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第18話 青空の本気4

 不慣れな一日もようやく終わりを迎え放課後。青空と一緒に帰路につき、やがて俺ん家の前まで。



「じゃ、じゃあな、青空。また明日」

「……こんなにも、明日が待ち遠しく思えるのなんて、すごく久しぶりな気がします。それぐらい、ここで華美さんと別れるのが、寂しい」

「いや、そんなこと言われましても……」

「……泊まって、いきたいな」



 最後の最後でとんでもない爆弾発言を投下してきた青空。



「――ムムムムムム無理に決まってんだろッ!」

「どうしてですか?」

「どうしてですかってそりゃ、色々と問題が生じちゃう恐れがあるからだ! 年頃の俺が言うのもなんだけど、いやむしろ年頃の俺が言うから説得力がある! いいか? 年頃の男女が一晩同じ部屋で過ごすってのはその! つまり! ……間違っちゃうかもしんないというか、そういうのがあるんだよッ!」

「間違いじゃなければ、お互いが合意の上なら、いいんじゃないんですか?」



 ななななな何を言い出してんだ君は破廉恥なああああああッ!



「た、確かにそうなんだけどもね? 俺はまだ心の準備ができてないといいますか……それにほら! 俺達だけで決められるようなもんじゃないだろ? 娘がどこの馬の骨ともわからない男の家に無断で泊まりに行ったとなったら怒り心頭、青空のお父さんプンプンしちゃうから絶対! だから、な? やめよう? お願いだからやめよう?」

「……そんなに焦らなくても、冗談ですから安心してください、華美さん」



 声が上擦ってしまったものの、説得は成功したようで、青空はクスクスと口元を手で押さえて上品に笑っている。


 端から冗談だったか、それとも俺の抵抗に折れたかはわからないが、とりあえず一安心。


 安堵感からか、青空につられて俺も笑ってしまう。



「はは、ははは……良かった、冗談で」

「ええ、冗談です……あ」



 青空は視線をやや上に向け、何かに気付いたような声を上げた。



「華美さん。髪の毛にゴミがついてますよ?」

「え、やだ、マジ? どこにあんの?」

「取ってあげます。少し姿勢を低くしてもらってもいいですか?」



 横にきた青空に言われるがまま、俺は膝を曲げる。


 ――ちゅ。



「……………………へ?」



 右の頬に温もりを感じた瞬間、サササっと逃げるように俺から距離をとった青空。


 彼女は居心地悪そうに身を捩り、上目遣いで俺を見つめてくる。



「ゴミ……取れました」

「え? あ、あぁ……ありがとう」

「…………じゃ、じゃあッ! 私はこれで失礼します……また明日、迎えに来ますね」

「お、おう」



 大袈裟すぎるくらいのお辞儀をした後、青空は小走り気味に去っていった。


 残された俺はその後ろ姿をボーっと見つめながら、右の頬を確認するようにさする。


 そこには僅かな、それこそ息を吹きかけられればすぐに乾いてしまいそうな、湿り気を帯びていた。

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