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なんか今回、異様に長いです。

5000文字あります。

「と、言う訳で、TPが尽きたのをアーティファクトで補ったら、代償が物凄く大きくて30日以上行動不能に…」

「無茶しすぎなんだよ…」

「でも、問題点が分かったのはいいことでしょう?TPの最大値が少なすぎること。」

「でも以前より実質4倍なんだから、それでも改善した方な気がするけどな」

「今まで対多戦をしなかったから分からなかったけど、TPの量が全然足りないよ。」

「先代の英雄もTPの値を異常なほど伸ばしていた。わしもルードもTPが多いから出来る戦術を持っていたりするし、それをする度に何十日と寝込んでいたら流石に不味いじゃろう。だが、わしは一つ、改善に役立つ方法を知っている。」

「本当?国民のためにも、教えてほしいな」

「グリーンにある妖精の里じゃ。あそこにはTPや魔力について詳しいエルフや妖精が住んで居る。彼らに話を聞けば改善の糸口が見つかるかもしれん。」

「分かった、じゃあ早速行ってみるよ。善は急げと言うし。」

「ちょっと待て。あそこの住人達の一部は好戦的でしかも強い。更には魔法封じの結界まで使ってくる。生半可な覚悟で行った者が戻ってこなかったという事例がいくつもある。危険な場所じゃが、わしは一人信用できる奴を知って…」

「もう行っちゃいましたよ…」

「急がば回れという言葉を知らんのか!?」




「妖精の里、ここかな?」

森の中の開けた場所に来たハピは、周囲を見渡した。

「あそこ、空間を歪めてある。あそこの結界を破れれば入れそうなんだけど、手荒な真似はしたくないなぁ…」

ブツブツと呟きながら解決法を探すハピ。そこへ…

「おい、そこで何をしているんだ?」

「え?」

(気配を感じなかった、この人何者…?)

【《ルイス》 Lv177 HP56000/56000 TP122000/142000 AT400 DF4400 MG12700】

【固有スキル・善且つ聖(最上級) 効果:不完全な悪意を持つ者に対して1000倍のダメージを与えます】

(何それ?私は悪意を持ってないから大丈夫そうだけど、1000倍なんて余程のことがない限り即死じゃないの…?)

「侵略でもしに来たんですか?最近レッド帝国とかいう奴らが我が国を攻撃してきて困っていると聞きましたが、貴方もでしょうか?」

「いや、私は別に侵略しに来たわけじゃ…」

(なんか、名前に聞き覚えがある…)

「そんなわけが無いでしょう。貴女からとても強大な魔力を感じます。まるで魔王のような…いや、間違いなく魔王級の。侵略者じゃないというなら、これを喰らってみなさい。」

【ルイスはTPを2消費し、セイントを唱えた!】

「ちょ!?」

【ハピは寸前で回避した!】

「避けるということは、1000倍のダメージを怖がっているんですね?いいでしょう、私が貴女を粛正してあげましょう」

「ちょっと待って、話を…」

「貴女と話をする価値など無いです!」

【ルイスはTPを500消費し、シャイニングアローレインを放った!】

「ちょっと、こんなの喰らったら死んじゃうよ!」

【ハピはTPを7消費し、マジックガードを発動した!】

【4秒間、魔法ダメージを無効化します】

(ハァ、危ない…なんでこの人は攻撃してくるの?)

「そんな攻撃されたら、一撃で瀕死になっちゃうよ!ちょっと、ストップストップ」

「黙れ、汚らわしき人間!里には入れさせない!」

「せめて話を聞いてよ!」

【ルイスはTPを1200消費し、聖なる鉄槌を発動した!】

【ハピに79ダメージ! 1/80】

【スキル・鋼鉄の意志(最上級) により、HP1で生存します(3分で再使用可能)】

(一撃でこの威力、もう一発は喰らえない!しかも相手は明らかな格上…)

