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31 今だからこそ、街巡りその1~遊園地へ行こう~

「折角の休みだし、街巡りしようか」


 新たな追手との戦いの翌日、起床して風呂に入り、朝食を摂っているとアイリスが提案してきた。

 昨日の疲れが未だに取れていないが、今までの記憶を遡ってもガイアブルク城下町を巡った事はない。

 西地区の近場の所しか行き来していないので、確かに街巡りするなら今だろう。


「それ、いいね。 昨日の疲れがまだ残ってるけど城下町自体、西地区の近場しか知らないしね」


 ひなたもアイリスの提案に賛成した。

 俺自身も街巡りするなら問題はない体調だからな。


「そうと決まれば早速準備しようよ。 定期馬車の永続パスだってお兄ちゃんやお姉ちゃんの分もあるしね」


「永続パス?」


「利用者が死ぬか、国外へ引っ越すまで永久に使える定期券みたいなものだよ。 定期馬車自体は230リル均一だけどね」


 そんなものがあるのか。

 しかし、よく俺やひなたの分も用意できたものだなぁ。

 と、そんな事考えながら俺たちは街巡りのために準備を始めた。



◇◇◇◇◇



「お待たせ、暁斗君」


「せっかくの街巡りだからおめかししてきたよ」


 先に準備を終えて玄関前に待っていた俺は後から現れた二人の衣装に目を奪われた。

 

(か、可愛い……!)


 ひなたは黄色のフリルブラウスにフリルスカート。

 アイリスはひなたと同じスタイルだが色が違い、こちらは水色だ。

 スカートの方は少し短めのようだ。

 ともかく、俺は二人の可愛らしい姿に釘付けになったのだ。


「どうしたのー、お兄ちゃん?」


「あ、いや、二人とも似合ってて……可愛さに目を奪われちゃってな」


「あはは、真っ向から言われると照れるね」


「でも、ありがとうお兄ちゃん。 褒めてくれて嬉しいよ」


 照れるひなたと嬉しそうにリアクションするアイリス。

 それがさらに可愛さを引き立てている。


「それじゃ、行こうよ。 あそこが南地区方面の馬車便が行く停留所があるよ」


 そう言って、俺の手を引っ張ってアイリスが案内する。

 ひなたも一緒に付いていく。

 停留所に着いた時には丁度馬車が来たので、早速乗ることにした。


「車の方は結構大きいな」


「最大で20人座れるような大きさにしてるからね。 ほら、あそこに座ろう」


 アイリスが奥の方を指さして座るように促す。

 そこは3人が座れる場所であり、アイリスを真ん中にひなたと俺がそれぞれの窓際に座る。

 馬車がゆっくり動き、徐々にスピードを上げていく。

 徒歩よりは速いといった感じか。


「そういや南地区って初めてここに入った時以来だけど、どんな所なんだ?」


 ふと思い出した俺は、南地区についてアイリスに質問した。


「南地区はいわば遊戯施設が充実しているエリアだね。 遊園地もあるし、カードゲームとかを売っている店もあるんだよ」


「へぇ、その遊園地、気になるね」


「着いたらすぐにそこに行くから、大丈夫だよ」


 ひなたが気になりだした遊園地だが、当初からまずはそこに行く予定だったらしい。

 俺としてもどんな遊園地なのか気になったから行けるのは楽しみでしかない。


「さ、もうすぐ着くから降りる準備しようか」


 アイリスが降りる準備を促す。

 もうすぐ到着という事か。

 しばらくしてスピードが緩み、丁度遊園地がある場所付近にある停留所に到着した。

 俺たちは乗務員にパスを見せて、馬車を降りた。


「うわぁ、結構大きい遊園地だね」


 降りてすぐにひなたが遊園地の大きさに感心した。

 当初は兵士に案内されて真っすぐ西地区に向かったから見ていなかったが、こうして見るとどこかのランドみたいな大きさを予測できる。


「ガイアブルクきっての巨大な遊園地だからね。 ここに遊びにくる人は国内外問わず多いんだよ」


「へぇ……」


「それじゃ、早速行こうよ。 入場チケットは一人200リルだし、私が出すよ」


 そう言ってアイリスが財布からお金を用意した。

 財布管理はリーダーのアイリスに任せているからなぁ。

 入場チケット販売場所に行き、三人分購入したのち、入場ゲートに入った。


「すごい、ジェットコースターやメリーゴーランドとか知ってるものもいっぱいある!」


 入った瞬間、ひなたがこれでもかというくらいにはしゃいでいた。

 確かにジェットコースターとか知ってる乗り物が多い。

 それだけでなく、この世界独特の乗り物もどうやら存在している。

 巨大な遊園地というのは伊達ではないということか。


「最初だから、いくつか安全なものを選ぼうか。 馬車でいつでも来れるしね」


「そうだな、とりあえずひなたを落ち着かせてから行こうか」


「そだね、あんなに激しくジャンプしてたらパンツ見えそうだしね」


 俺はアイリスと一緒にひなたを落ち着かせた。

 あそこまでテンションが上がるのはいいが、何度かチラリと下着が見えてたからな。

 ちなみに水色だった。


 とまぁ、そんなこんなで最初は何に乗るかをアイリスに決めてもらい、そこへ行くことにした。



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