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051・ザック交渉を完了する、そしてダンジョン探索テストが始まった


「.....ねぇ、後輩くん。ひとつだけ聞いても良いかな?何でわたしなんかの所に

交渉しにきたの?攻撃面で言ったらさ、あいつらの方が適任だと思うんだけど?」


ミカリ先輩がそう言うと、不良やギャルどもの溜まっている場所に顔を

チラリと向ける。


「いやいや、何を仰います。あれは流石に駄目でしょう!だって覇気も

やる気も全く感じられませんし、それに先輩だからといって、ムチャぶりや

イキリをされるのが火を見るより明らかですよ!そんなの正直、迷惑極まり

ないですしね。ですので、ハッキリ言ってあれらは論外ですよ!論外っ!」


「お、おお......い、意外に辛辣な言葉を吐くんだねぇ、キミ......」


「……という訳ですので、俺には貴女しかいないんですよ!どうか、お願い

しますぅぅぅっ!ミカリ先輩ぃぃぃいっ!!」


「にゃっ!?あ、貴女だけしかいないって......!?」


ザックの真剣な眼差しによる言葉を聞き、ミカリは「もうこれって、完全に

プロポーズじゃん!?」と高揚し頬を紅に染めてしまう。


「コホン......も、もうしょうがないなぁ。こ、後輩くんからそんな顔で嘆願を

されてしまっては、断りが辛いわよねぇ。そ、それに、後輩くんのパーティには

アンネさんもいるみたいだし、人見知りの緊張も大丈夫みたいだし?よ、よし、

分かったわ!後輩くんのパーティ、入ってあげてもいいわよ♪」


ミカリ先輩が紅に染まった頬を更に紅に染めつつ、ニコッと微笑みをザックに

見せると、突き出した俺の右手に優しく握手をしてくる。


「うぉぉおぉぉっ!やった、交渉成立だあっ!これでパーティメンバーが

やっと揃ったぜっ!」


俺は拳をグッと力強く握り締めると、パーティ交渉を達成した感動に浸る。


「......ハア、やれやれ。何を達成感に浸っているんですか、平均三下は。

パーティメンバーを揃えてから、やっと本番でしょうが!」


「あ、そ、そうでした!コロッと忘れてたけど、これってパーティメンバーの

交渉を達成する授業じゃなく、ダンジョン探索の授業だったっ!」


先輩との交渉があまりにも難儀だったせいで、つい勘違いしちゃったよ。


「あはは♪ザック君のその気持ちスッゴく分かるなぁ。交渉って、ホント

苦労しちゃうもんねぇ♪」


「わたしは人見知りな性格もあって、先輩達との交渉にはかなりの悪戦

苦闘を強いられたなぁ。そしてやっとの思いで交渉を達成したせいか、

そこで満足してしまい、後輩くん同様、そのまま帰ろうとしたっけ......」


「わ、わたくしは...別にそんな事くらいで達成感に浸るなんて事は......

......ありましたわね」


俺のこの達成感や勘違いは、先輩達もどうやら体験していたようだ。


そんな談笑を先輩達と交わした後、


俺達はダンジョン前で待機している教師達の待つ集合場所に移動して行く。



―――数分後。



「よ~し!どうやら十人とも、パーティを無事に組めたようだなっ!

良くやったっ!では最初のパーティメンバーはダンジョンの出入り口前まで

移動を開始しなさい!」


「は、はいっ!」


最前列に並んでいたパーティメンバーが、教師からこちら来なさいへと

声を掛けられる。


「せ、先輩方!探索テストのサポートお願いしますっ!」


「おう!任せておけよ、後輩っ!」


「探索のテストが終わったら、食堂で打ち上げと反省会をしようね♪」


「その時、反省する課題があまりないよう、俺達がしっかりサポートを

してやるから、大船に乗った気でいろよ!」


「は、はい!頼りにしてます、先輩っ!」


最初のパーティメンバーの先輩達が、後輩のサポートを頑張るぞという

気合を各々入れた後、教師の誘導でダンジョンの中に入って行く。



――それから更に数分後。



「よし!では次のパーティメンバー、こちらへ来なさい!」


そして7番目に並んでいた俺達に、教師から遂にお呼びが掛かった。


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