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脚本  作者: 誰か
4/5

厳冬

 寒さ厳しい冬の夜だった。彼が何もかもを失ったのは。

 日付12月24日。午後9時24分。

 クリスマスプレゼントの代わりに届いたのは一本の電話。

 それを知ったとき、彼は思った。


―――もう、こんな世界要らないじゃないか


 神様なんてやつがいるなら、間違いなく自分は嫌われている部類に入るだろう。

 そして、彼は外に出た。

 目を開けていられないほどの吹雪の中、彼は昇った。上へ。

 上にたどり着き街を見渡すと、吹雪の中に繁華街のイルミネーションが点滅していた。

 

―――綺麗だな


 あと少しで、この空に消えていけるのならば、それも悪くない。

 そして、彼は、一歩、上から足を踏み出した。


 重力で下へと突き進む身体。

 落下していく中で彼は、不思議と今までの人生を思い返す。

 そして、苦笑した。

 

―――いい思い出なんて、ほとんどない


 どこで狂ったのか。自分の人生は。

 考えた。簡単だった。

 だが、今更どうにもなりはしない。

 人生にやり直しは効かないのだ。

 いや、たとえやり直せたとしても、自分には何も出来なかっただろう。

 自分の無力さを嘆きながら、彼は白銀の絨毯にダイブした。

 

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