第13話【残り318日:強面の火車くん】
第13話【残り318日:強面の火車くん】
「おい神奈月、ちょっと来い」
振り返ると――火車くん。
(うわ、最悪のタイミング)
「なんか用?」
「ちょっとな」
(絶対面倒なやつだ)
その時。
「――待て」
ペタッ
マサオ、前に出る。
「任せろ」
「いや任せられないんだけど」
謎の音楽、スタート。
♪テケテケテケテケ
「え、どっから音出てんの?」
マサオ、キレキレダンス。
ヒヨコ、適当ステップ。
どこからか軽快なBGMが爆音で流れた。
「なんでだよ!」
♪テーンテーンテーン
マサオ、渾身のダンスを披露。
ヒヨコ、全力で転ぶ。
「なんだこのペンギン!?」
「今だぁ!!」
目が合う。乗っ取り成立!
マサオの意識が火車くんにダイブする。
だが、数秒後。
「うわあああ重っ!!重すぎるわぁぁ!!」
即、離脱。
「・・・ハァハァ、こいつ心の中『岬さん好き好き大好き』で充満してるぞ!感情の湿度が致死量だぞコラァ!!」
「マサオ、お疲れ・・・」
「しかも好きすぎて『使用済みのボールペン集めたい』とか考えてるぞ!変態だぁ!無理!!」
ドドドドド!!!
「ペンギンさんだー!!」
そこへ、噂の岬さんが猛烈なスピードでやってきた。
「お前こいつのこと、どう思う?」
「友達!」
即答。
火車くん、精神的ダメージで崩壊。
「グハッ・・・」
「うわぁ・・・」
僕は思わず手を合わせる。
「ペンギンさん喋った!?」
「腹話術です!!」
叫んで必死にマサオを抱えて、猛ダッシュで逃げた。
――残り318日




