1/13
プロローグ
どうして、こんな事になってしまったのか……
真夏の暑い日の朝。空気だけでなく、街の石畳も強い日差しで温められ、外はゆらゆらと揺らいで見えた。街の大通りから一本だけ入った細い路地に長い行列が出来ていた。皆、少しでも暑さを凌ごうと建物の軒下に入っているが、並ぶのを止めて帰る気はないらしい。
一階が店舗で、二階の通りに面している部屋がサラの部屋だった。自室の窓から、こっそり外の行列を見てサラは肩を落とした。
今日も馬車馬の如く働かされそうだ……
部屋の外からフライパンを叩く音が聞こえた。
「サラ!! いつまで寝てるんだい!! 客が外で待ってるから、さっさと支度して店に出な!!」
サラは聞き慣れた店長(サラは心の中でクソババと呼んでいる)の声を聞いて、舌打ちをした。開店時間にはまだ一時間もあるのに、店長はサラを店に出して早く店を開ける気らしい。
「……はーーい! 今行きます!」
サラは肩にかかる位の長さの亜麻色の髪をワシャワシャと手で掻いた。




