第11話 残されたサラ
クリストフがいなくなってから、サラはもう一度二人からの手紙を読んだ。
サラへ
何も悲しむことはないんだよ。私は爺さんが亡くなってから、ずっと天からお迎えが来るのを待ってたんだ。優しいサラのことだから、またしくしく泣くんだろうね。沢山泣いてもいいから、しっかりご飯を食べて立ち直るんだよ。
サラが稼いだお金は退職金として渡そうと思って、私の部屋に取っておいてあるから、好きなように使いなさい。
サラが元気で楽しく過ごすことが私の望みだよ。天国で見てるからね。
パウラより
サラへ
サラ、今まで本当にありがとう。感謝してもしきれない思いでいっぱいだ。
サラは俺の人生を変えてくれた。親に言われて何となく始めた魔王軍の仕事。辛かったけど、辛いのに慣れてしまって家族や上官には相談できなかったんだ。サラに背中を押されて一歩踏み出すことができて本当によかった。
短い間だったけど、初めて友達ができて、初めて好きな人ができて、とても満ち足りた毎日だった。
もうサラに会えないことを想像すると、すごく寂しいけど、サラが幸せに笑って過ごしてくれればいいと思う。元気でね。
ブルームトより
サラは天井を眺めた。何も考えたくなかった。ただ無気力に時間だけが流れた。
程なくして、アルマが様子を見に来てくれた。恐らく、クリストフが呼んでくれたのだろう。
アルマは何も言わずに、サラの隣に座ってサラを抱きしめた。




