第10話 ショッピング
次の日の朝、アルマは鑑定屋までサラを迎えに来てくれた。
「ちょっと、頭痛い……」
店から出てきたサラは頭を押さえていた。
「サラ、お酒弱かったんだね…… 次からは出し過ぎないようにするよ」
アルマの案内で、サラは街を歩いた。サラはこの街に来てからは仕事仕事の毎日で、実はあまり散策したことが無かったので、新鮮だった。
アルマが連れてきてくれたのは古着屋だった。
「サラ、貯金の話をよくするから、安い方がいいと思って古着屋にしたよ。古着は苦手じゃないかい?」とアルマ。
「全然大丈夫! 色々考えてくれてありがとう」
サラはアルマの細かな気遣いに感動した。
店に入ると古着独特の匂いがした。サラは実家では使用人からお下がりを貰って暮らしていたので、自分で服を選んだことがなかった。
「アルマ…… どれにすればいいか分からない」とサラが答えるとアルマは目を輝かせて喜んだ。
「私が選んで良いのかい? 任せな!」
アルマはせっせと何枚か服を選び持ってきた。
「服は試着しないと似合うか分からないから、必ず試着して買うんだよ」とアルマはサラに教えてくれた。
アルマは古着屋の店長に声をかけ、試着室を借りてくれた。
「もしかしたら、二回目のデートのお誘いもあるかもしれないから、何パターンか用意しよう」とアルマは、あるかどうかも分からない二回目のことまで想定し始めた。
「だから、デートじゃないってば」とサラは言ったが、アルマは服を選ぶのに夢中で全然聞いていない。
「ひとまず、このコーデで着てみて」
アルマはフレンチスリーブのリブニットとロング丈の綿麻スカートを持ってきた。サラは言われるがままに着替えた。
サラは試着室のカーテンを開けて、アルマに見てもらった。
「……前から思ってたけど、サラって胸デカいよね。リブ素材だと体のラインを拾い過ぎちゃって、無駄にエロいな」
「ん?悪口かな?」
「馬鹿だね、褒めてんだよ。そうだね、初回デートにはちょっと合わないかな……
でも、似合ってるから、これは三回目のデートで着なさい」
「そんなに行かないと思うけど」
「行くんだよ! 絶対だよ! そう言う話にならなかったら、私が勝手にセッティングしてでも行かせるから!」
アルマは変なスイッチが入っているようで楽しそうだ。アルマが楽しそうだとサラも嬉しいので、大人しく言う事を聞く事にした。
結局、色々試着して、三組のコーデと少しだけ高さのあるヒールで歩きやすそうなサンダルを購入した。アルマは満足してくれたようで、上機嫌だった。
「アルマ、あそこにレモネード売ってるみたいだからご馳走させて。今日服を選んでくれたお礼」
サラはレモネードを二つ買い、一つをアルマにご馳走した。




