凶雷狼に挑むと言っていた、オレはただ街で震えて待ってる様な真似はしたくない。

それを参加するには、オレも出来るだけ早く自分の‘正義’を持たないと駄目だ。

幸い、オレの‘正義’は近い……









昨日は忙しかったが、今日はゆっくりできそうだ。

朝、俺はギルドで昨日の報酬を取り。街外の平原で歩いた。

三日間の時間をくれるが、俺の準備、主に情報がほぼで来ている。

後は実行するだけだ。

後、なぜ俺は平原にいるか、それは人に付けられていたからだ。


「この辺りでいいか、周りに隠れる場所はない、俺とキミだけだ。」


「えい、よく、私の考えていた事が分かりますね。」


「女性に言われると嬉しい言葉だな、お褒めにどうも。

俺の事はレインと呼んでくれ。キミは?」


「私の事はクラークと呼んでください。昨日はありがとう。

では、よろしくお願いします。」

と、言って、二本の剣の中に、俺の剣を投げてくれた。そして、もう一本を抜いて、構えた。

「その剣はあなたのものですね、お手合わせお願いします。」


剣を受けた俺は、すごしそれを見ていた。

「いいだろう、来いよ」と、左手で剣を抜かずに持って、右手で同意と挑発の動きをした。

クラークは構えない俺を見て躊躇いをしたが、直ぐに見直して、掛かって来た。


一瞬で接近したクラークは、俺の首を狙で剣を振った。

彼女は切る途中で止めるつもりだったが、それを防がない事はしない、俺は期待を裏切らない男だ。

俺は右手を肩の所に上げて、一本の人差し指を伸ばし、それを止めた。

「え!」クラークは信じられない顔をしていて、直ぐに剣を引くつもりだったが。

俺は親指と人差し指で剣を掴んで。

そして、すかさずに中指で剣に当たる。

「…..ぁぅぅ…..」

魔力を込めた振動は彼女の腕の筋肉に入ったが、彼女は剣を手放さなかった、彼女は耐えていた。


「へい、耐えてるね、ならばこれはどうかな。」

彼女は魔力を腕に集中して、防御しようとしているが。

俺は逆にそれを利用して、薬指を剣に当てて、魔力を流す。

「ぁぁぁ…..」

彼女は魔力の流れを乱されて、逆に腕を痛めた。

「ほう、まだ持つか。次は小指だ。」

と、俺の小指が剣を当たる前に、彼女は剣を手放して、後退した。


「……さすがです、完敗致しました。」


「キミもなかなか意地があるね。」


「実は、その腕を見込んで、頼みたい事があります、が。

その前に、剣を返してくれませんか。大事な物です。」


「……いいやだね。」


「え?」


「この剣の上の宝石……なるほど。この宝石で高出力の攻撃を出すか。

なのに、剣身は普通の剣にしか見えないな。」

俺は自分の剣を彼女に投げて、彼女の剣を見ていた。


「……あなた、どういうつもり?」

剣を受けた彼女は聞いていた。


「キミはしばらくその剣を使え、この剣は没収だ。良かったね、磨いたばかりの剣で」

俺は自分の剣を抜いていないが、メンテナンスしていたと分かる。彼女の好意だろう。


「は?」


「そんな目で睨まないでくれよ、頼みの件はオッケーだ。内容は知らないが、剣以外なら何でも聞くぜ。」


「……分からないようで、もう一度言う。剣を返しなさい。」

彼女は怒ったみたい。美人は怒っても美しいな。


「その喋り方の方が似合うぜ。

……へい、奪われてまずい剣なんだか……

まあ、聞け。

俺はこの剣を奪うつもりはない。

そして、返さないこともない。

キミ、昨日この剣で負けたでしょう。

俺の剣を使って勝てたら返すよ。

その前に、この剣は俺が預かって、責任を持って保管するよ。」


「私が負けたのは油断したからです。その剣さい有れば簡単に勝てます。」


「キミ、剣士なのか?」


「そうですが、なにか?」


「剣、剣、剣て。

剣に頼りすぎなんじゃないか?

