第6話 啜り泣く箱
サラは部屋の端から順番に鑑定を始めた。宝物庫のお宝を順番に見ていき、浮かび上がってくるお宝の情報を鑑定書に書き込んでいく。
出来上がった鑑定書はゲルタに渡した。昼頃には宝物庫の半分程の鑑定が完了した。
「サラ様、昼食の用意をしていますので移動しましょう」とゲルタ。
ちょうどお腹が空いていたサラはありがたく昼食をいただく事にした。
ゲルタが案内してくれたのは、窓から庭が見える応接室だった。
サラが座っていると、豪華なアフタヌーンティーセットが運ばれてきた。
一人では食べ切れないな……
ふと、ゲルタは昼食を食べるのかが気になったサラはゲルタに声をかけた。
「ゲルタさん、良ければ一緒に食べてくれませんか? 私一人では余してしまいそうだし、一緒食べた方が美味しいですから」
サラの言葉にゲルタの目が輝いた。
「お気遣いありがとうございます! では、お言葉に甘えて」
ゲルタはサラの向いの席に座った。
サラは食事をしながら、ゲルタと話をした。
なんでも、ゲルタはイーツ王国の地方貴族の生まれらしく、その家の五女なんだとか。奉公に出されて、今はこの屋敷で働いているらしい。
「サラ様も、所作が美しいですが、もしかして貴族の生まれなのではないですか?」とゲルタは聞いてきた。
サラは本当の事を言うべきかかなり悩んだが、後で嘘をついていることがバレて問題になるのではないかと不安になり、濁しながら本当の事を言った。
「実は、隣国のフラン王国の出身で、元貴族なんです。色々あって、イーツに引っ越して来たんです」
「そうだったのですね!」
ゲルタはサラの詮索して欲しくない気持ちを察してくれたのか、それ以上聞いてくることは無かった。
* * *
食事が終わるとサラは午後からの作業を開始した。
午前中に鑑定が終わった次の品から、また順番に作業した。
夕方近くなり、宝物庫の隅の最後の品まで到達したサラは最後の品の鑑定結果に驚いた。
なんじゃこりゃ……
アイテム名︰啜り泣く箱
特徴︰夜になると泣く
「ゲルタさん………この箱……」
サラの反応を見たゲルタは両手を合わせて喜んだ。
「気がついて頂けて良かったです! 実はこの箱について調べて欲しくて依頼をお願いしたのでございます!」
「ほんとに夜泣くんですか? どんな感じに?」
ゲルタはゲルタが実際に体験した話を語り始めた。