「スキルの効果ですか?それにしても、HPが80しかないなんて。」

「だから、1000倍だろうがそうじゃなかろうが一撃でアウトなんですってば」

「…」

「そっちがその気なら私も奥の手を出しますけど、どうしますか…」

「待て、そこまでじゃ」

「大賢者様!?いつの間に」

「?貴方はマーリン殿ではないですか。お久しぶりですね」

「え、知り合いなんですか?」

「前に言ったじゃろう?こいつはわしの元パーティメンバーの一人」

「ああ、【聖天使】さん?道理であり得ない強さだと思ったけど…」

「待って下さい、その方は知り合いなんですか?」

「ああ、弟子じゃ。というか、わしが育てた。」

「そうだったんですね、てっきりレッド軍の敵襲かと…相当な強い魔力を放っていたもので」

「お前も、もう少し話を聞いてから行動せんか。危うく殺されていた所ではないか」

「すいませんでした…」

「どうじゃルイス、折角再会したことじゃ、一杯どうかの…と言いたい所じゃが、今日は用があってここに来たんじゃ。」

「用とは、なんですか?」

「こいつのステータスじゃ。見ての通り、HPとTPが完全に欠けてしまっている。HPは兎も角TPが低いのは致命的じゃろう?そこで、この弱点を克服できる術を持っている妖精達に話をしようと思ってな」

「うーん、直ぐにYESとは言えませんね、里には基本的に部外者は立ち入れないので。」

「では、取引でどうだ?お主等も、レッドの侵攻に困っておるんじゃろう?それはこちらも同じじゃ。前回の侵攻はこいつがほぼ一人で食い止めたんじゃが、アーティファクトの効果でTPを限界以上に消費した代償として、30日以上寝込んでな…」

「待ってください、そのアーティファクトとは、もしかして妖精の指輪…?それを持っているのはブルーの王家のはず…」

「ああ、こいつは現・国王じゃからな」

「私は隣国の国王を危うく殺してしまうところだったのですか…」

「話を続けよう。じゃから、もうこいつに無茶をさせないよう、こいつの素のTPをなんとか底上げしてやって欲しい。代価として、有事には妖精の里、及びグリーン共和国に侵攻が来た時に、防衛に協力すると約束しよう。」

「まぁ。そういう取引なら応じますよ。私達もグリーンの商人との交易が生活に必須になっているので、例え私達だけ助かっても周りがレッドに乗っ取られたらおしまいです。取り敢えず、妖精女王の所へお連れします。」




「女王様、客人をお連れしました」

「状況は見てたから大体分かるわ。ルイスは、全くなんでこんなに好戦的なのかしら」

「すみません…敵襲かと思ったので…」

「まあいいわ。ところで貴女、TP増加の方法は三つあるのをご存じかしら?」

「いえ、知らないです。でも、一つはLvアップでしょうか?」

「その通り。貴女にはこれは無理ね。それで、あと二つなんだけど、まず一つはこの里で採れる特殊な作物を食べることね。継続して食べるとTPに倍率補正が掛かっていくんだけれど…」

「私のTPは元が低すぎて倍率を掛けても大して変わらないってことですね?」

「そう。だから必然的に最後の方法になるんだけど、これは失敗すると取返しがつかないかも…。」

「でも方法がそれしかないなら、やるしかないですよね?」

「そうね。最後の方法なんだけど、妖精と契約をして、力を分けてもらうという方法よ。でもこれには問題があって。契約は一生のモノなの。自分に合った妖精と契約を交わさないと、弱すぎて力にならなかったり、強すぎて逆に体が耐えられず死んでしまったりする。しかも、妖精の持つ能力はみなまちまちで、TPを増やす者もいればHPを代償に火力を大幅アップさせるなんていう尖った子もいる。」