それじゃ、お前はいつまでも三流だ」


「さ、さんry「ああ、信じないなら、やってみろよ。俺は剣を使わないから、取り返してみろよ。

先に言うが、俺は片手であの凶雷狼とやらの雑魚をつぶせる。

あれを倒すより難しいかもしれんがな。」」


クラークの顔は暗くなった。


「それより、頼みでなんだ?」


「……私の目的に協力してほしい。

今の目的はこの街を守ることだが、そう簡単には行かない、凶雷狼はただの前触れしかない。」


「本番は他にある、と。

なるほど、凶雷狼の背中に近いうちの傷つがあった。

何者に追い出されて、それで、グランーの森に入って、養生していたか。」


「はい。

しかし、情けない事に、その剣がないと私は凶雷狼すら勝てない。

だから、お願い。剣を返して欲しい。」


「ホントに情けないね。

……こうしよう、剣は先言った通り、俺の剣を使って勝てたら返す、今は返さない。

代わりとして、俺がお前に剣を教えよう。

自慢じゃないが、片手で勝てるのは嘘じゃない。

短時間でキミを生まれ変わせる。」俺は剣を持ってない手を伸ばして、誘てみた。


「……剣さい返してくれますなら、私に損はない話です、いいんですか?」


「野郎ならともかく、俺は女性に優しいからな。

それに、キミの頼みを受けると言ったじゃないか、もう仲間だぞ、俺たちは。」


「……分かりました。

それで、最初から聞きたい事があります。

剣を交わって分かると思ったが、あなたは一体何者なんですか?なにが目的なんですか?あなた程の使え手はなぜこんな街にいますか?」


「あっさり受けたね。

……そうだね、俺は何者かは今のキミに教えられないね、うん、もし、キミが勝てたら教えるよ。

目的もそう。

なぜここにいると、それは単に他の処に行った事がないからだ。」


「凶雷狼を倒せるなら、なんであの場で逃げたんですか?」


「俺が倒したら、なんか得でもあるのか?」


「後、もし私が負けたら、どうするんですか?」


「俺が始末する。キミには別の目標を当たるさ。

キミが一人前になるまで、きっちり付き合ってやるよ。」


「そう、あなたが預言の男ですか。で、これからどういうつもりですか?」


「預言ね……これからギルドに戻って、ウルフの任務を受ける。

そして、訓練開始だ、今日は雨がない、午後4時に凶雷狼に挑む。

キミはどこに住んでいる?」


「あの街に宿屋なんて一つしかいません、そういうあなたこそ、何処に住んでいますか?探すのに大変なんですよ。」


「そう、今日からは教会に住め。俺はそこにいる。

夜も訓練だ。ちょと厳しいが、いいかな?」


「はい、問題ありません。あなた程の剣士、きっと沢山学べるでしょう。」


「以上だ。

では、戻ろう。

朝ご飯まだだね、丁度金が入ってな、昨日いいレストランがいて、奢るよ。

じっくり語れ合う、クラークちゃん」


「クラークちゃんて……

いいえ、結構です、自分で払えます。

後、気持ち悪い言い方やめてください。訴えますよ。」


そんな茶番をして、俺たちは街に戻った。









「クラークさん、レインさん。おはようございます。

珍しいですね。どうしたんですか?」

クラークはフードを被って俺とギルドに入った、それでも、俺たちは注目を浴びさせる。

まあ、主に俺にだがな。期待の新人、ソローのホール、凶雷狼。そして、今度はクラーク。

「おはよう、リアンちゃん。ウルフの討伐を受けたい、メンバーは俺とクラーク、昨日と同じく馬車を借りる、時間は……」

その時、丁度ベイカーは階段から降りてきた。

「嬢じゃん!丁度良かった。話があってな、職員室へ来てください。」


「よ!ベイカー、おはよう。珍しく慌てているな、どうしたか?」


「レイン!……嬢じゃん、こちらにいるレインも同席していいでしょうか?彼の信用は私が保証する。」


「問題ありません。最初から彼も連れていくつもりです。」


「まあ、俺の事は心配するな。政治とか、立場とか興味ないから、今の俺はクラークの味方だ」


「そうか、あんたには色々恩を感じる、出来るだけ巻き込みたくないが。

今回はどうしてもあんたに協力してほしい。

