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第48話 転生王子、神龍と会話する ※くれぐれも丁寧にですよぉ(女神)

「なんで?」


「なんでもクソもないです! 「女神Go!」とかそんなネタしている場合じゃないからですぅうう!」


 その麗しい顔を真っ赤にして、プンプン文句を言う女神。


「そんなにヤバイ龍なのか? 女神の方が強いだろ?」


「ヤバいどころの話ではありません! 神龍さまは、龍のお姿をした神ですから! 怒らせたらここら辺の山とか消し飛びますから!」


 女神がまくしたてるように叫ぶ。


 へぇ~~神龍ねぇ。


 じぃ~~っと見てみる。


 ぱっと見は、日本の龍に似ているな。

 白銀に輝く鱗は陽光を反射し、天と地を繋ぐかのように長い胴体。まるで雲が寄り集まったかのようなたてがみに、黄金の瞳がこちらを見据えていた。



「なるほど、まあ凄そうだな」



「凄そうじゃないです! 凄いんです!」


 相変わらず女神が脇でワーワー騒いでいる。


 たしかに強そうだ。戦闘ポーションを何本飲んでも勝てそうにないな。

 ってまてよ。そんな凄い龍なら、話せるんじゃないのか。


「言葉は通じるんだよな?」


「ええぇ、もちろんですよ。神龍さまは、ありとあらゆる言語に精通されてますから」


「なるほど……では話してみるか」


 ぶっちゃけ、はじめっからこの龍に殺気は感じられない。


 大丈夫だろう。


「と、とにかく丁重にですよ。言葉を慎重に選んでくださいね。クレイさん」


 分かってるよ。心配性な女神だな。



「おい、神龍」



「いきなりの呼び捨てぇええきたぁあああ!」


「そちらのスリープフラワーさまを、ひとつくれ」

「完全に逆ぅううう! 素材敬ってどうすんですかぁあああ!」


「え、ダメなのか女神?」

「わたしは女神でいいですけど、その方は神龍さまとよんでくださいっ!!」


 なんだそれ。


 俺たちのやり取りを見ていた神龍の大きな口が、少しずつ開いていく。


「ひゃああああ! 完全に怒らせたぁ! たぶんブレス的なものくるぅう! わたし滅びちゃうううう!」


「なに焦ってんだ。そんな情緒不安定じゃ、女神試験うまくいかないぞ」

「クレイさんがその原因つくってるんですよぉ!?」


 しかし、女神がビビるブレス的なものはこなかった。

 変わりにじいさま口調の声が、俺たちの耳に入ってくる。


「ほっほっほっ……実に面白いではないか」

「し、神龍さま……?」


「あ、まともな言葉はなせるじゃないか」


「しぃ~~~~! クレイさん、不敬ですよぉ!」


「よいよい。そなたはたしか知恵の神の子だったかのぅ」

「は、はひぃ~~そうでございますです! 神龍さま!」


 んん? 知恵の女神だと?


「なんですか?クレイさん。ウソだぁって顔に出てますよ、プン!」

「ええぇ……ウソだろ」

「わぁ~~ん、口に出して言ったぁ! わたし知識の固まりなのにぃ! いっぱい勉強しているのにぃ!」


「ほほほ、そなたらのやり取りは聞いてて飽きぬな、下界でいう漫才?だったかのう」

「ふはぁ! わたし神龍さまのまえで……お怒りですよね……」


「ふむ、クレイだったか? さすがにワシを無視する奴は久しぶりでな。すこしカチンときたので吠えてみたんじゃ」

「いやぁ~~ここの素材が素晴らしすぎてな。悪かったよ」

「まあ良いわ。久しぶりにまともな会話が楽しめてるわい。にしてもクレイはポーションのことしか頭にないようじゃの」


「あわわわ……クレイさん、もう友達感覚で会話しちゃってるぅう……」


 女神よ、あわあわしなくても大丈夫だぞ。


 この龍、言葉からも殺気のさの字も出てない。


「なあ、ところで聞きたいんだが」

「なんじゃクレイ」


「このスリープフラワーだが、なんでこんなにデカいんだ?」


「ふむ……あまり深く考えたことはなかったのう。おそらくじゃが……」


 神龍が長い胴体をこちらに寄せてきた。


「ふわぁ~~神龍さまの鱗きれい……」


 女神がうっとりとした目で神龍の鱗を眺めている。たしかにひとつひとつの鱗は水晶のように綺麗で、眩く輝きを放っているな。


「この光をたくさん浴びているからじゃろうて」


「おおぉ……ってことは、この光は素材をランクアップさせることができるってことか!!」


「ふむ。そうかもしれんな」


 これは凄いぞ! 


