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父が死んだ  作者: 青紫蘇
3/5

我が家

扉に手を掛けるとガラッとなる音とともに扉が開いた。え、あいてるよまったくもう!田舎だからってやめてよ。

久しぶりの我が家だ。

「ただいま」

母がリビングで待っていてくれた。

「おかえりなさい ごめんね先に帰っちゃって。」

「いいよ気にしないで、 ひなとあつは?」

「ご飯食べたらすぐに寝ちゃったわ。」

「そっか。」

ぐうぅ~と私のお腹がなった。

母にクスクスと笑われて。

「仕方ないじゃない!何も食べてないんだから!」と言い訳をした。

「はいはい、作りますよ。大したご馳走はないけど。」と言って微笑みながら歩いて行った。

私も少し笑いながら椅子に上着をかけて台所に向かった。

「何か手伝おうか?」

「良いわよ、これぐらいできるわ。」

母に返事をして。真ん中の席に座って母の後ろ姿を見ていた。


部屋はL字型のキッチンがあって中央に6人がけの食卓台がある。

油のジューとゆう音やお湯がブクブクと沸騰する音を聞きながらとても懐かしいなと思った。一人暮らしを始めて実家が恋しいとは思はなかったがそれでも帰ってくるととても落ち着くし暖かく迎えてくれる家族もいる…父がいなくなってしまったが…

こんなことを考えてる場合じゃない!しっかりしなきゃ!


料理が出てくるまでの間に仕事のメールチェックと明日から五日間忌引きと有給を使って休みをいただく旨のメールを書いた。結構長い休みだが、まぁ何があるか分からないから。それに今の仕事は急を要するものがないから大丈夫だろう。休み明けが怒涛の忙しさになるだろう。


そんなことを考えてる間に

「はいお待たせ」といって食卓台にコトコトっとお皿を置いて母も私の前に座った。私の大好きなオムライスと定番お味噌汁なんの決まりか我が家は必ずお味噌汁が出る。私の中では当たり前だがふと気になって聞いた。

「なんで我が家はなんの料理でもお味噌汁なわけ?」

「おとうさんの大好物だからよ」

そう言いながら母は少し寂しそうな顔を見せた。

「そうだったんだ。いただきます。」

そんな母を横目に私はふわっと香ってくるお味噌の匂いに誘われてたまらず手を伸ばした。

あぁー懐かしい最近お味噌汁を食べていなかったのもあったがすごく美味しい。大きすぎず小さすぎずの白くて可愛いお豆腐と歯ごたえのあるくねくねワカメに汁をたくさん吸って膨れ上がったプクプクお麩、肝心のお味噌は合わせ味噌て少し濃いめなのが我が家のお決まり。味噌汁の喉を通って鼻に抜ける味噌の香りが私は好き。猫舌だがお味噌汁は少し熱いぐらいがいい。


そしてもう1つのオムライス。お店みたいなそんな大したものじゃないけど片面焼きの表面がトロッとしたうすいお布団がケチャプライスを覆っている。上から無造作にケチャプをかけて頬張ると卵とケチャプが合わさってとても美味しいのだ。

無心にごはんを食べた。

私の食べる姿を母はお茶をすすりながら微笑ましそうに見ていた。

「ごちそうさま。美味しかった!」

「そう。それは良かったわ」

笑った母の顔が見れて少し安心した私はご飯を食べたせいか眠気に襲われ始めたので食器の片付けもそこそこに「先におやすみ」といって客間に布団を敷いて寝た。


私の部屋はもうひなが使っていたからなかったので客間で寝るはめになった。

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