曖昧な距離でさりげなく穏やかに
やわらかく
そっと撫でるように
視線はやさしく外して
決してみつめないで
波風たてることなく
ここに錘を結わい付けて
深い海の底にそっと沈めて
浮かばないように
穏やかに笑い緩やかに触れ
君が傷まないように
なだれないように
狂わないように
曖昧な距離をきれいに保って
わかりあえないように
そうすることで奏功するから
いつの間にかそれが僕のメソード
波の怒涛を引き寄せて攻撃して
互いに打ち砕かれて打ちひしがれて
北風になって捲ろうとしたけれど
太陽になってじっと耐えたけれど
闘ったって正義なんて見えない
正解なんて誰も教えてくれない
向き合うことばかりしていても
大事なものは君の後ろにあったのかもしれない
もう
しんどい
時計の針は一度止まったはずだった
なぜ動き出してしまったんだ
それは奇跡なのか運命なのか
降ってきた偶然なのか
そう言えば激しい雨が降っていた
天からの恵みの雨と君からの哀しみの雨
どちらもとてもあつくてつめたかった
優しくて残酷で僕の居場所を流してしまった
曖昧な距離でさりげなく穏やかに
ここに錘を結わい付けて
深い海の底にそっと沈めて
浮かばないように
逃げでいい
もうそれしか出来ないから
僕はそういう生き方をしている
深海で魚たちが錘を引きちぎるまで