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「そういう戦闘狂なところも奴にそっくりじゃな…」
「英雄さんの話?私は王だけどね」
「そういう話じゃないんじゃない?…」
「そういえば、王のスキルがランクアップしたみたいなんだけど」
【スキル・王の資質(下級) 効果:任意で、王のオーラを発生させ、強く受けた者は圧倒されます。Lvが高いと効果が上昇します。】
「実質何も変わらないんだよね、元が強いからいいようなものの…」
「それはハピがレベル1だからであって、本来は相当なプラス要素になるんだと思うよ…。レベル1でこのスキルを習得することが想定されてなかったんじゃないかな。」
「ところで、レッドの奴らが攻めてきたら次はどうするつもりなの?」
「とりあえず、王国騎士団を派遣してみようか」
「でも騎士団は少数精鋭で2000人くらいしか居ないけど、大丈夫?」
「ダメかもしれない…兵力をもう少し集める方法はない?」
「兵力…ギルマスさんに聞いてみてもいいかも?」
「それはアリだな?」
「早速アポをとってみよう」
「待て。交渉はわしが行く。」
「大賢者様が?」
「アレックス君とは昔よくつるんだものでな、それに、わしは参謀なんだから、こう言う時くらい仕事をせんとな…。」
「成程。じゃあ人事系は大賢者様におまかせするとして…」
「じゃあ、今すぐ行ってくるわい」
そう言うと、マーリンは転移魔法で姿を消した。
「政治家としては行動が早いのは凄くいいね、やっぱり大賢者様は衰えても優秀だよ」
「衰えたって言っても僕らよりまだ強いけどね…。」
そこへ、通信魔法が飛んできた。
「グリーンから緊急連絡。レッドが奇襲を仕掛けてきた。出来れば応援を頼みたい…」
通信はここで途切れている。
「グリーンが攻められてるの?今度は」
「グリーンとは友好関係にあるし、貿易も盛んで我が国の発展に大きく貢献して貰った借りもあるらしい。これは助けない選択肢はない、でも…。」
「レッドが何を考えているのか、ね?」
「多分、ハピに勝てないと悟ったから陽動しに来たんだろう、ハピがそっちへ向かってる間にブルーを攻める気だ。もしくは、助けに行かないとしたらグリーンを落として多方向から攻撃しようとしているか。」
「八方塞がりじゃない?それって」
「なーに、この国には、君以外にも強い戦士が居るじゃないか」
レッド帝国の軍事会議にて。
「グリーンの兵力は約8000、こちらの派遣した部隊は約5000だが、何が狙いなんだ?」
「あの部隊は半数が高レベルの前衛職。もう半数がデバフを得意とする魔法系。それを派遣した理由はまず一つ、敵を攪乱させやすく人数差を埋められるからだ。」
「確かにその組み合わせなら5000の兵も突破できそうですね」
「目的はそれだけではない。ブルーには優秀な兵が一人居るらしいな」
「先鋒部隊はその兵に全滅されたようだが。何か策があるのか?」
「奴をグリーンに誘き出すのだ。生半可な軍勢では我が国の舞台は倒せぬ。いずれは奴が来るだろう。そこを、デバフを重ね掛けして足止めする。」
「その間にブルーを攻め落とすって事か。成程、考えたな」
「既に転移魔法の準備と大量の兵を準備してある。これでブルーを火の海にしてやる。グリーンを攻め落とすのはその後でもよい。」
「どちらかを攻め落として残った方には兵力差で勝つということだな。上手くいけば大陸制覇も夢ではないぞ」
「ハハハ、ブルーの兵よ、一人の力では国は救えぬということを教えてやろう!」
転移魔法でグリーン共和国に移動したルードは、まず敵の全容を確認した。
「デバフ要員があんなに居るのか。面倒だが、全て凍らせてしまおうかな」
【ルードはTPを0消費し、ダイヤモンドダストを唱えた!】
【2500人の対象に平均2720ダメージ!】
「おっと、多少硬いみたいだな、しかも後衛には一時無敵魔法が掛けられてるのか。これは厄介に…」
「来た!奴の動きを封じろ!」
【魔導士たちは大魔法「地獄の鎖」を発動した!】
【ルードの敏捷性が99%ダウン!】
【ルードは移動系魔法を封印された!】
「やはり足止めが目的か…でも僕が居なくても国の方はハピが何とかしてくれるだろうし、じっくりと攻めていきますか…。」
「よう、あんたがうちの部隊を壊滅させたって奴かい。確かにレベルもステータスも段違いだな」
「ああ、あんな部隊一瞬で片づけてやったよ」
(あれはハピが一人でやった事だが、勘違いしてくれているなら有難いな)
「そうか。お前は殺さなくても足止めだけすればいいと言われているが、お前のような舐め腐った坊主は俺の気に障るんだ。お前を殺したら俺の昇級も夢じゃないだろうしな?」
「ほう、やれるものならやってみな…」
【《ゴン》Lv.112 HP51000/51000 TP14300/160000 AT7134 DF4322 MG1050】
(普段なら余裕で倒せる敵だ…だが今は猛烈なデバフがかかってる。攻撃回避は望めない…。それなら一撃で決める!)
