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050・ミカリめっちゃ驚愕する


「――へっ!?キ、キミが気配察知を習得している?ホントなの、それ?」


「ええ。数年前、俺の幼馴染達から半ば強引に習得させられまして...はは」


「キミの幼馴染達から......ですか?」


「はい。その幼馴染達っていうのが、これまためちゃくちゃ人気者でしてね。

あいつらのファンや追っかけ達が、至るところでいつも待ち構えていたんですよ」


「ファンに追っかけ......それはまた凄い人気者だね、キミの幼馴染達って。

でもその幼馴染達の人気と、キミが気配察知スキルを習得している事と、

一体どう話が繋がってくるんだい?」


「えっと、それはですね。その連中を煩わしいと思った幼馴染の二人が、

そいつらから逃げる為、ミカリ先輩がやってたみたいに≪認識阻害≫のスキルを

いつも発動させていたんですが、そのせいで俺もあいつらの事を認識しずらく

なりましてね。で、その事に気づいた二人が、自分達の事を見つけられる様にと、

≪気配察知≫のスキルを俺に無理矢理習得させてきて...結果、≪気配察知≫を

習得したという次第なんです......」


何故、俺が気配察知スキルを習得しているのか?


その詳しい経緯を、当時の苦労を言葉に含みながら、ミカリ先輩に淡々と

語っていく。


「......あ。因みにですが、俺の今現在の気配察知レベルは8です!」


「ハ、ハァァァアッ!?レ、レベル、は、8ぃいっ!?」


俺の気配察知のレベルを聞いたミカリ先輩が、目を大きく見開いて驚く。


いや~ホッッッント、このレベルに到達するまで苦労したなぁ。


気配察知スキルを習得するのも、苦労の連続ではあったけどさ、


習得した後のレベル上げがこれまた、毎日毎日、くる日もくる日も、

それは地獄すら生温いと思える程の猛特訓の日々だったからなぁ。


あぁぁぁあぁあ~~っ!!


い、今思い出しても頭がテンパってくるうぅぅぅううっ!!


俺は気配察知スキルのレベルが8に到達するまでにやった、幼馴染達から

受けた地獄の特訓を思い出し、身体を抱えてブルブル震えて悶絶していると、


「じ、じゃあ、なに?キミのレベルが8という事は、そ、その幼馴染達の

認識阻害のレベル数値も8か、それ前後って事なの!?」


「...え?ああ、はい、そうですね。あいつら二人の≪認識阻害≫スキルレベルは、

俺の気配察知レベルより2つ上のレベル10です!」


「......ハァ!?≪認識阻害≫スキルのレベルが10うぅぅうっ!?う、嘘でしょ!?

わ、わたしの認識阻害スキルレベルの二倍じゃないの!?ね、ねぇ、後輩くん。

その幼馴染達って、じ、実は成人さんなんでしょう?だ、だってさぁ、そこまで

レベルが高いんだもんね!そ、そうなんだよね、後輩くん?「うんそうです!」と

言ってぇぇぇぇぇええっ!!?」


「え、えっと...幼馴染達は俺と同い歳です......す、すいません」


「――はう!?お、お、同じ歳ぃぃぃいっ!?じ、じゃあ、一年生で本当に

認識阻害スキルのレベルが10だっていうなのっ!?はうぐぐぅぅう......

さっき見せた、わたしのしたり顔がメッチャ恥ずかしいぃぃいぃいいっ!!」


幼馴染達の認識阻害スキルレベルに、倍の差で負けしまったミカリ先輩は、

そのショックで頭と長い密編みを地面につける様にガクッと項垂れた後、

思いっきり悄然してしまう。


そんなミカリ先輩を見て、俺は慌てるように、


「あ、あはは......な、何か、また話が脱線しちゃいましたね......ゲフン、

コホンッ!で、では、もう一度改めて言います!ミ、ミカリ先輩ぃっ!

ど、どうか俺とパーティを組んで下さい!お、お願いしますっ!!」


暗くなった場の雰囲気を払拭しようと、軽く咳払いをして場の空気感を

強引に変えると、再びミカリ先輩の前に右手を大きくビシッと差し出して

パーティ参加の嘆願をする。


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