では、嬢じゃん、詳しく話は職員室で。」









「レイン、あなたは私の味方ですよね。」

ベイカーは早い段階で部屋を出て、話を終わたもう一人の貴族も出ていた、今、職員室の中には俺とクラークしかいない。


「なんだいきなり?」


「私がこの街に来たのは理由がある。

実は預言があった。

簡潔に言うと、私が歩む道は険しい、そして私の行く先に、一人の男が助けてくれる。

私はあなたに会うために、この街にきた。

もし、預言はないなら、私は来ない。

そしたら……

あなたはホントに預言の男で、私を助けてくれるの?」


「キミは何と戦っているかは知らないが、先に言っておく。

俺はお前を助けない、だが、俺はお前に協力をする。

敵が来ても戦うのはあくまでもお前だ。俺ではない。」


「それはどういう意味ですか?

凶雷狼といい、今の話といい。

あなたの目的は」


「取り乱しすぎだ、その話はお前が勝った後で話す。

そういう約束なんだろう。

皇帝が誰かに暗殺されて、そんなにショックか?」


座っていたクラークは頭を下げて悲しい顔を片手で覆う

「私が逃げ出したから、叔父様は父上に殺された。

私の動きは予想されていた。

もし私がこの街に来ないなら、私は止められる、こんな事にはならなかった。

結局、全てが父上の思惑通りだった。」


「……」


「済まない、先の話は忘れてください。」


「ああ、先のは聞こえないようにするよ。

あと、俺はお前の味方だ、紛れもなくな。もっと頼っていいぞ。」


「ありがとう……」


「でも、俺は馬鹿だからな、政治とかそういうのはキミに任せるよ。俺は知らん。」


「ああ。」


「先の話だと状況は厳しくなった。だが、俺たちのスケジュールは変わらない。いいな。」


「はい」


先の話を簡単に言うと。ベイカーからは、中央から一切援軍は来ない、全ての事は「クラーク・フォン・マルティネス」と「コーティンギルド」に任せるとのこと。

全国各地で異変が起きて、手が回らない状態だった。

最初から放棄するこの街を、クラークがこっそりと逃げて、守りに来た。

ベイカーが出た後は、貴族は王都の話をしていたが、俺には興味がない。

まあ、やることは変わらないさ。


「リアンちゃん。ウルフの討伐を受けたい、頼めるか。」


「はい「レイン。待ってくれ、凶雷狼と戦うだな、オレも連れて行ってくれ。」」

突然ギルドに入った男はホールだった。なにか布を纏った妙なものを持っている。


「ホール……

いいだろう、だが、このパーティーの隊長は俺だ。

もし俺の命令を逆らって足手まといになったら、その場に捨てる。いいな。」


「構わない、今のオレに恐れるものはない。」


「そう。先ずは支度の準備だ。10時に集合する。いいな。」


クラークは近づいて小さな声で聞いた。

「レイン、あれて?「気付いたか、まあ、心配することはない。」」


今のホールに恐れるものはない。そう、彼は‘正義’を手に入れた。

かつて単身でモナロラン公国からゾロス帝国まで攻め込んでいた者。

悪に裁きをもたらした‘正義’。

ホールが盗み出した、地下室に隠していた一振りの剣‘反逆者(rebellion)’。








「ただいま着きました、兄上。」


「そうか、速やかに‘審判者(judgement)’の破片とその使え手を探せ、情報によるとその街にいるはずだ。お前に期待をしているぞ、マーフィー」


「えい、所で兄上。審判者とその使え手を見つけたらどうします?

殺して、奪うですか?」


「先ずは報告だ、後は好きにするがいい。」


「はい、報告しまーす。

審判者(judgement)’の破片を持つ一人の男を発見しました。

あれです、黒い髪で、眼帯を付けていた男です。

殺していいんですか?」


「……ホントの様だな、こちらも確認した。好きにするといい」


「はーい。

お前たち、そいつの情報、関わる人間関係全てを調べろ。

でかいプレゼントを贈ってやれ。」

25くらいの黒い肌の女性に仕えていた、背の高い二人の男が動き出した。


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