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ことだまくんと笑顔のまち

作者: 樹 颯人

穏やかな小さな世界に、「ことだまくん」という名前の人魂が住んでいました。ことだまくんは特別な力を持っており、人々が発する言葉を現実にすることができました。


ある日、町の人々が「豊作になりますように」と願ったとき、ことだまくんの力でその言葉は具現化し、立派な作物が一面に広がりました。「子供たちが元気に遊べますように」という言葉も、町の子供たちが元気に遊ぶ姿に変わりました。


ことだまくんの力により、言葉の真意が直接見えるようになり、誤解や争いが減り、みんなが喜びと感謝で溢れる平和な暮らしを送ることができました。ことだまくんは、自分の力が人々に喜びをもたらすことに幸せを感じていました。


しかし、ことだまくんの力は善意の言葉だけでなく、人々が思わず口にした悲しい言葉や怒りの言葉も形にすることができました。これが悲しい出来事を引き起こすことになります。


ある日、町で大きな祭りが開かれ、皆が楽しげに賑わっていました。その中で、ことだまくんはある少年がさまざまなゲームに挑戦する様子を見ていました。少年は何度も失敗し、悔しそうに「もうダメだ」とつぶやきました。


その瞬間、ことだまくんの前に「もうダメだ」という言葉が具現化しました。その言葉は暗く重く、少年の心を打ちました。ことだまくんは初めて、自分の力が人々に悲しい思いをもたらすことに気付いたのです。


ことだまくんは少年の横に行き、彼を励ましたり、笑顔を取り戻す手助けをしました。しかし、自分が具現化した言葉の重さに彼は深く悲しんでしまいました。それからというもの、ことだまくんは人々が発する言葉に敏感になり、悲しい言葉が出ないようにと願い続けました。


それからのことだまくんは、人々が悲しいことや怒ったことを言おうとする前に、それを優しい言葉や幸せな言葉に変えるために一生懸命努力しました。


その結果、町の人々は自分たちの言葉の力を理解し、より優しい言葉や幸せな言葉を使うようになりました。ことだまくんの力で現れるのは、今では愛と喜びと感謝の言葉ばかりになり、町は前よりもさらに明るく、暖かく、幸せに溢れる場所となりました。


ことだまくんは自分の力が町を幸せにするのを見て、自分自身も幸せを感じることができました。


これが、ことだまくんと笑顔のまちの物語の結末です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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