 大きさだけでなく効果もランクアップされているぽいし!


「あ、嫌な予感がしてきました」


 女神がジト目を向けてきた。

 嫌な予感? 何を言ってんるんだ? 素晴らしいワクワクしか発生しないだろ。



 ではさっそく……



「んん? なにしとるんじゃ? おぬし」


「こらぁ~~クレイさん! ポーチから素材出しまくって、神龍さまの周りに置くのやめなさい!」


「ええぇ~まだ半分も出してないぞ!」


「ええぇ~じゃありませんよ! まったくもう~」


 こんなやり取りをしつつも、神龍はスリープフラワーの採取を許可してくれた。


 なんと取り放題! 太っ腹だぜ!


「ヒャッほ~! 宝の山だぁああ!」


「ああ……神龍さまぁ、取り放題とか言ったらクレイさんがぁ……」


「ほっほっ、心配するでない女神よ」


「神龍さまぁ、クレイさんの狂いっぷりは凄いんですよぉ」


「なにを言うとる。ここにどれだけ咲いておると思ってるのじゃ――――――って! 

 なんか一瞬で、はげ山になってるんじゃが!?」



 なぜか俺は神龍にちょっと怒られた。



 そして、素材を全て揃えた俺たちは、お目当てのポーションを作成することができた。


【|ポーション(女神鎮静)《ゴッデスどうどう》】だ。


「ふぁああ~~ポーション名は異議ありですが、やっぱりクレイさんのポーションは超美味しいですね!」


「よし、じゃあ試験頑張ってくれよ」


「はい、ぜったいに女神の座はゆずりません!」


「ところで試験はいつやるんだ? 本番用のポーションを渡しておくけど、試験直前に飲むんだぞ」

「わぁ~い。ありがとうございます。えっと試験はこの紙に書いてあった……」


 ガタガタと震え始める女神。なんか汗が凄い量で出始めてるけど。


「おい、顔面真っ青だけど大丈夫なのか?」


「えっと、試験は今日でした……」


 マジかよ……


「時間はどうなんだ? 間に合うのか?」


「ふぇええ~~ん。開始まであと1時間ですぅ~~どう考えても間に合わないですぅ~~」


「たく……しょうがないな。ほら!」


 俺はポーチから戦闘ポーションを出してクッと飲み干した。

 そして女神の前に来てスッとしゃがむ。


「え? なんですか? クレイさん」


「背中にのれ。試験会場までおぶって行ってやる」


 戦闘ポーションで身体強化した脚力で、全力疾走すればなんとかなるだろ。


「ほっほっほっ、仲睦まじいのう」


 神龍が何か勘違いしているようだ。

 さすがに女神といえど乙女だから、俺の背中は嫌かもしれんが……


「やた~~~~!!!」


 なんの躊躇も無く、がっしりとしがみついてきた。

 そこそこな膨らみをグイグイ押し付けて。


「じゃあ飛ばすからな。しっかりつかまってろよ」

「は~~い♡」


 俺たちは神龍に別れを告げ、女神をおぶって試験会場に突っ走っていくのであった。




 ◇◇◇




「じゃ、頑張ってな」

「はい、クレイさん! 本当にありがとうございました~♪」


 俺の作ったポーションと合格祈願のお守りを大量にもって、女神は試験会場へと消えていった。



 さて……俺も……



 周りの風景が、ぐにゃりと変わっていく。


 目が覚めた。知ってる天井だ。

 天界からこっちの世界に戻ってきたようだ。


 そして俺の顔面に艶やかな太ももが。


 ラーナの足だった。よくもまあ毎日飽きずに脳天かかと落としできるな……


 太ももをのけて、腹の上にしがみついているロリっ子メイドのリタをずらして。足に絡まっているフェルをどかせて。

 んん? ユリカとエトラシアはいないか。


 取り敢えず起床した俺は、庭に出る。


 結果はなんとなく分かっているが、一応確認だ。


 さあ―――いくぜぇ!


「ファイヤボールぅううう!」

「ウインドカッタぁあああ!」


 広い庭に俺の声がむなしく響いただけだった。


 やっぱりチート魔力はつけ忘れていた……


 そこへ、うしろから人の気配が。


 朝食の準備をしていたユリカと、朝練後らしく、タオルを首にかけたエトラシアだ。


「クレイ殿、意外に子供っぽいことするんだな」

「クレイ様、かわいい……フフ」


 エトラシアとユリカにくすりと笑われてしまった。



 というかあの女神、俺に魔力をつける気ないな。




【読者のみなさまへ】


第48話まで読んで頂きありがとうございます!

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※本作はカクヨムにて先行公開中です。


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