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16 ゴブリン討伐と薬草採取

「あそこが目的地の白薬草の群生地『ホワイトガーデン』だよ。 一つはそこに徘徊するゴブリン5匹を討伐、もう一つはそのホワイトガーデンで鮮度のいい白薬草を10房採集することだよ」


 アイリスが指した先に見えるのが、今回の依頼の場所の白薬草の群生地『ホワイトガーデン』と言われる場所だ。

 西地区の出入り口から南に徒歩30分の場所にある近場だ。

 俺たちの受け持った依頼は、そこで荒らしているゴブリン5匹の討伐と、その後鮮度の高い薬草を採取すること。


「だったら、先にゴブリンを倒しちゃった方がいいかな? でも、今は白薬草のエリアっぽい所を徘徊してるけど」


「ゴブリンをそこから遠ざける必要があるね。 確かひなたお姉ちゃんは【挑発(プロボック)】が使えるよね?」


「うん、私の持つ勇者の素質として入ってたから」


「じゃあ、それを使ってゴブリンを誘導しよう。 群生地から離れたら戦闘開始で」


 まず、ひなたとアイリスが今回の流れを確認する。

 お互いがそれでいいと頷いた後、俺の方に顔を向けた。


「アキトお兄ちゃんは今回は剣でゴブリンを倒してね。 お父さんから支給された剣があるから大丈夫だよ」


「ああ、分かったよ。 なんとかやってみるさ」


 そう、今の俺が装備している剣は、クリストフ国王からあの悪徳貴族の件での報酬で貰った剣だ。

 当然、ひなたの分もあり、彼女も現在装備している。

 ちなみにゴブリンもかつてのウェアラットと同じくDランクモンスター。

 普段ならアイリスの魔法で一掃できるが、今回は俺とひなたのランクアップを目指すため支援に徹するとのこと。


「それじゃ、ゴブリン討伐始めるよ!!」


 アイリスの掛け声とともに、俺とひなたがゴブリンに向けて走る。

 ある程度ゴブリンに近づいたところで、ひなたが【挑発(プロボック)】を使用し、そのまま群生地から遠ざかるように走り出す。

 するとゴブリン5体もつられて俺たちを追いかけてくる。

 ひなたの【挑発(プロボック)】の効果は抜群といったところか。


「ここまで離れればいいか」


 ある程度距離が離れたところで、俺とひなたは同時にゴブリンに斬りかかった。

 突然の方向転換と攻撃にゴブリンは対処できず、あっさり斬られていった。

 ひなたは祖父から習った武術の型を活かした剣さばきで2体屠ったが、俺はというと一振りで一気に3体真っ二つにした。

 それを見たひなたが苦笑したのは言うまでもない。


「横に一振りで一気に3体を真っ二つとか……。もう少し軽めに振った方がいいんじゃない?」


 駆けつけたアイリスからも言われてしまった。

 確かに目下の課題は力の制御だからなぁ。

 それ故に反論はしない。


「そうだな……、しかしこれで討伐の方は完了なんだよな?」


「うん、そうだよ。 その後は、ゴブリンのこん棒が討伐の証だから回収しないとだけどね」


 そう言いながらアイリスはゴブリンの死体からこん棒を回収し、火の魔法で火葬した。


「モンスターによって討伐の証となるアイテムが違うんだよ。 今回はわかりやすいけど、場合によっては解体しないと駄目な場合もあるからね」


「うぇぇ、わざわざ解体するの……?」


「そうなんだよ。 その証となるアイテムを持ってギルドに討伐完了の報告をするんだから」


 ひなたは少し顔を歪めた。

 まぁ、平和な世界から来た俺たちからすれば、モンスターの解体はグロいので気持ちはわかるが……。


「それじゃ、群生地に戻って白薬草の採取だね。 【鑑定(スペクタクルズ)】を教えながらやっていくからね」


 そう言いながら群生地に戻るアイリスの後を俺たちはついて行った。



◇◇◇◇◇



「【鑑定(スペクタクルズ)】」


 群生地に戻ってきた俺たちは、まずアイリスが【鑑定(スペクタクルズ)】を行使する所を見ていた。

 これは、気配察知と同様に誰でも使えるスキルだという。

 集中力を使うのは気配察知と同じだが、【鑑定(スペクタクルズ)】は物を対象としているそうだ。

 また集中力が高ければより緻密な内容が見れる上、人間相手のステータスさえ見れるとのこと。


「うん、これは鮮度がいいから採るね」


 そう言って、アイリスは白薬草を1房採取した。

 それを魔法のカバンに入れている。


「それじゃ、まずはお兄ちゃんからやってみて」


 彼女にそう言われ、俺は先ほどのやり方を参考にやってみた。

 すると、脳内に色んなデータが入り込む。

 アイテム名、効果など……あと、薬草や食材のカテゴリーの場合は鮮度レベルもあるみたいだ。

 俺が見ていた白薬草は鮮度レベルがBだったが……?


