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「駄目だ、もうTPが持たない!」

「全員撤退しろ!」

「逃がすわけないだろ…?」

「くそ、転移が出来ない!」

「あと、僕は別に魔法でしか闘えないわけじゃないからな?それはあいつも同じだ。」

【ルードはTPを0消費し、氷剣生成を使った!】

「本来はあいつに渡した方がいいんだけど、今は生憎一人だからな…」

【ルードはTPを10消費し、ストームを唱えた!】

「何だ?自分に魔法をぶつけて…」

「そしてこれだ!」

【ルードはTPを125消費し、飛翔斬撃を発動した!】

【2分間、剣を振るう度に遠距離攻撃が発生します】

「がはっ!?」

「何だあの攻撃は、手数が多すぎる!」

「しかも物理攻撃だ!我々の装備では防げない!」

「逃げられない!!」




【0/5000】

「すぐに王宮に戻らないと!」

ルードは転移魔法を使い、王宮に戻ってきた。しかしハピの姿はない。

「不味い、何かあったら…」

【ルードはTPを4500消費し、時を司る目を発動した!】

【一定時間、同位置で発生した過去の出来事を知ることが出来ます】




『自力で行くしかない…』

『頼むから間に合って!』




「方向はこっちか…」

(まだ戻ってこないということは…確実に何かあったんだ…)




「ここで戦いがあったのか?あたり一面荒れ地だが…」



『惜しみなくTPを使ってみたかったの、一度。貴女のHPはそう簡単に削れなさそうだし、いい機会ね?』

『待って…』

『残念だけど私はもう後戻り出来ないの。さよなら。』

『うわぁぁぁ!!!』




「ハピは勝ったのか?じゃあなんで、帰ってきてないんだ?それに、TPがなんたらと言っていたけど…」

(まさか…HPを代償にする効果でも発動させたのか?)

「嫌な予感がする…あいつ、勝つためなら手段を選ばないんだよ…あっ!!」

(居た…!)

「おい!起きろ…起きろって!」

(息はある…)

【《ハピ》Lv.1 HP26/80TP0/80 AT5666DF5664 MG5661】

【妖精の指輪の効果で、行動不能状態です】

「行動不能状態か、解除条件がわからないけど…生きてるだけよかった…連れて帰ろう。」

『もし君に死なれたら僕はどうしたらいいんだろう?』そう語りかけようとしたルードだったが、寸前で止めた。『あんたより先に死ぬつもりはない!』と言われると予測がついた。




それから10日後。

ルードはあの手この手でハピの状態異常を解除しようとしたが、全く進展がなかった。

「くそ!国を救った王が目を覚まさないと国民たちが知ったら何と言われるか…」

「時間が解決してくれることもあるじゃろう。第一、こやつはかなりの無理をしたようじゃ。そう簡単には起きまい…。」

「僕の思慮が足りなかったせいだ…」




更に10日後。

「妖精の指輪を外せば解除されたりするのか?」

【効果発動中の装備を解除することは出来ません】

「くそ、だめか…しかも装備解除出来ないんじゃ、どんな効果なのか調べることもできない…。」

「ルードさん、行動不能状態はについて、うちの冒険者から聞きました。昔、行動不能状態になったことがあるという者から。」

軍事会議に招かれたついでに見舞いに来たアレックスがそう言った。

「一種の仮死状態みたいなものだと、彼は言っていました。あともう一つ、彼の場合は時間経過で解除されたそうです。」

「成程、でももう20日もこの状態なんだ…条件が違う可能性もある…」

「そこまでは私にも分かりません、すいません。では、私は大賢者様と対談をしてきますので。」

「ああそうだった、国からの依頼をギルド掲示板に載せてくれようとしてるんだっけ。実現したらかなり便利になりそうですね」

「ギルド側もクエストを出して貰えて冒険者の報酬が上がるので、まさにwin-winです。もう少しで実現出来そうなので、これが最後の対談になるかもしれないです。」

「期待してますよ。頑張ってください」


アレックスが退室した後…

「もうハピに大きな負担をかけさせないように、順調に手配が進んでるから…戻ってきてくれよ…?」




そして、32日目。

「国からのクエストは危険度が少ないものが多く、そこそこの報酬が貰えると評判ですよ。治安維持のパトロールのクエストのお陰で、私もかなり自由に動けるようになりましたし。」

「ああ、今までアレックスさんがやってたんでしたっけ。あの時も…」

(そういえば、今日はまだ様子を見に行ってないな)

「あ、ちょっと、アイツのところへ行ってきます」

「私も行きますよ。丁度お見舞いに行こうと思ってたところです。」

「あー、そうですか。では一緒に行きましょう?」

「ルードさん、私は実質的に貴方の部下ですから、もっと気安く話してくださいよ」

「でもアレックスさんにはかなりお世話になってますし、この関係を崩したくないなと思って…。」

「お世話になってるのはこちらもですよ。」

「じゃあ、互いに気楽に話すってことででどうです?」

「ルードさんがそう言うならそれで行きましょうか」

などと話しているうちに、ハピの部屋の前に着いた。

「よし、入りましょうか…っ!?」

部屋の中が何故か荒れ模様になっている。

「敵襲があったのか?まさか…」

「ずっと見張っていればよかったのか、ハピは…」


「ごめんルード、これ私の仕業…」

「!」

「目覚めたのか!お前、何日寝てたと思って…」

「32日でしょ…知ってるよ…それが解除条件だったから。しかも状態異常耐性も効かなくてね…。」

「ああそうなのか、それで、この部屋の惨状は何だ?」

「あの、ほら、30日も動けなかったせいで、体が上手く動かなくて…それで風魔法の反動で起き上がろうとしたら暴発して…」

「それでこの有様か…」

「いつの間にかステータスが1.5倍くらい上がってて…加減が利かなかったの…」

「1.5倍!?」

「幸福度の値がなんか3割くらい増えてるし、職業もランクアップしてたから、多分その所為だと思う」

「ランクアップって…まさか英雄ですか!?」

「大賢者様のパーティに居たっていう、あの英雄か。50年に一人程度しかこの境地には辿り着けないと言われている…」

「あー、あと」

と言いかけ、ハピは言葉を詰まらせた。

「いや、やっぱり何でもない」

「??」

「???」

「本当になんでもないから!」


(行動不能状態の時も意識と感覚はあったってことは、秘密にしておこう…。)

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