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20 閑話~その頃のガルタイト国内②~

「しっかし、なんで俺達はこのグループなんだ?」


「そうだね、未だに納得できないよ」


 ガルタイト国の地下にある訓練用のダンジョン。

 そこに二人の男子生徒が前との距離をわざと開けて不満をぶちまけていた。


 片方は如月(きさらぎ) 光輝(こうき)

 もう片方は、来栖(くるす) 貴之(たかゆき)

 二人は、無能扱いした佐々木 暁斗の殺害を行う部隊じゃなく、今いる魔王討伐部隊の1グループに配属された。

 それに抗議したが、魔王を倒す為の力が他の勇者より高いというわけで無理やり配属された。


 故に未だに不満が溜まりまくっている。


「しかし、あの陰キャを殺すのはいいとして、葛野さんまで殺そうとするなんて……」


「ああ、しかもザナ王女の命令だろ? 自分を傷物にした上、勇者の素質を持ちながらも裏切ったとして」


 さらに二人はもうひとつの不満を口にした。

それは追手部隊に佐々木 暁斗だけではなく、葛野 ひなたをも殺害せよと命じたのだ。

 それを踏まえて、勇者の中でも能力に劣る者を複数の部隊に分けて組み込んだ。

 そこに二人が入れなかった。

 能力が高いから、魔王討伐向けだと判断されたのだ。

 二人はさらに話を続ける。


「あの担任も、ノリノリでその命令を受理したみたいだしね」


「ああ、そういやあの担任、葛野の事が気にくわない節があったなぁ」


 光輝はふと思い出していた。

 担任の女教師は、自分より弱い生徒を見つけては理不尽に言いがかりをつけたりしていた。

 暁斗や由奈がその対象だったが、事ある毎にひなたが介入していたので、担任にしてみれば自分のやることを邪魔されたとして内心気にくわなかった。

 あの命令を受理したのも、そういう私情絡みであろう事は容易に想像がつく。

 あんなのでも、教員免許を取れる世の中に二人はげんなりしてきた。


「今回の件であの担任は、葛野を殺す気満々だしな。 止める事ができないのがもどかしいな」


 光輝はため息をつきながらそう言った。


「そこの二人、何をやっているのです? 早く来て下さい」


 そんな時に、グループのリーダーである兵士から声がかかる。

 相当、前との距離が離れすぎたらしい。


「とにかく、今はダンジョンで経験を積もう。 何せ、最初に差し向けた追手が全滅したから、すぐに新たな追手を明日にも差し向けるみたいだしな」


 貴之か、距離が離れすぎたのに気付き、切り替えを促した。


「そうだな。 命令が来てからかなり経ってるしな。俺達も猶予はないな」


 光輝も了承し、先に行く同じグループのメンバーに追い付く為に、小走りで向かって行った。


「この追手の差し向けで終わればいいんだがなぁ」


 叶わぬ願いをひとりごちながら。



◇◇◇◇◇◇



「明日、新たな追手部隊が出陣するのね……」


 一方、訓練が終わって自室に戻った由奈は、明日には新たな追手部隊が出陣することを知り、ひとりごちていた。

 彼女はそこには選ばれず、その次の追手として出陣することになった。


「暁斗くん、ひなたちゃん……」


 大人しく、自分の意思がうまく出せない性格故に、友人も二人しかいない。

 特にひなたに関しては担任の理不尽な言いがかりのターゲットにされる度に助けてくれたから、恩義を感じていた。


 しかし、クラスごとこのガルタイト国に召喚され、暁斗が無能扱いされ、それに伴ってひなたが暁斗を助けて国を出た。

 その光景を思い出す度に、自分の性格を恨んだ。

 だが、それも今となっては最早どうしようもない。

 この18日間、訓練はしっかりやった。

 一応は強くはなっが、暁斗やひなたも強くなっていると思っている。

 それでも訓練をこなしたのは、二人への謝罪をする時間を確保するため。

 例え許してくれなくても、一言だけでも謝罪できれば、二人に殺されても構わない。

 そんな想いを秘めて訓練をこなした。


「二人とも……待っててね……」


 秘めたる決意を胸に、由奈は眠りに入った。


 由奈が暁斗やひなたと再会する時間は、刻一刻と迫っていた。

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