表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/58

042・その頃、サキナとニーナは?(幼馴染side)


遡ること、ザックがエクトス学園に転入するべく旅立った日。



「それじゃ、お母さんいってきまぁ~す!」


ザックの幼馴染のサキナが母親にいってきますの挨拶をした後、カバンを手に

取り、そして元気よく家から出て行く。


「うふふ♪今日もザックの奴にロード君のカッコ良かった所をタップリと

聞いてもらわなきゃ!」


サキナはいつもの様に隣の家...ザックの家に向かうと、玄関のドアを数回

コンコンとノックする。


「あ、あれ?返事がないな?」


「ああ。さてはザックの奴、まだグースカと寝ていやがるな!」


もうしょうがないんだから。


「どれどれ。可愛い幼馴染のこのサキナ様が、寝坊助さんを起こして

あげるとしますか♪」


サキナが「やれやれ、しょうがない奴だなぁ~」と苦笑いをこぼしつつ、

ザックの家の合鍵が隠してある植木ばちを退かす。


...が、


「あ、あれ?合鍵が......ない?」


どういう事?


もしかしてザックの奴、合鍵の隠し場所を変えた?


私が見当たらない合鍵に、ハテナ顔をして首を傾げていると、


「おや?そこにいるはサキナちゃんじゃない?おはよう~♪」


ザックの親戚のお姉さん、ユキコさんが私に声をかけてきた。


「あ!ユキコさん、おはようございます!」


「それでこんな朝っぱらから、そんなところで何をしていたの?」


「えっとですね。ザックを呼びに来たんですが家に鍵が掛かっていて、

それを開ける為に合鍵探していたんですが、それが見当たらなくて...」


「合鍵?ああ、それだったら、ザックが回収して私が受け取っているよ?」


「え?ユキコさんが?」


「うん。ほら、これでしょう?」


ユキコさんはそう言うと、持っていた合鍵をサキナに見せる。


「そのホルダー、間違いなくここに置いてあった合鍵!でもどうしてもユキコさんが

それを?もしかしてザックの家に何か用事ができて、あいつから一時借りたとか

ですか?」


「まぁ...確かに用事といえば用事なのかな?実はね、この家の管理をザック

から頼まれちゃってさ!」


「へ?い、家の管理を?それって、一体どういう意味でしょうか?」


「あ、あれ?も、もしかして、あいつから何も聞いていないの?」


「き、聞いていないって...何を......ですか?」


ハテナ顔をしているユキコに、サキナが困惑した顔でそう訊ねる。


「ああ、そっかぁ.....何も聞かされていないんだね?たはは...なるほどねぇ。

それがあいつなりの最後の...意地のプライドってやつか......」


まぁ、分かるっちゃ、分かるけどねぇ。


サキナの言葉を聞き、ユキコが何かを察したのか、ウンウンと首を小さく縦に

振って納得顔を見せる。


「あいつなりの?意地のプライド??そ、それって、一体どういう意味ですか?

そ、それに管理って...!?お、教えて下さい、ユキコさんっ!」


「う~ん、そうだねぇ。簡単に説明するなら、プライドっていうのはあんた達に

恋人ができたから。そして私がこの家を管理するのは、あいつがこの家を離れた

から...かな?」


「えっ!?」


「あ!因みに、あいつはもうここには帰ってくる事はないと思うよ?」


「――なっ!?か、帰ってこない!?ザックが…ですかっ!そ、それは何故!?

どうしてなんですか、ユキ――――」


「―――それは自分の胸にでも問うてみなさいな、サキナちゃん。......って

いうか、もういいかな?正直あいつの事を弟として可愛がっていた私として

はね、あんな振り方をしたあなたとなんか、一秒足りとも話もしたくないし、

顔も見たくないんだよねぇ~!」


ユキコはこれ以上、サキナの戯れ言なんか聞きたくないとばかりの冷たい目と

不愉快そうな表情でサキナの言葉を遮ってそう言い放つと、そのままザックの

家の中に入って行った。


――え?


――へ?


ど、どういう意味なの??


ザックが...ザックの奴が、ここにもう帰ってくる事がないってっ!?


な、何でだよ!?


だって昨日までそんな素振り、一回も見せていなかったじゃないかっ!?


な、なのにどうして...



『それは自分の胸にでも問うて見なさいな』


じ、自分の胸に........


私はユキコさんの言った様に胸に手をソッと当てると、ザックが去るまでの

行動を思い出していく。


...........あ、



ザックのこの表情...全く笑っていない!?


それどころか、あいつが私達にいつも向けてくれていた笑顔、それを近頃

全然見ていない!?


「わ、私が...ロード君の事ばかり......だ、だからあいつ......関心も...興味も

無くして...私達の下から......去って......そ、そうなんだ.........ねっ!?」



―――私がそれを理解した瞬間、



私の心に言葉では言い表せない何かの重圧感が、ズシッとのし掛かってきた。


そしてその重圧感に堪えられなくなってしまった私の心は、最早何も考えたく

ないとばかりに思考を掻き消していき、私の目の前を真っ白へと変えていく。


その後、私は愕然とした表情で両の膝を地面にガクッと落とすのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 幼馴染が意味不明ですね。 001-002の要約は「私達はイケメンと交際するから、もうお前とは週末デートとかしないが、お前は私達を応援しろ」で、あげくに惚気話を念仏のように聞かせてると。…コレ…
[気になる点] ユキコはサキナ達のザックへの気持ちをいつ聞いていたのか ザックがサキナ達に好意を抱いていた事は本人の様子や恋愛相談なりで知ってただろうけど、サキナ達のザックへの好意はいつ知ったんだろう…
[気になる点] キャラ崩壊してるというかキャラを忘れてると言うか、片言だったり口調がおかしくなってませんか?今回登場の2人とも。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