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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者に私奴の婚約者を寝盗られみたいですが、正直言ってどうでも良いです。

作者: 宇野円

一日中雨だったので短編モノを書いてみました。

感想、御指摘等ございましたら

是非とも下さい(´-ω-)人

勇者····


勇者とは


弱気を助け


強気を挫き


そして、


魔王を討ち倒し


世界に平和をもたらす者·····


のはずだったのだが·····


「俺は、勇者アイト。お前の婚約者だったアイリスとリトネ、それにフィーネは俺のオンナ(・・・)になったから」


·······

とんだクズ野郎だったみたいでした。

因みに私奴(わたくしめ)はロードバッハ王国のアルマーニ伯爵家令息、サーシャと言います。

よく名前が女みたいだと弄られますが、これはアルマーニ家の男児は必ず中性的な名前にする事となっているので仕方がないのです·····


それと先程、勇者アイトが言っていたアイリス、リトネ、フィーネは私奴の元婚約者(・・・・)で、アイリスはロードバッハ王国第4王女、リトネは父上の親友のセンテンプス侯爵家の御令嬢、フィーネは父上が仕事中(・・・)に見つけた孤児で、アルマーニ家の養女だったりします。


「おい!お前、もしかして俺に婚約者を盗られたショックでフリーズしてんの?ハハハ!ダッセー!」


「·······はぁ?」


勇者が言ってる事をいまいち理解出来ませんが

10歳になると行われるステータス鑑定で、

アイリスは魔術の才能が、リトネは剣術の才能が、フィーネは癒しの才能があることが発覚していたので昨年、魔王を倒す為に異世界から召喚された勇者アイトのパーティーに選ばれ、勇者と国から派遣された暗殺者(アサシン)と共に打倒魔王の旅をしているのですが····





まぁ·····


別に、婚約者を勇者に寝盗られたことは重々知ってましたし····


正直言って、寝盗られても別になんとも思って無いんですよね。


だって、アイリスとの婚約はアルマーニ家の仕事上の関係で王族との関係を強化する為、リトネのは父上とセンテンプス侯爵が酒の席で勝手に決めた婚約で、サーシャは父上がサーシャを本物の娘にしたいから結婚しろと言われたからだったので····


まぁ、婚約が決まった当初はアイリス達は喜んでいたみたいで


勇者と旅にでる前には私奴に


「絶対、魔王を倒す旅が終わったら結婚しましょうね」


と言ってくれましたけど·····


これ····


どう考えても····


フラグですよね?


「ふんっ!まぁ、しょうがないよな~!だって俺は勇者だしぃ~。魔王を倒した英雄だしぃ~。次期国王だしぃ~。」


「······」


なんなんでしょうねこの勇者は····

なんでいちいち自慢気に語尾に"だしぃ~"と付けるのでしょうか?

馬鹿なんですかね?

馬鹿なんでしょうね。

というか、魔王を討ち倒す前から勇者アイトはロードバッハ王国第1王女ユリアネス様との婚約が決まっていて、魔王討伐後、次期国王になる事は全国民が知っている事なんだから、伯爵令息の私が知らないわけが無いでしょうに····


というか、なんなんでしょうねこの状況は····

なんで私は勇者と王国が所有している闘技場の真ん中で一方的に話しかけられているんでしょうね?


えぇ·····

理解(わか)っております····

理解っておりますとも!


魔王討伐後、勇者はハーレムメンバー+暗殺者(アサシン)を引き連れ、国王様にアイリス、リトネ、フィーネの元婚約者の私を決闘で倒して後腐れの無いようにしたいとかなんとか言ったんですよ!


実はその場に私もいたんですけどね!


もう本当に頭が痛い·····


「それじゃぁ·······始めようか?アイリス達の元婚約者(・・・・)君?」


どうやら勇者は聖剣を構えて私を()る気満々のようですが·····


私は、特設の観客席で私と勇者を見下ろしている国王様を見て····


了承を頂きます·····


さて····


それでは、始めましょうか·····


「死ねぇぇぇぇぇぇっ!!」


そんな事言いながら勇者は私に斬りかかります。

誰がどう見ても避ける事が不可能な速度で······

そして、地に伏せる私を見て勇者は·····


「ふん····他愛もない····」


と仰いました····


しょうがないので私は······


勇者アイトの耳元(・・)で····


「酷いですわ···勇者様(・・・)····いきなり斬りかかるなんて。」


虫酸が走るのを我慢して、囁いてあげましたら


「な····なんで······なんで君がここに!?」


「なんでと言われましても·····ねぇ?」


「どうして···どうして!どうして君が!!ミーシャ(・・・・)がここにいるんだ!?」


あれあれ?

どうして勇者は私の事をミーシャ(・・・・)と···

勇者パーティーにいた暗殺者(アサシン)の名前で呼んでるのでしょうか?

