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039・エレア、吃驚仰天する


「ちょ!先輩!?待って!?ち、力が強い!力が強過ぎますってぇえ~~!?」


「や、止めろし!そんな引っ張んな、あほスズ~ッ!あーしが転んで怪我を

しちゃうだろうがなのぉお~~~っ!」


スズ先輩の強引な行動に、ルル先輩も俺と一緒にズルズルと引っ張られて

しまい、それに対して悲鳴にも似た抗議の言葉を思いっきり口からこぼす。


「おっと。スマンな、ルル。お前がいた事をすっかり忘れていたよ!」


「う、嘘つけしぃ~!絶っっ対に、わざとだろうしぃぃい~~っ!」


引きずられているルル先輩に気付いたスズ先輩が、頭を下げてすまないと

謝謝をするが、しかしルル先輩は許さんとばかりに怒りを露にしている。


そんな犬猿の喧嘩をしている二人を遮り、


「あ、あ~の、お取り込み中のところ誠にすいませんが、ちょいとばかり

お二人にご質問をしてもよろしいでしょうか?」


俺は気になっていた事を聞く。


「……ん?私に質問?」


「どうしたなの、ザック?そんな顔をして、あーしに言いたい事って?」


そんな俺の真剣な表情を見て、スズ先輩とルル先輩が言い争う事を止め、

俺の言葉に耳を傾けてくる。


それを確認した俺は、


「も、もしかして……このまま抱き付かれた状態で、学園に登校をする

おつもりなのでしょうか?」


先程から思っていた疑問を二人に投げる。


すると、



「当然だ!」


「当然なの!」



スズ先輩とルル先輩が、シンクロしたかのように同じ答えを速攻で

俺に返してきた。




―――その頃。



「もう遅いな~ザックの奴?ああ!もしかしてまだ寝ているんじゃ

なかろうなぁ~っ!?」


「あはは、それはありえるかもねぇ♪だって昨日、あんな事がザックの

身にあったんだも―――――ん?誰かの声が聞こえてくるね?」


「あ、ホントだ。この声………聞き覚えが?」


エレアとフローラが今日もザックを大門前で待っていると、遠くの方から

誰かの騒ぐ声が聞こえてきた。


「ねぇ、先輩達!ほ、本当にこのままで行くんですかぁあ~~!?」


「あ、やっぱりこの声の正体はザックだっ―――――たぁあっ!?!?」


エレアがザックの声だと気付き、声のする方角に顔をパッと向けると、

そこにはまるで信じられない光景が、その両の瞳に飛び込んできた。


「おや?あそこで固まっている女子生徒、お前の名前を呼んでいたようだが、

ひょっとしてお前の知り合いなのか、ザック?」


「......え?あ!あの二人は!?」


スズ先輩が大門前にいるエレアとフローラに気付き、俺の知り合いかと

問うてくるので、


「あ~はい、そうです。右で固まっているあの子はエレアと言いまして、

昨日ここに俺と一緒に転校して来たんですよ!そしてその横にいる眼鏡を

掛けている子がフローラと言いまして、エレアの同寮で、昨日紹介された際に

友達になった子です!」


俺は二人の紹介をしつつ、エレア達は知り合いだと伝える。


そんな中、ルル先輩がハテナ顔をして、


「しかしあいつ、何であんな素っ頓狂な表情をしているんだなの?」


…と、不思議がっているので、


「いやいや、どう見てもお二人のせいですよ、スズ先輩とルル先輩のっ!」


俺は間を入れず、そうツッコミを入れる。


すると、


「はぁぁあ?な、何であーし達のせいになるんだ、なのっ??」


ルル先輩が大きく目を見開き、信じられないという仰天とした表情へと

変わると、俺の言葉に対してビックリしている。


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[気になる点] 幼地味サイドの話をはよ見たいです
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