第4話 イーツ兵
貴族の家族の接客が終わったサラは兵士の団体の対応をしているアイヘルの応援に入った。後ろにいた他の兵士とは少しだけ制服が違う兵士に話しかけた。20代後半位だろうか、ベテランの風格があった。
「お客様、もしよろしければ私がご案内いたします」
サラに話しかけられた兵士は驚いた顔をした。
「君はアルバイトかな? 初めて見る顔だね。
はじめまして、魔獣隊の隊長をしているラインハルトだ」
「隊長さんでしたか! 初めまして、本日だけの助っ人で参りましたサラと申します。普段はイーツの街で鑑定屋をしています。人でも物でも魔獣でも鑑定致しますので、鑑定が必要な事がありましたら、ご指名くださいませ」
サラはもちろん本業の宣伝も忘れない。
「鑑定屋……噂で聞いたことあるよ。今すごい行列になってる所だろ?」
「ありがとうございます。おかげさまで、繁盛させていただいております」
「俺の魔獣はいるから、新人たちの魔獣を見繕ってくれないか?
おい! こちらの鑑定士さんも案内してくれるらしいぞ」
ラインハルトの声で数人の兵士がサラの所に集まってきた。
「それでは私がご案内させていただきます」
*
「いやぁ、助かったよ! サラ!」
一通り客を捌いて、時間は夕方になっていた。
「お役に立てて良かった。新規顧客も獲得できそうなので私もラッキーだったよ」
商談後にサラに声をかけてきた兵士には鑑定屋に来るようにサラは宣伝した。
「貴族のお客様にも沢山売ってくれて助かったよ。いつも見るだけで買わないお客様も多いからさ。
約束通り、ボーナスだ」
アイヘルは売り上げが入っている金庫からイーツ紙幣をかなり沢山サラに持たせてくれた。
「ありがとうございます!!」
サラはありがたく貰った紙幣をポケットにしまった。
この収入は店長には黙っておこう……
「来年行商に来た時もまたサラに助っ人頼むからな」
アイヘルは笑顔で、来年の再会を約束してくれた。