まぁ、答は単純なのですが·····



「私、ミーシャ(・・・・)はアルマーニ伯爵家令息サーシャ(・・・・)が国から勇者パーティーの暗殺者に任命された際に、性別を偽るように頼まれ、国王から任務中は"ミーシャ"と名乗るようにと言われたからですよ。」


「ば···馬鹿な···そんな訳·····

そっ····そうだ····俺は彼奴を斬ったんだから····

だから····彼奴の死体を確認すれば!?」


あれまぁ····

どうやら勇者は私がミーシャであったことを認めたくないみたいで必死に私の死体を確認をしていますが····

魔物や魔王等と戦う際に何度も分身(デゴイ)を使って敵を撹乱していたというのに····

その事に気づかないとは······

正直言って哀れですね·····


とりあえず、さっさと終わらせますか····


私は勇者があーだこーだ喋っている間に闘技場内に張り巡らした糸を使い勇者を拘束して地面に叩きつけます····


「クソ!止めろ!!俺は勇者なんだぞ!!魔王を倒した世界の英雄なんだぞ!」

「知っていますが、それが何か?」


勇者は色々喚き散らしながら拘束をほどこうと暴れまわります。

あぁ····もう·····

そんなに暴れ無いで欲しいのですが····


「つっっっ!!」

「勇者様が暴れるから糸が余計に絡まってしまったじゃないですか···

盗賊の捕縛任務の際に見せたことありましたよね?」


勇者には、1度見せたことがある技なんですが····

もしかして勇者はまだ私がミーシャだと····

違いますね····

この方は多分(サーシャ)がミーシャだと認めたく無いのでしょうね···


「嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!こんなことあるはずがない!!俺は勇者なんだ!この世界の主人公なんだよ!!アイリスと!リトネと!ミーシャとフィーネ!それにユリアネスと結婚して!ハーレムを築いて!この世界の王になるんだよ!!」


うわぁ····

ヤバイです····

鳥肌がヤバイです!

やはり勇者は私の事をミーシャと認識していないようですけど····

なんで(ミーシャ)の名まで出てくるんでしょうね····

愛を囁かれたことも、囁いたことも無いのですが····

これ以上、勇者の妄言は聞きたくないので監視役としての任務を全うします···


「勇者アイト、貴殿は魔王を討ち倒し、世界に平和をもとらした勇者だが、魔王討伐の道中に立ち寄った村や町で、あまつさえロードバッハ王国外の国々でも、か弱き婦女子建ちに己は勇者だと名乗り、言うことを聞かなければ暴力を振るうと言って脅し····襲ったな?」

「あぁ!襲ったよ!!それがどうしたって言うんだよ!?」


どうして····

どうしてこんな愚か者が勇者として召喚されたのでしょうか?

私は冷めた目を地べたに伏せている勇者に向けて、たんたんとしゃべります···


「勇者だからと言って何をしても良いという訳がないでしょう?しかも貴殿は第1王女ユリアネス様と結婚し次期国王となる立場だったのに····

そのようなことをして許される訳がないでしょう?裁かれて当然でしょう?」


どんなに力を持っても力に溺れたら駄目だと言うのに····


「ハハハ·····。そうか·····これは····夢なんだ····そうに決まって·····」


勇者は現実を受け入れられずにいるみたいですが····


私は構わず追い討ちをかけます。


「後、言い忘れてましたがアイリス、リトネ、それにフィーネは貴殿の···

いや、貴様の事は一切愛していませんから」


「は?」


「貴様にはアイリス達と愛し合った記憶があるかもしれないが、それは私が貴様に幻術を使って見せた貴様が望む夢を見せて一線を越えるのは阻止していたし、彼女達には(ミーシャ)の正体を教えてましたし·······

正直言って、貴様よりも私の方が彼女達を助けたいたでしょう?」


「·····は······ははは······ははははははは!!」


どうやら追い討ちが上手く決まり勇者は壊れてしまったようなので、部下を呼んで勇者を王城の地下牢に幽閉してもらいます······






最初に言った通り····

私は婚約者が誰かに寝盗られようとどうとも思いませんが·····




目の前で寝盗られるのは趣味じゃ無いので阻止させてもらいました·····




それでは仕事も終わりましたし·····




「とっとと、風呂に入って寝よう······」



そう言って私は闘技場を後にするのでした····





サーシャ

アルマーニ伯爵家令息で次期当主

アルマーニ家は代々ロードバッハ王国の暗殺者として支えていて、他国から名無しの(ネームレス)暗殺者(アサシン)として恐れられてたりする。

勇者アイトとの闘いの後、アイリス、リトネ、フィーネと結婚し何故か第1王女ユリアネスとも結婚する。

本人曰く、めんどくさがり屋


アイリス

ロードバッハ王国第4王女

訳あって勇者アイトの事を慕っている芝居をしていた。

実はサーシャが芝居とはいえ勇者とイチャついてるところを見て妬いてくれないか期待してた


リトネ

センテンプス侯爵家の御令嬢

訳あって勇者アイトの事をs(ry

剣術の才能はあるが1度もサーシャとの勝負に勝ったことがなく、「これで勝ったと思うなよ!」と捨て台詞を吐いていたとか


フィーネ

アルマーニ伯爵家の養女

サーシャの父が王国の依頼で違法賭博や娼館の調査をしている時に拾った孤児

アルマーニ伯爵の隠し子じゃないかと噂をされているが、血は一切繋がってない


ユリアネス

ロードバッハ王国第1王女

実は他国の間者に捕らえられた事があり、その時、主人公であるサーシャに助けられていたりする。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 元孤児フィーネがサーシャになってるぞ
[一言] まるでなろうを見た後の知識でうまくやった人みたい。あとその後も見てみたいです
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