040・もしやキミもザックが好きなのか?
「ふう~。いいですか、良く聞いて下さいルル先輩!それにスズ先輩も!
あなた達はエクトス学園で超エリートって立場なんですよ。そんなお二人が
俺みたいな平均の男子生徒とイチャイチャしていたら、そりゃ~誰だって
ビックリ仰天しますってっ!」
まぁ、スズ先輩やルル先輩から告白を受けたっていうのは、周知の
事実だったろうけどさ。
でもまさか、ここまでこの二人からイチャイチャをされているなんて、
露にも思っていなかっただろうな。
特にフローラから聞いた二人の性格ではさ。
だから俺だってそっち側にだったら、多分エレアとおんなじ態度を
とって、ビックリしていただろうしね。
「とにかく、エレアを回復させたいので、お二人とも取り敢えず
俺から離れて下さい」
俺はそう言うと、スズ先輩とルル先輩を引き剥がして距離を取る。
「く、致し方ない。ザックの言うようにあのエレアとかいう女子生徒を
このまま放置しておくわけにもいかんしな……」
「むむむ!折角ザックと学園までイチャイチャしながら、登校したかった
のにぃぃ~なのっ!」
ザックの言葉を聞き入れ、スズとルルが渋々だが、ザックの腕を放して
離れていく。
「お~~い、エレア~~。いい加減こっちに戻ってこ~いや~~い!
ホ~レ、ホ~~レッ!」
俺は未だに呆然としているエレアの肩をガッと掴むと、前に後ろにと、
身体を揺さぶって正気に戻す。
―――数分後。
「ふう、危ない危ない!まだ二日目だっていうのに、危うく休まなきゃ
いけなくなる所だったわっ!」
何とか正気に戻ったエレアが、固まった身体を解すように柔軟体操を
しながら、ザックへ愚痴をこぼしていく。
「たはは。ホントすまなかったな、エレア」
「別に謝らなくていいわ。ただムカついただけだし......ねぇっ♪」
「ちょっ!エレアさん!?」
その目、マジで怖いんですけど!?
その言葉と全く噛み合っていないんですけど!?
ニコニコした表情なのに、その瞳からは物凄い威圧感を感じた俺は、
目を丸くして恐れ戦いてしまい、思わず後退りしてしまう。
「え、えっと…エレアさん?な、何でまたそんなにプンプンと怒って
いらっしゃるんでしょうか?も、もしよろしければ教えてもらっても
いいでしょうか......?」
俺はエレアが怒っている理由を、おそるおそる聞いて見る。
「ふ~ん、分かんないんだぁ~?う~ん、そうだなぁ~~。じゃあ、
ザック。今からわたしが言う事を脳内で変換してみなさいな!」
「エレアの言う事を脳内で?う、うん、分かった......」
「......コホンッ!ではまず、さっきのあなたをロードとやらに変換する。
変換した?」
「あ、ああ……」
「じゃあ次に、そこの先輩二人をあなたの幼馴染達に変換する。出来た?」
「先輩達をサキナ達に……よし変換したぞ!」
「よろしい。では最後に、それを見たわたしをザック、つまりあなたに
変換します。どう、ザック?ちゃんと上手く変換ができ―――――あら?」
エレアが最後まで言葉を言い切る前に、ザックは白目を剥いて地面に
バタンと静かに倒れ、そして気絶する。
――数分後。
「ふう、死ぬかと思った……」
「どう?わたしがあんなになってしまった理由と気持ちが、理解
できたかしら?」
ジト目の表情で俺を責めるエレアに対し、
「は、はい!心の底から分かりました!マジで、もうホントに
すいませんでしたぁぁああっ!」
俺は心からの反省を見せると、心からの謝罪を口にし、そして頭を
水平にビシッと下げる。
「ふむ。反省したのなら、次からは気を付けた行動をし―――」
「なぁ、そこの女子後輩。名前はエレア……だったか?少しばかり気に
なった事があるので、それをキミに聞いても良いかな?」
「え!?わ、わたしに聞きたい事ですか?」
突如スズ先輩に声を掛けられ、エレアがハテナ顔になる。
「うむ。先程「わたしがあんなになってしまった理由と気持ちが、
理解できたかしら?」とか言っていたが、それってとどのつまり、
キミもザックの事が好きだという事だよな?」
「ぶぅぅぅううぅぅぅ―――――――っ!?!?」
スズが神妙な面持ちにて、エレアの恋心を問うた瞬間、エレアは喫驚した
表情で思いっきり吹き出してしまう。




