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015・初学園、初授業


「おぉぉお~い、俺達を置いて先に行くなよ~エレア~~!」


俺はひとり先に駆けて行く、エレアを呼び止める。


「はは…エレアは朝から元気だなぁ♪そんじゃ、俺達も行くとしようか!

……あ、そうだ!そういえばまだキミに俺の紹介がまだだったよね?」


フローラにまだ名前を名乗っていなかった事に気付いた俺は、


「えっと、俺の名前はザック。君付けは要らないから気軽にザックって

呼んでくれよ!」


自分の名前をフローラに名乗った後、握手を求める様に右手をスッと

前に差し出す。


「ザックだね。うん、分かった♪これからはそうさせてもらうよ!私の

名前は...さっきエレアが紹介してくれたからもう知っているかもだけど、

改めて一度名乗っておくね。私の名前はフローラよ。私の事も気軽に

呼び捨て呼んでも良いからねぇ~♪」


フローラも自分の自己紹介をした後、ザックから差し出された右手に

握手をギュッと交わす。


それを見ていたエレアが、


「おぉぉ~~い、そこで二人して何をジィィ~ッと見つめ合っているのかなぁ?」


いかにも怪しいぞお二人さんという目をして、こっちをジロッと睨んでくる。


「ハッ!?もも、もしかしてお二人さん!ひと目見た瞬間、お互いにひと目惚れを

しちゃったとかっ!?」


「―――なっ!?」


「―――ひゃ!?」


エレアの突拍子もない発言に俺はビックリし、


「ちち、ちょっと、エレアさん!?な、何を突然、そ、そんなマト外れな事を

言っちゃいますのかねぇ~~っ!?」


あたふたと動揺をしながらエレアの場所にスタタと駆けて行くと、エレアの

発言に抗議する。


そして、


「そ、それに俺はともかく、フローラが俺にひと目惚れだなんて言ったら、

気を悪くしちゃうだろうがっ!」


エレアの今の発言に対し、困惑した顔で軽く注意をする。


「ったく…ゴメンね、フローラ。エレアの発言は気にしないで良いからねっ!」


「たはは。わたしもゴメンなさいねぇフローラ。二人で楽しく談笑していたから、

ついつい揶揄いたくなってさぁ~♪」


ザックがフローラに申し訳ないと頭を何度か下げ、エレアもニャハハとニガ笑いを

しながら、悪かったと頭を小さくペコリと下げる。


そんな中、


「まぁ別に私は気を悪くしてはいないんだけどね......」


フローラが二人には聞こえないくらいのか細い声でボソッとそう呟き、軽く頬を

染めると、少しずれた眼鏡をクイッと上にあげ、二人の下にトタトタと歩いて

合流する。



そして俺達は、エクトス学園への通学路を和気藹々と歩いて行く。



―――それからしばらく通学路を歩くこと、数十分後。



エクトス学園に無事登校した俺とエレアは、靴箱の前でフローラと

一旦別れ、職員室へと向かうと、各々のクラスを担当する教師を探す。


因みに俺はエレアとは別のクラスだった。


残念。


教師に挨拶を終えた俺は、自分のクラスまで案内をされると、クラスメイトの

みんなに自己紹介をする。



クラスメイトに自己紹介を終え、授業を受けること、数時間。


午前の授業があれよあれよといわんばかりに過ぎ去って逝った。



キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン。



「お、ベルが鳴ったな。では......以上で、4時間目の授業はここまでです!」


4時間目の授業を担当した教師がそう言うと、持っていた教科書をパタンと

閉じ、教室から出て行った。


「ふう...やっと、午前の授業が終わった......」


午前が終わり、エクトス学園の授業を初めて受けるというプレッシャーから、

やっと解放された俺は、机にバタンとその身を倒す。


そして緊張でガッチガチだった、心と身体を(ほぐ)していると、


「やあ、転校生くん!お疲れのようだね♪」


爽やか口調で誰かが俺の背中をトントンと叩いてくるので、俺は誰だと伏せて

いた身体を起き上がらせ、その声のする方に顔を向けると、そこにはいかにも

陽キャラだという男が立っていた。


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