【ルードはTPを0消費し、スノーボールアースを唱えた!】
「残念だな、それは俺には効かない。」
「何?」
【ゴンに0ダメージ! 51000/51000】
「本部から支給された魔法耐性の札、本来は時間稼ぎの補助用に支給された物で、持続時間はたった5分だが…動けない貴様を殴り倒すには十分な時間だろう?」
「くっ、魔法が効かないのか。それは厄介だな…」
「どうした、手詰まりか?」
【ゴンはTPを1000消費し、無限掌を発動した!】
【hitする度に追加攻撃が発生し、ダメージが増加します】
【ルードに3ダメージ! 125997/126000】
【ルードに12ダメージ! 125985/126000】
(敏捷性が下げられてるせいで攻撃を避けられない、)
【ルードに31ダメージ! 125954/126000】
【ルードに46ダメージ! 125908/126000】
(あまり手の内を明かしたくないけど…)
【ルードに66ダメージ! 125842/126000】
【ルードに80ダメージ! 125762/126000】
【ルードはTPを5消費し、カウンターを放った!】
【クリティカルヒット!】
【スキル・強固な意志 が発動! ダメージを4桁に抑えます】
【ゴンに9999ダメージ! 41001/51000】
「耐えられたか…というか、そんなスキルを持っていたのか」
【無限掌のhitが途切れました。効果を終了します】
「はぁっ…この小童がぁ!!」
「こういう敵には持続ダメージを与えるに限るな…」
【ルードはTPを0消費し、氷像形成を使った!】
【ゴンに750ダメージ! 40251/51000】
「何!?魔法ダメージは無効のはず…!」
【ゴンに750ダメージ! 39501/51000】
「これは魔法ダメージじゃなくて自然ダメージだよ。上を見てみろ。」
「何だあれは…氷の塊?」
【ゴンに1000ダメージ! 38501/51000】
【強力な光を直視したため、状態異常「視界不良」が発動します】
「ぐああ!目が!」
「あれは巨大なレンズの役割をしている。レンズで光を集めると…」
【ゴンに1250ダメージ! 37251/51000】
「熱が発生し…」
「うわぁぁぁ!」
【高熱にさらされたため、状態異常「火傷」が発動します】
【ゴンに2000ダメージ! 35251/51000】
【火傷により、追加で1500ダメージ! 33751/51000】
「その熱により持続的なダメージが発生する。」
【ゴンに4000ダメージ! 31251/51000】
【火傷により、追加で1500ダメージ! 29751/51000】
「レンズの焦点はこっちで調整出来るから、」
【ゴンに6500ダメージ! 23751/51000】
【火傷により、追加で1500ダメージ! 22251/51000】
「お前はもう、逃げられないんだよ」
「ああああああっ!」
【高熱に長時間さらされたため、状態異常「燃焼」が発動します】
【ゴンに9999ダメージ! 13752/51000】
【燃焼により、追加で9999ダメージ! 3753/51000】
【火傷の効果が燃焼により増幅します】
【火傷により、追加で7500ダメージ! 0/51000】
【4999/5000】
「隊長が…あんなに簡単に…」
「まだだ…動きを止め続けろ…!」
「今の敏捷性なら俺達でも時間は稼げる!」
「確かに…、これだけ敏捷性を下げられていてしかも、相手は魔法耐性が強いと来た。デバフが解除されるまでほぼなにも出来なさそうだな…」
(まぁ、僕だけをここに留めたところで…いや、待てよ?)
「あいつ、転移魔法使えないの忘れてた…」
(大賢者様も出張中だし、もしかしたら不味いかも…)
(ルードが居ないと転移魔法が使えないのでは…?)
ハピは焦っていた。幸い、国境に人の反応があると位置が通知されるようにはなっているのだが…。
「自力で行くしかない…」
その時、レッド帝国との国境に反応があった。その数約20000人。
「頼むから間に合って!」
【ハピはTPを12消費し、スピードスターを発動した!】
【一定時間、敏捷性が1000%上昇します】
【アーティファクト「星の力の石」の効果で、敏捷性が500%上昇します】
ハピは窓から飛び出した。
【スキル・歩行(最上級)により、空中と水上の歩行が可能になります。】
その空を駆ける姿は、まさに流星のようだった。
【敏捷性が限界突破しました。スキル・スターダストが発現します】
【スキル・スターダスト(最下級) 効果:敏捷性が通常の80%未満に下がらない。】




