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大賢者マーリンはクリスを連れ、妖精の里の近くまで来ていた。

「ここら辺でウロウロしていたら、あいつが来るはずじゃが…」

「彼に会うのは15年以上ぶりなんだ、少し緊張してきたな…」

「【破壊神】さんに【獣王】さんじゃないですか。もしかして、私に会いに来たんですか?」

「おお。そうじゃ。【聖天使】ルイス。折角クリスと再会したから、3人で話をする機会を作っておこうと思ってな。」

「久方ぶりだな、ルイス」

「随分と老けましたね、お二人とも?」

「お前はエルフだから寿命が長いが、私達は長くて160年程の命なんだ。そりゃあ、老けもするさ。」

「160年?わしは300年は生きるつもりじゃが?」

「確かに、貴方が死ぬ姿は想像もつかないです」




「この面子で居ると、あいつのことを思い出すな」

「ハルか。確かに…あいつは…」

「あの方に会いたいのですか?」

「!女王様、何故ここに…」

「旧勇者パーティの方が三人も揃っていたら、そりゃあ見に来たくもなるじゃない?」

「ハルに会えるのか?」

「私の力を使えば、死者の魂を一時的に呼び戻すことが出来るわ。いくつか制約があるけどね。」

「その制約とは何ですか?」

「まず、対象が既に輪廻転生していた場合呼び出しは不可能よ。でもあの方はまだ天界に居座っているわ、次の魔王が討伐されるまで見届けたいと言っているらしくて。もう一つ、流石に実体化は出来ないから、霊体の状態で呼び戻すことになるわ。あと、時間は私のTPが尽きるまでだけど、エルフ特製のTPポーションを5本持ってきたからそう簡単には時間切れにはならないはず。」

「女王様、私たちの為にTPポーションを5本も飲まれる気ですか?良薬は口に苦しの典型ともいえるあのポーションを…。」

「私ももう一度彼に会いたいのよ、だからこれは自分のためでもある」

「確かにそれなら…私も、ハルさんにもう一度会えたらと何度思っていたことか。女王様、頼みました」

「わしからも、よろしく頼む。」

「私からも!」

「よし、じゃあ、呼び出すわよ。」

【ローズは霊魂降ろしを使用した!】

【ハルの魂を現世に呼び出します】




「久しぶりだな、みんな」

「元気にしてたかしら?ハル…」

「お前、女王になったんだろ?それなのにこんな事してていいのか?」

「しょうがないじゃない、貴方は私の主人だったんだから…」

「ハル…謝っておくよ、あの時私が最後の一撃を入れるのが遅れたせいで…貴方が呪われて…」

「いや、あれはわしの聖域展開が途切れたせいじゃった…」

「あれは私の魔法で打ち消せるはずだったのです、それに失敗した私が悪いんです。」

「みんなのせいじゃないわ…私の神聖力でも跳ね返せなかったんだから…」

「ああ、それにあれは俺が状態異常耐性スキルを最上級にしていなかったからいけなかったんだ…みんなが気に病むことはないんだよ…」

「でも状態異常スキル最上級の達成条件は状態異常で一度に50000以上のダメージを受けることだから…ハルのステータスじゃあ、絶対無理だった。」

「おいおい、その話はもういいだろう?そんな話をするために俺を呼び出したのか?」

「私は別に、もう一度ハルに会いたいというだけで…このポーション、本当に滅茶苦茶不味いわね?」

「女王様、無理はなさらないように。」

「わしは一つ、話しておきたいことはあるわい。わしの弟子が勇者職に就いてな、この前、確か英雄ランクまで上がっていたんじゃ。」

「ほう、ついに現れたか。魔王が出現しないかしか気にしていなかったが、それなら魔王が現れてもなんとかなるんじゃないか?」

「いや、まだまだあいつは未熟じゃよ。最近までTPが2桁だったから高コストの技を殆ど習得出来ていない。更に言えば火属性以外での攻撃の火力がいまいち伸びないという点も挙げられるな。」

「そんなこと言って、お前の弟子なら、相当優秀なんだろう?」

「確かに…あいつ、ハピと、もう一人、魔導士のルードは、今まで保護した子らの中でもトップクラスの素質があるわい…」

「ハピさんはマリー様を見事手懐けましたからね、相当な実力者ですよ…」

「マリーがあれほど喜んでいる姿は今まで見たことも無かったわ、本当にあの子は強く、優しく、非の打ちどころがないわね?」

「ルード君は確か【悪獣王の左腕】と契約したらしい。全く、とんでもない子らだね」

「しかもあいつは自分でそれほどの高位の悪魔を召喚した。わしらには想像も出来ない強さに成長するかもしれんな…」

「私が負けた悪魔にも、あの子達はものともせず、立ち向かっていき、最終的には勝利を収めているんだから、大したものだよ…」

「お前が負けたってことは、さては、全方位攻撃を放たれて避けられなかったんだな?全く、俺が生きていたころに何度もその弱点は克服しておけと言ったのに…」

「私なりに努力はしたんだが…そう言われるとぐうの音も出ないな…。」

「それより、中々面白い子たちが居るんだね?魔王が生まれないか見張っているだけだと天界では退屈だったんだ。今度から彼らも見守ってみようかな?」

「それをお勧めする。きっと面白いものが見れるさ。」

「うっ、(にが)…これで最後のポーションだけど、みんな、言い残したことはない?」

「私はハルにもう一度会えただけで満足だよ」

「女王様、ありがとうございました。」

「それじゃあ、またいずれ呼び出すから…しばしお別れね?」

「俺から最後に一つ。脅威はいつどこから現れるか分からない。みんな、気張って生きろ!俺の分までな!じゃあな!」




「過去の業績…過去の栄光…そんなものより、今の楽しい時間がもっと続いてくれれば良かったのに、そう思ってしまうわ…。」

【固有スキル・成長の涙(最上級)が発動します。周囲一帯の草木の成長率が4900%上昇します】

「うう…彼を失ったのは…私のこれまで生きてきた中で一番の汚点…よ…最大にして…唯一のね…。」

「女王様が『選んだ』お方ですからね…あの人は、本当に凄かった。」

「わしらには…あいつしか居なかったのかもしれんな」

「私が目指した男…あいつは偉大だった」

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