第2話 気前がいい上司
「おぉ……沢山いる」
サラは沢山の魔獣を見て感嘆の声をあげた。
サラは街の外の草原まで連れてこられていた。
草原にはテントが張ってあり、その周りを囲むように木製の杭が何本も打たれている。そこに沢山の魔獣が繋がれていた。鳥のような生き物は金属製の鳥籠に入れられて並べてあった。
「凄いだろ? 俺が世界中から集めてきた魔獣なんだ。しっかり人慣れさせているから、襲ってきたり逃げ出したりすることは無いんだけど、繋いでおかないと嫌がる人がいるから、こうしてるんだ」
「へぇ……色々気遣うことが必要なんだね。どんな人が買いに来るの?」とサラ。
「一番の御得意先はイーツ軍だ。魔獣は大きな戦力になるし、大型の魔獣だと騎乗ができるから移動にも便利なんだ。馬との違いは馬より知能が高いから、命令すると魔獣だけでも任務をこなすことができる。
あとは物好きな貴族がペットにするために小型の魔獣を買っていくよ」
「なるほど、割かし富裕層向けの商売な訳ね。どうりで気前がいいと思った」
サラは先ほどの鑑定屋での出来事を思い出しながら言った。
「そう言うことだ。
サラにやってもらいたい仕事は顧客と魔獣のマッチングを手伝ってほしい。いつもは一人でやってるんだが、今年はイーツ軍が大量に買いたいと言ってきていてさ。一人じゃ手が回らなそうなんだ。」
サラは持ってきた手帳にメモを取りながらアイヘルの話を聞いた。
「人にも性格や特性があるように、魔獣にも性格や特性がある。顧客のニーズをヒアリングして、それに合った魔獣をこちらから提案するんだ。できそうか?」
サラは頷いた。
「最近は、恋愛相談とか相性相談とか、そう言う案件も多かったから、役に立てると思うよ。
顧客と魔獣でベストカップルを作ればいいんでしょ?」
アイヘルは満足そうな笑みを浮かべた。
「そうだ。サラに頼んで良かったよ。期待してるよ。サラの売り上げが良かったら、プラスでボーナスをつけるから頑張ってくれ」
なんて、気前がいい上司なんだ!
サラはどこかの違う上司とアイヘルを比べた。
「分かった! 頑張るね! 魔獣を見ておいて、特性をメモしてくるよ」




