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父が死んだ  作者: 青紫蘇
2/5

家路

結構な時間が経って。

私はこのままずっとこの姿の父を見ているのが辛くて母に言った。

「お母さんもうお父さんを楽にさせてあげよう?」

「どうして!?まだまだ生きてるじゃない!」

「機械で無理やり引き延ばしているだけだよ、いつまでもこうしてても仕方ないじゃない。」

母は最後まで嘆いていたのを覚えている。

最後に家族みんなで看取ってやった。


その後書類やら何やらでバタバタして落ち着いたらもう夜になっていた。

一足先に母はひなとあつを連れて家に帰っていた。終電ももう無いから1人ぼちぼちと歩いて帰ろうと思った。

でも少し気が抜けたのか足が痛くてふと見ると、靴擦れをしていたので歩くのは断念してタクシーで帰ろうと思った。


大通りまで来てさぁタクシーと思ったが、全く来ない!なぜ!今日はついていない日なんだと改めて思った。早く帰って会社にメールやその他やることがあるのにまったくもう!と心の中で叫んだ。


こんなことを考えていても足が痛いのは治らないので、とりあえず近くのコンビニでばんそうこを買って応急処置完了。帰ろう我が家に。


懐かしい道を歩いているとちょっと思いふけった。本当にここは何もないなー都心に比べたらどこもそうか。ここの道高校入試の時父と歩いた。会話の内容はうつろ覚えだけど「こんな田舎さっさと抜け出してやるー」なんて思春期の子が考えそうなことを言った。父は何て言ったかな、覚えてないや。「田舎も良い所だ」とかだったかな。父はすごく優しいひとだった。まぁ子供の頃なんて口うるさい頑固おやじとしかおもってなかったけどね。一人なのに口元が勝手に緩んで笑っていた。


我が家に帰る最後の敵を倒したら寝れるそう思うと頑張れる。坂道をのぼる途中靴を脱いで裸足でのぼった。坂の上の瓦屋根が我が家。子供のころは走ってたのにもう無理。膝と腰が悲鳴を上げてるよ。でも裸足で歩こうと思える辺りはまだ若い。夏だから出来たことだよ。

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