第7話 恋敵?
「今日もお客様がいっぱい。いいねぇ」
店長は店の外にずらりと並んでいる客を見て、今日も満足気だ。
サラが女性客専用のレディースデイを作りたいと店長に提案すると、店長は思いの外すんなり受け入れてくれた。月二回、第二水曜日と第四水曜日は女性客専用の日になった。
レディースデイは大評判で、普通の営業日同様に長い行列ができた。
最近では、鑑定屋の行列客をねらった露店なども近隣に出来始め、細い路地とは思えないほどの賑わいになってきた。
店長が「大通りに店舗を移そうかね……」と呟いていたので、サラは「私、来年にはいないんで、移さない方がいいですよ」と釘を刺した。
今日は月に二回のレディースデイだ。
サラを口説いてくる男どもがいないので、サラも店長と一緒に上機嫌だ。
「次の方、どうぞ」
サラは次のお客様を呼んだ。
入ってきたのは、オレンジ色の髪をポニーテールにした華奢な女の子だった。サラと同年代位だと思われる。腰に短い杖を刺しているので冒険者だろうか。心なしかサラを睨んでいる気がした。
サラは笑顔で対応した。
「いらっしゃい、どうぞこちらに座ってください」
女の子はどかっと椅子に腰掛け足を組んで座った。
「あなた、グスタフと付き合ってるの?」
「は?」
この女子は何を言ってるんだ?
「だから、グスタフと付き合っているのかって聞いてるの!」
「え…… 付き合ってないけど……」
私とグスタフは鑑定士と客の関係でしかない。どうして付き合っているなどということになったのだろうか……
「あの、状況が飲み込めないんだけど……」
するとオレンジ髪の女子はぽろぽろと涙を流し始めた。
あ……駄目だ……… この客は、面倒なタイプだ……
サラは頭が痛くなり、自分の額を押さえた。
オレンジ髪の女子は理由を話し出した。
「私、グスタフと一年以上パーティを組んでいるリリーよ。彼、私の話をあなたにしてないの?」
「全然……全く……」
初耳だった。あの変態が女子とパーティを組んでいたとは、青天の霹靂だ。リリーがグスタフに変なことされていないかサラは心配になった。
「私……こないだグスタフに告白したの……好きだから付き合って欲しいって……
でも、グスタフはあなたがいるから付き合えないって言ったのよぉ」
リリーの涙は止まらない。
あの男、変態なだけでは飽き足りず、こんな面倒を持ち込んでくるとは………
許せん! 出禁にしてやろうか……
「私はグスタフとは付き合ってないから…… もういい? もうちょっとで10分だよ? こんな事に4000イルは勿体ないよ」
「じゃあ、どうしたらグスタフが振り向いてくれるか教えて! あなたに相談すれば、なんでも解決してくれるんでしょ?」
「いや……そんな事は店のどこにも書いてないけど…… まぁ、でもそうだな……グスタフねぇ……
分からんけど、露出を増やしてリップの色を濃い目の色とかにすれば良いんじゃないかなぁ。あの男、そういうの好きでしょ」
「そうなの!?」
サラは頷いた。サラの知ってるグスタフはそういう男だ。
「リリーちゃんはかわいい系だからなぁ……奴の好みは何ていうか……強い系女子? そういうのだよ。服装も黒系がいいかもね。ポニーテールもかわいい感じが強くなるから、下ろしてみたら? 髪型急に変わると目に入ると思うよ」
「なるほど……」
10分を知らせるベルが鳴って、リリーは帰っていった。
二度と来るな……鑑定してないし……
サラはここではない、何処か遠くを眺めた。
いつもお世話になっております! ポムの狼です!
実は、このお話、某Web小説プラットフォームと商業契約の相談中の作品になってしましました……
よって、もしかしたら、ある日突然、なろうの世界から消える日が来るかもしれません。
一気に読みたい方はカクヨムに完結版を投稿済みですので、そちらをお読みくださいm(_ _)m
今なら、タダで読めます!(/・ω・)/
▽行列のできるスキル鑑定士(カクヨム完結版)
https://kakuyomu.jp/works/16818622177441284304




