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行列のできるスキル鑑定士  作者: ポムの狼


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第9話 店長は元女勇者

「あはははは!」


 今日あった出来事をアルマの店で話したら、アルマは大きな声で笑った。


「そりゃあ元締の息子が馬鹿だったね。なんたってパウラは元冒険者で元女勇者だから。爺さんや他の仲間たちと一緒に魔王軍も退けて、大陸一強いって言われていた時期もあるんだよ! パウラが生きてる間は魔王軍もイーツに手を出さないって噂さ」


 サラは飲んでいたエールが変な所に入ってむせた。


 店長が元女勇者だなんて、知らなかった……


「なんで今は鑑定屋なんかしてるの? あんだけ強かったら冒険者ギルドでも仕事ありそうだけど……」


「噂だけど、魔王と戦った時に大怪我して、引退したって話らしいよ。ほら、パウラは子供がいないだろ? その時の後遺症のせいらしいよ。気の毒だよね」


「そうなんだね……」


 サラはちびちびとエールを飲んだ。


 正直、今のパウラは正義の味方と言うよりは、悪の親玉といったイメージだが、パウラにそんな過去があったとは……


 でも、だからと言ってサラは今の店長を許す気にはなれなかった。


 人は変わってしまうんだな……




 サラがエールをちびちびと飲んでいると、店の扉が開いてブルームトが入ってきた。

 ブルームトはサラの顔を見て爽やかな笑顔を返した。


「サラ、久しぶり」


「あれぇ、ブルームトじゃん。久しぶり」


 サラは少し酔っ払っている。


「あんたたち、いつの間に仲良くなったんだい?」


 アルマは驚いた顔をして二人を見た。


「前に店に来てくれたんだよ」


 サラの男嫌いを知っているアルマはそれでも不思議そうにしていた。


「隣、いいかな?」

 

 ブルームトはサラに聞いた。


「いいよ」


 サラの返事を聞いてブルームトはサラの隣の席に座った。


「サラのおかげで決心がついて、前の仕事辞めたんだ。今日、この街に引っ越して来たんだ」


「ふーん」


 サラはエールを飲みながら適当な相槌を打った。


「冒険者でもしようかと思うんだけど、この街大きいからギルドの場所が分からなくてさ。今度、サラの休みの日でいいから案内して欲しいな」


「うーん…… 近くまでならいいよ。明日お休みだから、じゃあ明日ね」


「ちょっと待った!」


 アルマがサラを止めた。


「ブルームト、悪いけどサラ酔っぱってるみたいだ。その日は私と先に約束していたから、案内は、次の次の休みの日でいいかい?」


「俺はそれでも構わない」


「オッケー、そしたらサラを送っていくから、これでも飲んで待ってておくれ!」


 アルマはブルームトにエールを出すとサラを店から連れ出した。





「明日約束なんかしてたっけ?」


 帰り道にサラはアルマに聞いた。


「サラは普段着は、今着てるのしか持ってないだろ。それしか着ているのを見たことがない」とアルマはサラに確認するように聞いた。


「そうだよ」


「じゃあ駄目だ! だってブルームトとデートだろ! そんな裾のほつれた服で行くことを私は許さないよ!」


 アルマの言い分にサラは笑った。


「そんな、デートだなんて――ただの道案内でしょ?」


 大げさだな――とサラは思ったが、アルマは譲らなかった。


「馬鹿!駄目!絶対に駄目! とにかく、明日は私と買い物に行くよ! いいね?」


「……分かった」


 サラはなぜアルマがこんな事を言い出したのかよく分からなかったが、アルマの勢いに押されて同意した。



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