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行列のできるスキル鑑定士  作者: ポムの狼


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第11話 案内という名のデート

 ブルームトと約束した日の朝。サラはいつものパンと牛乳だけの朝ごはんを食べてから、いそいそと準備を始めた。


 アルマが選んでくれた今日のコーディネートは、トップスが白のTシャツにグレーのキャミソールを重ねた物で、ボトムスはシンプルなパンツスタイルだ。いつものボロじゃない服を着たサラを見て、店長は食べていたパンをぽとりと落とした。


「サラ、今日はどこか行くのかい?」


「うん、ちょっとね」

「まさか、男じゃないだろうね!」


「え? そうだけど?」


「どこのどいつだい!? うちは恋愛禁止だよ! 客が減る!」


 店長はまた勝手な事を言った。


「じゃあ、来年契約更新することがあれば、交渉に応じようかな?」とサラはニヤリとしながら返した。


 店長の悔しそうな顔を見ると、サラは気分が良かった。


 たまにはこういうのも悪くない。


 サラはニ階から素早く駆け下りて、一階の店舗入口から外に出た。




 店から近い公園が待ち合わせ場所だったので向かうとブルームトはもうベンチに座って待っていた。いつもの黒いコートを着て、腰には剣を下げていた。


「ごめん、待たせちゃったね」


 サラは走ったので、少し息が切れている。

 サラを見て、ブルームトは少し顔を赤くして、目を反らした。


「待ってないよ。さっきついたところ…… 今日はまた雰囲気が違うね。似合ってる……」


「ありがとう、うれしい! アルマが選んでくれたんだよ!」


 サラはアルマコーデを褒められて純粋に嬉しかった。


「冒険者ギルドはこっちだよ。行こう」




* * *




 冒険者ギルドのすぐ近くまで着くと、サラはぴたりと止まる。


「あの大きな建物が冒険者ギルドだよ」


 サラは指を指してブルームトに冒険者ギルドの建物を教えた。


「サラは行かないの?」とブルームト。


「うーーん……お客さんに会いたくないから」


「分かった。じゃあ冒険者登録もしようと思ってたけど、それは今度にするよ。場所教えてくれたお礼させてほしいから、どこか入ろう」


「じゃあ、行ってみたいところあるんだけど、いい?」


「いいよ、行こう」



 二人で並んで歩き出すとちょうどすれ違った人物に声をかけられた。


「あれ……もしかして、サラ?」


 サラはドキッとして、その人物を見た。クリストフだった。サラとブルームトを交互に見て、驚いた顔をしている。


「あ……クリストフ」


「やっぱりサラだ…… 声が似てると思ったんだよ…… メイクが違うから、分からなかった…… サラ、その人彼氏? 冒険者?」


「彼氏じゃないよ」とサラ。


 クリストフはほっと胸をなで下ろした。


「彼氏じゃないけど、デート中だから、悪いな」


 ブルームトは急にサラの肩を抱いて歩き出した。


 サラはおどおどした。クリストフも開いた口がふさがらないようだった。


「これ、デートだったの?」とサラは小さな声でブルームトに聞いた。


「そうだよ……」


 ブルームトは顔を赤らめて明後日の方向を見た。



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