第16話 サラの変化
あれからサラは変わった。
店長に許可されたので、顔を隠すベールをやめた。メイクも前のような濃い化粧はやめて、本来のサラの顔が分かるナチュラルメイクに変えた。
客への態度も今までの横柄な態度から、真摯な態度へと変えた。苦手な客にも笑顔で接客するようになった。最初は客もサラの変化に驚いていたが、受けは上々でサラの常連客は更に増えた。
あんなに頑なだった店長もサラの変化に考えが変わったのか、時給を上げてくれた。1500イルだった時給が2500イルまで上がった。ただし、サラの鑑定料も4000イルから5000イルまで上がった。
もうひとつ大きな変化といえば、サラは料理をするようになった。鑑定屋から出なくなったサラは、常連客の一人だった商人に食料品や生活消耗品の全てを鑑定屋まで配達してもらうことにしたのだ。
寝る前に小麦粉をこねて、朝にはパンを焼いた。晩ごはんも自分と店長の二人分の食事を作った。
実家にいた時に料理は使用人たちと一緒に作っていたので、困ることなく作ることができた。
サラは毎日忙しく働いた。以前はあんなに嫌がっていた時間外労働も、客がいる限り進んでするようになった。
常に何かをしていると、考え事をしなくていいのでサラは仕事に家事に勤しんだ。
ブルームトはあれ以来サラに会いに来ることは無かった。
サラはブルームトがあれからどうしているのか気になったが考えないように努めた。