「鮮度レベルがBなんだが、どうなんだ?」


「それも十分な鮮度を保ってるし採取しよう」


 アイリスに確認をもらい、俺も丁寧に白薬草を採取する。

 それを彼女に渡し、カバンに入れてもらう。

 そこでひなたが疑問を口にした。


「さっきの鮮度レベルって……Bとかはいい方なの?」


「鮮度ランクのレベルは最低がDとなって、一番最高はSなんだよ。 でも、Sは滅多にないから大体はAかBがいい方だね」


「なるほどね……、じゃあ次は私だね」


 理解したひなたが即座に【鑑定(スペクタクルズ)】を使う。

 ひなたが見ていた白薬草だが……。


「あー、これはだめか。 鮮度レベルがCだし…」


「うん、それはやめたほうがいいね。 その調子で続けてやってみよっか」


 そして、【鑑定(スペクタクルズ)】を使いながら白薬草を採取する。

 それの繰り返しで、鮮度の高い白薬草は依頼通りの10房の採取が完了した。


「それじゃ、ギルドに戻って報告しよう。 ゴブリンは思いのほか早く討伐したからそんなに時間はかからなかったしね」


 言われてみると、今回はゴブリン討伐よりも採取の方に時間を掛けていた。

 まぁ、【鑑定(スペクタクルズ)】を教えながらやってたのだからな。

 アイリスが足取り軽く先導し、無事西地区の入り口にたどり着くと、そのままギルドに直行した。


「はい、ゴブリン討伐と白薬草採取の依頼の完了を確認しました。 これが報酬です」


 ギルドのカウンターで別の受付嬢が応対していた。

 俺たちがカードを見せて、薬草と討伐の証となるゴブリンのこん棒を差し出した。

 確認が終わった後、受付嬢から報酬が渡された。

 中身は、お金1500リルと白薬草で作られたポーション3個だった。

 あと、報酬の件をアイリスに相談したら…


「今回は二人のために依頼したから、750リルずつ分けるといいよ」


 そう言って、俺とひなたにお金が分け与えられた。


「初めての冒険者での報酬か。 あの時を加えたら二度目だけど、こっちの方が達成感がすごいね」


ひなたが目をキラキラしながらこう言っていた。

 まぁ、俺も同じなのだが…。



◇◇◇◇◇



「お、早速冒険者生活やってるね」


「クリストフ国王様!?」


 ギルドから出た矢先、一番いい笑顔でクリストフ国王が出迎えた。

同時にアイリスがジト目で国王を見る。


「お父さん……、公務はちゃんとやってるの? 魔族領の人たちとの交流の強化とかやることあるんじゃないの?」


「ああ、その件にちなんだ話を暁斗くんとひなたくんには早めに言った方がいいと思ってね」


「どういうことです?」


 早めに言っておいた方がいいという事に俺は気になった。

 何かあるのだろうか?


「4日後の昼頃にその魔族領の治める主……、いわゆる魔王がこちらにやってくるんだ。 その時間帯は王城に来てほしいんだよ」


「もしかして、あのお姉ちゃんが?」


 アイリスは誰が来るかを察して笑顔を見せていた。

 魔王って言ったけど……、アイリスがお姉ちゃんと言っているあたり、女性なのだろうか?


「そう、竜人で現魔王のイリアゲート・カトリーナが来訪するんだよ」


 クリストフ国王が魔王の名前を口にした。

 俺とひなたは流石に驚いたが、魔族との交流を行っている国ならありえるかもしれない。

 だが、その次に発した発言でますます驚くことになった。


「そして、その魔王が暁斗くんとひなたくんに会わせてと言ってきたんだよ」


 その瞬間、俺とひなたはさらに驚きで固まったのは言うまでもないだろう。


 一度も会っていない魔王が、俺とひなたに会いたいと言ってきたことに驚きを隠せないまま、明日の冒険者活動も何とかこなした。

 そして、4日後。

 ついに魔王と面会する日がやってきたのだった……。



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