「それでも、私はやりますよ」

「いい覚悟ね。実は、貴女にお勧め…というか、貴女にしか扱えなさそうな強力で尖った能力の子が居るの。」

「成程?どんな能力なんですか?」

「彼女は今、地下室で暮らしているの。地下室に行って、直接確かめてあげなさい。」




「地下室はこちらです。」

「地下室って…どちらかと言うと地下牢じゃ…?」

「彼女は、そこの魔封陣の中に居ますよ。ほら」

「誰?」

「貴女と契約を交わしたいって言う人間です。この方なら貴女の力を制御出来るかも知れない。」

「そう言って何人の人間が爆発四散してきたと思ってるの?もう私は諦めてるわ」

「爆発四散って、あなたどんな能力を付与するの…?」

「ここにメモしてあるけど、全部じゃないよ。」

【攻撃力上昇・20%】

【全攻撃に任意で火属性追加、火属性攻撃に追加するとダメージ100%上昇】

【TP最大値を99999に固定】

「何これ、あんた凄いじゃない!」

「その代わりの代償があるの。その先を読んでみて」

「えーと、なになに?」

【契約者が流れ込む魔力を制御出来なかった場合、魔力爆発が発生】

「なんだ、こんなもので私が死ぬと思っているの?そんな生半可な奴がここに案内されると思う?」

「引き下がってよ、もう私は誰も殺したくない。」

「いいや、貴女と契約する。絶対に。貴女もこのチャンスを逃したら後悔してもしきれないでしょう」

「くっ…確かに私だって一度くらい主人を持ってみたい…でも、今まで私の主になろうとした人間は、魔力爆発で粉々に…うっ…」

「大丈夫、それに私にはコレがあるし」

「それは、妖精の指輪!それは隣の国の王に預けたって言っていたはず…」

「私がその、隣の国の今の王なんだよ」

「成程ね、女王の加護まで貰っていると。なら、私も貴女に賭ける価値はありそうだわ?」

「そうと決まれば契約だけど…契約って具体的に何をすれば?」

「契約の儀式です。まあ、儀式と言っても妖精側が契約者に力を授けるだけですが」

「じゃあ早速行くわよ…って貴女、何て名前だったっけ?」

「ハピ。貴女は?」

「マリー。じゃあ、よろしくね」

「よろしく!」

次の瞬間、ハピの体内に異常な量のエネルギーが流れ込んできた。

「…!!」

「貴女の言葉は嘘じゃなかったみたいね。今までの人間は1秒も経たずに爆発を起こしていたけど、今回は違う!じゃあ、更に加速するわよ!」

「これは…流石に堪える…ね…」

(この力!凄い!全て吸収して私のものにしてやる!)

「でもまだ…行ける!」

【魔力を一定以上体内に貯めました。スキル・魔力制御が発現します】

「よーし!まだまだ行くよ!」

【魔力を一定以上体内に貯めました。スキル・魔力制御がランクアップします】

「今にも爆発しそうだけど…私は…」

(ルードや大賢者様、アレックスさんや、それにブルーの国民たちの為に、強くならなくちゃいけない!)

「マリーの魔力をここまで吸収して爆発しない人間は初めてだ…!」

「あの子は昔から魔力の扱いが上手くてな…3歳の頃にルードと喧嘩した時は家が危うく吹き飛ぶ勢いじゃった、結局はルードの氷魔法に押し負けていたが」

「そのルードって子はそういえば、来てないんでしょうか?」

「ルードには国の留守番を頼んでおる。わしらが居ない間もレッドが攻めてくるかもしれんからな」

「そうですか。貴方の弟子の一人と言うことは、さぞ強いんでしょうね」

「あいつもとんでもない素質じゃ…」

「お、終わったみたいですよ。」




「凄い、本当に全て吸収しきった…これで契約成立ね!」

「は、はは…もう力尽きる寸前だったよ…」

【《ハピ》Lv.1 HP80/80 TP80/99999 AT9597 DF7996 MG7993】

【状態異常・疲労 全ステータスが10%減衰し、敏捷性が20%減少します】

「ねえちょっと、試し打ちしてみてよ。私の与えた力がどれ程のモノか、知りたいでしょう?」

「疲労状態が解除されたらでいい?ちょっと今動いたら流石に力尽きそう…。」




「さて、一発かましてみますか…」

「貴女火属性が好きなんでしょう?私の能力と相性抜群ね!」

「そうだね…ここは火属性のアレで行きますか」

【ハピはTPを2消費し、炎剣生成を使った!】

【ハピはTPを5消費し、炎竜斬を放った!】

【契約:火属性付与 により、ダメージが100%上昇します】

【聖なる木人形に47ダメージ! 9953/10000】

「…?これしかダメージが入らないの?」

「これしか、って、この木人形に1ダメージ以外を与えたのは貴女達が初めてですよ…?女王様が防御魔法を何重にも重ねてかけてあるのに…。」

「私の力をしっかり制御出来てる!まさかこんな最高の主人に出会えるなんてぇ」

「マーリン殿、火力の面ではこれは私にも追いつけないレベルの凄まじさだと思いますよ…」

「ハハハ、そうじゃな。まあ、一国を守る王としてはこのくらい無いと困るじゃろう」

「マリーよ、良きパートナーを見つけたな。」

「はい!」

「じゃあ早速、帰って、ルードにこの力を見せつけてやろう…と言いたい所だけど、まずはグリーンの首相に話をつけてからだね。」

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