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018・例え、金欠だったとしてもなの!


「おい、ルル。奢るって...大丈夫なのか?確かお前、今月は金欠とか

言っていた気がするんだが?」


あ!そういえば俺も昨日の夜、ルル先輩の懐が寂しいとか言っていたのを

聞いたよ。


「えっと、ですね。その...ルル先輩?さ、流石にお金のない人から奢って

いただくのは、あまりにも忍びないので、ここはお断りをさせてもらっても

いいで――――」


「ふふふ!遠慮すんな、可愛い後輩よ!例え懐が寂しかろうとも、その懐を

無理矢理にでも深くして奉仕することも、また先輩として見せどころなのっ!

さぁ、さぁ、さぁ~!可愛い後輩よっ!そういう事なので、その購入ボタンを

押すなのっ!ポチリッとなのっ!!」


「――あ!」


金欠のルル先輩に奢ってもらうのは流石に心が痛いので、丁寧にお断りを

しようとした瞬間、ルル先輩が意味の分からない持論を語り、そして終えると

同時にコイン投入口に素早くお金を投入し、鰻丼の食券購入ボタンを押した。


「ほ、本当に良かったんですか、ルル先輩?」


「良いなの、良いなの♪その代わりといってはなんだけど、あーしから

ひとつだけ頼みごとがあるなのっ!」


「た、頼みごとですか?お、俺に出来る範囲でなら良いですけど......?

そ、それで、どういった頼みごとでしょうか?」


く……やはり、ただより高いものはないコースか!?


一体どんな頼みごとをしてくるつもりなんだろう?


どうせなら、出来るだけエロい頼みごとでお願いしますルル先輩っ!


俺は頭の中でそうであれと、必死懸命に祈りまくる。


「もう、そんなに顔をして身構えるななの!別に訝しい頼みごとを

するつもりはないから安堵せよなの♪」


俺の必死な形相と身構えに対し、ルル先輩が大丈夫と言わんばかりに

笑顔でニカッと笑う。


「コホン!そ、それで……あ、あーしの頼みというのは......その頼みごとは、

あ、あーしとね、そ、その一緒に...お、お昼ご飯を...食べてくれなのっ!」


「へ?お、お昼ご飯を…ですか?それが頼みごとなんですかルル先輩!?」


「おうなの!そ、それで、どうかななの?い、一緒に食べて......くれるかな?」


ルル先輩の頼みごとに俺がキョトンとしていると、ルル先輩が上目遣いで

身体をモジモジさせながら再確認してくる。


う、うぐ!?


ルル先輩、カ、カワイイっ!


「も、勿論オッケーに決まってるじゃないですか!先輩みたいな美人さんと

一緒に食事ができるだなんて、こっちからお願いしたいくらいですよっ!」


ホント、一体どんな難問の頼みごとを吹っ掛けられるかと身構えていたら、

こんな嬉しい頼みごとだなんて、マジでこっちから頼みたい案件です!


「は、はわわ!びび、美人さんっ!?はうぅ...テ、テレるなの......♪♪」


俺の言葉にテレたのか、ルル先輩が顔を真っ赤にしながら、あたふたと

動揺を見せている。


「そ、それじゃ、可愛い後輩よ!あ、あーしは自分の食べるお昼御飯を

選ぶので、そ、それまでキミはあそこのテーブルで待っていてくれなの!」


「あ、はい。あそこのテーブルですね、分かりました♪」


俺はそう相づちを打つと、ルル先輩の指差したテーブルへと移動する。



それからしばらく後。



自分の食べる昼御飯を選んできたルル先輩が、俺の待つテーブルに

ルンルン気分で戻って来た。


が...


「お、おい、スズ。なんでお前がそこに座っているんだ...なの?」


テーブル席に俺以外...スズ先輩が威風堂々と座っている事に、ルル先輩が

目を見開いて唖然としてしまう。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 十分、各キャラの個性は描けてます。 無理に語尾を変”なの”にして判別付けさせようとする必要などありませんよ。
[一言] この学校に来た途端、出会う女性全てからの好感度が高いのはなにか理由があるのかな?? 主人公や元の学校の生徒たちはそれに気付いていないだけで、何か秘密がありそうな気がするな。 この食堂での好感…
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